【2021年版】独学向け日商簿記2級おすすめテキスト【8つのテキストを徹底比較】

  • 簿記2級のテキストを買おうと思ってるんだけどどれがいいのかな……
  • 自分に合ったテキストが分からない
  • 市販されている簿記2級のテキストの違いを教えて!

たくさんの種類の簿記2級のテキストが売られています。あまりにも多いため、簿記2級のテキストを選ぶことができなくて悩んでいる方が非常に多いです。

私は簿記通信講座を2012年から運営してきて数百名の合格者をこれまでに送り出させていただきました。職業柄、市販のテキストにも精通しています。

この記事ではテキストの選び方や市販されているテキストの特徴について解説します。

この記事を読めばあなたに合ったテキストが分かります。自分に合ったテキストで勉強することで日商簿記検定の合格も近づきます。

【重要】簿記2級のテキストを選ぶ前に簿記3級の過去問を60分以内に95点以上取る実力をつけること

簿記2級の勉強を始める前に簿記3級の過去問を60分以内に95点以上取る実力をつけることが大切です。

簿記3級の実力をほぼ完璧といえるところまで高めておかないと、どのテキストを使っても簿記2級に合格することはできません。

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簿記3級の過去問を60分以内に95点以上取る実力があるのであれば、簿記3級の勉強方法は問いません。

独学用のテキストであれば「みんなが欲しかった! 簿記の教科書 日商3級」か「日商簿記3級に“とおる”テキスト」がおすすめです。

簿記3級のテキストについては「【2021年版】独学向け簿記3級おすすめテキスト【9つのテキストを徹底比較】」で詳しく解説しています。

簿記3級の実力を測るという目的で過去問を解く場合は、前回の問題練習から少なくとも1ヶ月空けて解いた方が判断を間違えません。

前回解いたときの記憶が残っている状態で解くと実力以上の点数が出てしまいます。

簿記2級のテキストを選ぶときのポイント

簿記2級のテキストはあまり有名でないものまで含めると数十冊が市販されています。これだけ多いと何らかの基準がなければ選ぶことも難しいです。

そこで、最初に簿記2級のテキストを選ぶときのポイントをお伝えします。

簿記2級のテキストに必須の4つの要素

最新の出題範囲や会計基準に対応していること

簿記2級のテキストを選ぶときは最新の出題範囲や会計基準に対応しているものを選んでください。実際に内容を見て判断するのは初心者には難しいので、最新版を選んでおけば大丈夫です。

簿記2級の商業簿記において2016年度から2018年度にかけて大きな試験範囲の変更がありました。2018年4月以降に発売されているもの、「2018年度改正対応」といった説明があるものを選ぶことが大切です。

工業簿記については会計基準も試験範囲もずっと変更がないので、多少古い版であっても問題ありません。

説明が分かりやすいこと

あなたにとって説明が分かりやすいことが大切です。あなたの主観で選んでください。誰にとっても分かりやすい説明というものは存在しません。

この記事の後半でテキストの分かりやすさなどを解説しますが、私と意見が違う場合はあなたの意見を優先させてください。

同じ言葉の説明であっても「説明が少なすぎて分かりにくい」という感想を持つ人もいれば「簡潔で分かりやすい」という感想を持つ人もいます。

本屋の立ち読みでもAmazonの試し読みでも構いませんので、必ず自分の目で見て分かりやすいものを選んでください。

少し厳しい意見になりますが、自分に合ったテキストを自分で選べない人は独学に向いていません。

もちろん選ぶための情報はこれからお伝えしていきますが、最終的には自分が分かりやすいと思うものを選ぶことが必要です。

図解が充実していること

本当は図解がなくても分かりやすければいいのですが、現実問題として文字だけで簿記を分かりやすくすることは難しいです。

図解があることで、経営活動のイメージがしやすくなります。図解が充実していて分かりやすいと思うものを選んで下さい。

ここでいう「図解」は「イラスト」とは違います。最近は動物などのイラストを使ったテキストが多いですが、イラストは少ない方がいいです。

イラストにはとっつきやすくなる効果はありますが、簿記を理解しやすくなる効果はありません。

そのテキストの内容を身につければ合格点を取れること

そのテキストの内容を身につければ合格点を取れるものを選ぶことが大切です。「簿記2級テキスト」と名づけられていても、簿記2級の合格レベルに届くかどうか微妙なものが多いです。

