- 販売した商品の仕入単価を計算しないといけないんだけど……
- 同じ商品でも仕入単価は違うから、販売した商品の仕入単価が簡単には分からない
- 仕入単価の計算の仕方について教えて!
販売した商品の仕入単価の計算方法が分からなくて悩んでいる方が非常に多いです。
私は簿記通信講座を2012年から運営してきて数百名の合格者をこれまでに送り出させていただきました。もちろん販売した商品の仕入単価の計算方法にについても熟知しています。
この記事では販売した商品の仕入単価の計算方法のうち簿記3級の出題範囲になっているものについて解説します。
この記事を読めば販売した商品の仕入単価を計算するときにどのように考えたらいいのかを理解できるようになります。
結論を言うと、販売した商品の仕入単価を計算する方法には「先入先出法:先に仕入れた商品から先に販売していくと仮定して計算する方法」と「移動平均法:商品を仕入れるたびに仕入単価を平均して計算する方法」の2つがあります。
商品有高帳:商品を管理する補助簿

商品有高帳は商品を管理する補助簿です。そのため、商品有高帳は商品の価格は全て原価で記入します。
全て原価で記入するということは、商品を販売したときに販売した商品の原価が必要になるということです。商品有高帳は「原価=単価×個数」という形で記入するので単価も必要になります。
仕入れた商品は同じでも仕入単価(商品単価)も同じとは限らない

商品有高帳を記入するためには商品の原価(単価)が必要です。商品の単価が全て同じであれば特に難しいことはありません。
しかし、商品自体は全く同じでもその商品の単価まで同じとは限りません。
値段が高い時期もあれば値段が安い時期もあります。魚や野菜などがその典型です。まとめて大量に買うことで仕入単価が下がる場合も多いです。
1個100円の消しゴムが2個一緒に買うと150円になったりする場合があります。この場合、単価が100円から75円に下がっています。
このように、同じ商品でも仕入単価が違うことは普通にあります。では、販売した商品の単価はどうやって求めるのでしょうか。
販売した商品の仕入れ単価(商品単価)の計算方法

理想的なのは、売れた商品とその原価を個別で対応することです。個別での対応は、オーダーメイドで何かを受注して販売したり、商品の数が非常に少なかったりする場合には可能です。
しかし、通常の商売で、販売した商品とその原価を個別で対応させることは不可能です。
そこで、正確さはやや落ちますが、合理的な計算方法を用いて求めることになります。いろいろな方法がありますが、簿記3級の範囲になっているのが「先入先出法」と「移動平均法」です。
先入先出法:先に入った商品から先に出て行くとみなして計算する方法
先入先出法は、先に入った商品から先に出て行くとみなして計算する方法です。読んで字のごとくなので、すぐに記憶に残ると思います。
先入先出法では、先に仕入れた商品から先に販売していると考えます。
コンビニやスーパーでは賞味期限の近い(先に仕入れた)商品から先に売ろうとします。先に仕入れた商品から売らないと売れなくなってしまうからです。
先に仕入れた商品から先に出ていくとみなす方法は通常の販売業での商品の動きとも合っています。
先入先出法ではこのような商品の動きの通りに商品有高帳に記入します。
移動平均法:商品を仕入れるたびに平均単価を計算しなおす方法
移動平均法は、商品を仕入れるたびに平均単価を計算しなおす方法です。平均単価が移動していくため移動平均法という名前がついています。
移動平均法では、商品を仕入れるたびにその時点の在庫と混ぜていると考えます。
ガソリンスタンドでのガソリンの販売はこのようになっています。ガソリンスタンドでは、ガソリンを仕入れたときに、仕入れたガソリンをそれまであったガソリンの保存容器に加えます。
その結果、過去に仕入れた商品といま仕入れた商品が混ざります。そして混ぜたガソリンをお客様に販売します。この商品の動きをイメージすれば移動平均法も身につけやすいです。
移動平均法ではこのような商品の動きの通りに商品有高帳に記入します。
【まとめ】販売した商品の仕入れ単価(商品単価)の計算方法

販売した商品の仕入単価を計算する方法について、簿記3級では「先入先出法」と「移動平均法」を学習します。
先入先出法では先に仕入れた商品から先に販売していると考えます。移動平均法では、商品を仕入れるたびにその時点の在庫と混ぜていると考えます。
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