売買目的有価証券の期末の評価の仕訳

Pocket

こんにちは、簿記合格請負人の平野です。この記事では売買目的有価証券の期末の評価の仕訳について解説します。

売買目的有価証券の期末の評価

売買目的有価証券の期末の評価に関しては、簿記3級で学習しました(追記:現在は簿記2級での学習内容となっています)。簿記2級でも方法に変わりはありません。

しかし、少々複雑な出題のパターンがあります。売買目的有価証券が2種類以上あって、評価益と評価損が両方とも発生するような出題です。

この場合、評価損と評価益を差し引き(相殺)し、残った方(金額が多い方)だけを計上します

総額主義の例外

原則としては、収益と費用は総額で記載しなければなりません。このことは企業会計原則に総額主義の原則として書かれています。

しかし、有価証券の売却損益、評価損益は総額主義の例外として認められています。総額主義は取引の規模を適正に表すための原則ですが、有価証券の売買取引についてはその取引規模は重要ではないからです。

重要なのは有価証券の売買という投資活動の結果として、どれだけの損益が計上されたのかです。

大きな意味も無く売却損と売却益、評価損と評価益を区別して表示すると、その財務諸表を見た人が分かりにくくなってしまいます(ぱっと見ただけではいくら損益が出たのか分かりません)。

そのため、正確さよりも分かりやすさを重視するという重要性の原則が適用されることで総額主義の例外となっています。

売買目的有価証券の期末の評価の仕訳

売買目的有価証券の期末の評価(例題)

期末に保有している有価証券は次のとおりであった。

銘柄 帳簿価額 時価 保有目的
A社株式 100,000円 80,000円 売買目的
B社株式 100,000円 110,000円 売買目的
C社社債 100,000円 130,000円 売買目的

この場合の決算整理仕訳について考えてみましょう。

売買目的有価証券の期末の評価(解答)

A社株式は帳簿価額(100,000円)>時価(80,000円)となっているので、評価損となります。また、金額は100,000円-80,000円=20,000円となります。

B社株式は帳簿価額(100,000円)<時価(110,000円)となっているので、評価益となります。また、金額は110,000円-100,000円=10,000円となります。

C社社債は帳簿価額(100,000円)<時価(130,000円)となっているので、評価益となります。また、金額は130,000円-100,000円=30,000円となります。

よって、各評価益や評価損は次のようになります。

  • A社株式…評価損20,000円
  • B社株式…評価益10,000円
  • C社社債…評価益30,000円

評価益(10,000円+30,000円)>評価損(20,000円)となっているので、全体としては評価益になります。金額は10,000円+30,000円-20,000円=20,000円となります。ここから先は簿記3級の範囲の売買目的有価証券の取引と仕訳 と同じです。

借方 金額 貸方 金額
売買目的有価証券 20,000 有価証券評価益 20,000

ちなみに、社債だから満期保有目的だと決め付けないように注意してください売買目的と書いてあれば社債であっても売買目的です

評価損益をいきなり求める方法

上のように考えなくても、慣れてくればいきなり評価損益(上の例で言えば20,000という金額)を求めることができます。全ての売買目的有価証券の帳簿価額から全ての売買目的有価証券の時価を引くのです。

その結果、計算結果がプラスになれば「帳簿価額>時価」ということなので評価損に、計算結果がマイナスになれば「帳簿価額<時価」ということなので評価益になります。

上の例で具体的に計算すると「100,000+100,000+100,000-(80,000+110,000+130,000)=-20,000」となります。マイナスなので評価益となります。

電卓で計算するときは[1][00][00][0][+][1][00][00][0][+][1][00][00][0][-][8][00][00][-][1][1][00][00][―][1][3][00][00][=]としてもいいですし、メモリー機能を使って、[1][00][00][0][+][1][00][00][0][+][1][00][00][0][M+][8][00][00][+][1][1][00][00][+][1][3][00][00][M-][RM]としても構いません。

ちなみに、メモリー機能を使う方法の考え方は次のような流れになります。

  1. [1][00][00][0][+][1][00][00][0][+][1][00][00][0][M+]と入力することで、帳簿価額の合計額をメモリーの箱に入れる
  2. [8][00][00][+][1][1][00][00][+][1][3][00][00][M-]と入力することで、時価の合計額をメモリーの箱から引く(この時点メモリーの箱の中は「帳簿価額の合計-時価の合計」となっています)
  3. [RM]と入力することでメモリーの箱の中を表示する

という流れになります。

メルマガ登録フォーム

簿記革命メルマガ「簿記革命通信~簿記1級にラクラク合格する方法~」の登録フォームです。



お名前(名字のみ漢字でお願いします)

メールアドレス

Pocket

タグ:

“売買目的有価証券の期末の評価の仕訳” への2件のフィードバック

  1. より:

    ”(借)売買目的有価証券 20,000/(貸)売買目的有価証券 20,000”
    この仕訳は合っているんでしょうか??

    • dokuboki より:

      コメントありがとうございます。ご指摘いただいた点、おっしゃるとおりです。すぐに修正させていただきます。

      ご指摘ありがとうございました。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

ページトップへ