簿記2級のテキストに不要なもの3つ

解答テクニックは不要

簿記2級の内容で解答テクニックは必要ありません。解答テクニックを身につけることで、簿記を理解しなくても答えだけは求められるようになってしまう危険があります。

ここで言う「解答テクニック」という言葉は「仕訳を切ることなく総合問題の解答欄を埋めるテクニック」という意味で使っています。

そうなってしまうと簿記1級以降の勉強に悪影響があるので、簿記1級以上を目指す人にとってはない方がいいくらいです。

簿記2級の内容をしっかりと理解できれば解答テクニックを使わなくても十分に合格できますし、教わらなくても解答テクニックを自分で作り出すことができます。

簿記の本質ではない説明が目立つテキストは選ばない方が無難です。特に簿記1級以上を目指す人にはお勧めできません。

最新の出題傾向に対応している必要はない

先ほど最新の「出題範囲」や「会計基準」に対応している必要があるとお伝えしましたが、「出題傾向」に対応している必要はありません。むしろ最新の出題傾向には対応していない方がいいです。

出題傾向とは問題の特徴のことです。「問題の難易度」「問題文の長さや言い回し」「出題形式」などが出題傾向にあたります。

出題傾向に対応していない方がいい理由は「過去問練習が新傾向問題の練習にならなくなるから」です。

本試験問題では一定の割合で「新傾向問題」が出題されます。受験生は何の準備もなくその問題に挑戦しなくてはいけません。

しかし、「新傾向問題」の解き方がテキストで説明されてしまうと、もう「新傾向問題」ではなくなってしまいます。

前もって新傾向問題の傾向を知ってしまうことで、過去問を解くときに「新傾向問題」ではなくなってしまうのです。

本試験では一定の割合で「新傾向問題」が出題されます。なので「新傾向問題を初見で解く能力」が必要になります。

テキストが最新の出題傾向に対応していると「新傾向問題を初見で解く能力」を磨くことができません。

こういった理由から新傾向問題には対応していない方が望ましいのです。しかし、市販されているほぼ全てのテキストは本試験で出題された出題傾向はすぐに反映されます

出題傾向がすぐに反映される理由は、テキストと問題集を終えたあとの過去問練習で合格点に届かないとクレームになったり悪評を書かれたりするからです。

前もって「新傾向問題」を解けるようにしておけば過去問で高得点が出せるのでそういったクレームは起きにくいです。

事実上、最新の出題傾向に対応していないテキストを入手することはできません。

旧版のものを買うという方法もありますが、その場合、出題範囲や会計基準が対応していない危険性があります。

「過去問では合格点が取れるのに本試験では合格点が取れない」となってしまう理由の一つは「新傾向問題を初見で解く能力の不足」にあります。

簿記の勉強に動画は不要

簿記の勉強に動画は不要です。動画は時間に対する情報密度が低すぎるので、動画で勉強する場合、かなりの勉強時間を確保する必要が出てきます。

特に動画の勉強でよくないのが「疲れているからテキストは読めないけれど動画なら見ることができる」というスタンスが習慣になってしまうことです。

こうなってしまうと勉強時間のほとんどが動画の視聴になってしまいます。

もちろん動画をたくさん見ても、問題練習の量を減らさなければいいのですが、多くの人は問題練習の量が減ります。

問題練習が減れば合格は難しくなります。問題練習が経るくらいなら動画はない方がいいです。

「テキストで分からないところだけ動画を見る」「動画を見ている時間は勉強時間に含まない」といった意識があれば動画はプラスに働きます。

8つのテキストを徹底比較(おすすめは理解系高得点型)

テキストの選び方が分かったところで、いよいよテキストを徹底比較していきます。まずはテキストを次の3つに分けて、その後テキストを個別に解説します。

  • 網羅系高得点型
  • 理解系高得点型
  • 合格ギリギリ型

網羅系高得点型

網羅系高得点型にあたるのが「合格テキスト 日商簿記2級」です。

合格テキスト 日商簿記2級
出版社TAC
ページ数商業440ページ、工業360ページ
大きさB5
カラー2色刷り

合格テキスト 日商簿記2級

市販されている簿記2級のテキストの中で最も内容が豊富です。簿記2級のほぼ全ての内容を網羅的に取り上げています。合格テキストの内容を全て身につければ超難問の回を除いて85点は確実だといえます。

高得点を狙うためには網羅系がよさそうに思えるのですが、網羅系のテキストはお勧めしません。

理解しづらいですし、勉強の意識が「簿記を理解する」のではなく「知らないことをなくす」という方向にいきやすいです。

合格テキストはTACの本講座で使用されているものです。本来は講義とセットで使うものなので、テキスト単体で使うと説明が省略されている感が否定できません。

簿記で高得点を取るためには「知らないことをなくす」のではなく「知らない問題が出てもできるようにする」という意識が大切です。

簿記は5教科の中では「数学」に近いのですが、網羅系のテキストでは勉強の意識が「社会」になりやすいのです。

というわけで網羅系のテキストである「合格テキスト 日商簿記2級(TAC)」はお勧めしません。

あくまでもメインテキストにはお勧めしませんが、サブテキストとして辞書的に使うのはお勧めです。

理解系高得点型

理解系高得点型にあたるのは「みんなが欲しかった! 簿記の教科書 日商2級」と「日商簿記2級に“とおる”テキスト」です。

みんなが欲しかった! 簿記の教科書 日商2級日商簿記2級に“とおる”テキスト
出版社TACネットスクール
ページ数商業560ページ、384ページ商業360ページ、工業304ページ
大きさA5B5
カラーフルカラー2色刷り

簿記2級の内容をしっかりと身につけて確実に合格するにはこの2つのどちらかを使うことをおすすめします。

「簿記の教科書」と「とおるテキスト」は内容の量としては大差がないので、分かりやすい方を選ぶことが大切です。

簿記3級の勉強で使っていて自分に合っていたのであれば、同じテキストの2級を使って勉強することをおすすめします。

内容的には「合格テキスト」よりは少ないですが、知らない問題も解けるようにすることで「合格テキスト」と同等以上の得点も期待できます。

みんなが欲しかった簿記の教科書 日商2級

「とおるテキスト」と比較して、安い、小さい(その分厚い)、フルカラーという特徴があります。「とおるテキスト」と比較してとっつきすく、持ち運びもしやすいです。

テキストは小さくてフルカラーの方が売れるので、「合格レベルを超えるテキストで売れるものをTACが作ってきた」という印象を持ちます。

日商簿記2級に“とおる”テキスト

「簿記の教科書」と比較して、高い、大きい(その分薄い)、2色刷という特徴です。硬派なテキストで「合格テキスト」と「簿記の教科書」の中間のテキストを作ってきたという印象を持ちます。

「簿記の教科書」と比べると持ち運びにくいといった欠点がありますが、テキストは分かりやすいことが一番です。分かりやすさを最優先に選ぶことが大切です。

簿記2級になるとテキストに書き込むことがかなり増えます。テキストに書き込むときには「フルカラー」ではない方がいい場合も多いです。

分かりやすさが最優先ですが、書き込むときのこともある程度考えておくことをおすすめします。

合格ギリギリ型

合格ギリギリ型にあたるのは次の5つです。

スッキリわかる 日商簿記2級サクッとうかる日商2級 テキスト日商簿記2級 光速マスターNEO テキスト【Amazon.co.jp 限定】パブロフ流でみんな合格 日商簿記2級Let’s Start! 新しい日商簿記2級 テキスト&問題集
出版社TACネットスクールLEC翔泳社講談社
ページ数商業636ページ、工業370ページ商業393ページ、工業
285ページ
商業681ページ、工業491ページ商業496ページ、工業384ページ商業608ページ、工業494ページ
大きさA5A5A5A5A5
カラー2色刷りフルカラー2色刷り2色刷りフルカラー

合格ギリギリ型のテキストはとっつきやすさを最大限重視している印象です。イラストを多用することでとっつきやすくしていますが、説明があっさりしていて簿記を理解しやすいというわけではありません。

合格ギリギリ型のテキストは全くおすすめできません。もし「理解系高得点型」が難しいと感じるのであれば、合格ギリギリ型のテキストではなく、簿記3級の復習をするべきです。

簿記3級が完璧なら「理解系高得点型」は難しいとは感じないはずです。

簿記3級であれば、簿記に苦手意識がある人が最初の一冊として「合格ギリギリ型」を使う意味もありました。しかし、簿記2級に関しては「合格ギリギリ型」を使う場面が思い浮かびません。

最近は簿記2級の難易度が上がってきているので、合格ギリギリ型のテキストだけで合格点に届く回はほとんどないと思います。

スッキリわかる日商簿記2級

「スッキリわかる」はテキストと問題集が合体しているので、別に問題集はありません。

「スッキリわかる」の問題だけでは圧倒的に足りないので、何らかの別の問題集に取り組まないと合格レベルに届くのは難しいです。

サクッとうかる日商2級 テキスト

「スッキリわかる」のネットスクール版といった印象です。「スッキリわかる」と違い、テキストと問題集が分かれているぶん分量が多いです。

「スッキリわかる」より簿記を理解するための説明が多いですが、それでも「サクッとうかる」だけで簿記を理解するのは難しいです。

「サクッとうかる」を完璧に身につけて受験した場合、非常に合格率の高い回であれば合格できるかもしれません。

日商簿記2級 光速マスターNEO テキスト

「スッキリわかる」のLEC版といった感じです。「スッキリわかる」「サクッとうかる」の2つと比較すると説明が詳しいです。

「スッキリわかる」と「簿記の教科書」の中間のテキストを作ってきたという印象を持ちます。

とはいえ「光速マスターNEO」だけで簿記2級に合格するのはかなり難しいです。合格率が25%以下の回だと合格は難しいと考えておく必要があります(個人差はあります)。

「光速マスターNEO」の表紙にある「最短で10日(商業簿記)」「最短で7日(工業簿記)」は不可能なので話半分に見てください。

パブロフ流でみんな合格 日商簿記2級テキスト&問題集

仕訳の作り方からしっかりと説明しているテキストで「合格ギリギリ型」のテキストの中では簿記を理解するための説明に力を入れています。

ですが、「パブロフ流テキスト」だけでは問題が足りません。別売の「パブロフ流でみんな合格 日商簿記2級 総仕上げ問題集」は必須です。

総仕上げ問題集までやって合格率が25%以上の回なら合格できるかもしれないという感じです(個人差はあります)。

Let’s Start! 新しい日商簿記2級 テキスト&問題集

「スッキリわかる」と同じ滝沢ななみ先生が書いた日商簿記2級テキストです。「新しい日商簿記2級」は非常に賛否が分かれそうなものになっていて、使う人を選ぶものになっています。

タイトルに「新しい」とあるように、勘定科目をキャラクターにするなど、斬新な挑戦がされていますが、簿記の理解に役立つかは微妙です。

日商簿記3級で同じテキストを使っていて、自分に合っていたという人は引き続き2級でも使っていってもいいかもしれません。

逆に言うと、そうでない人は「新しい日商簿記2級」は使わない方がいいです。

「新しい日商簿記2級」だけで合格レベルに届くのは難しいです。簿記2級の内容に慣れたら別のテキストに変更する必要があります。

【まとめ】あなたにおすすめの簿記2級テキスト

  • 簿記1級を目指している人、簿記2級の内容をしっかりと理解して合格したい人、難易度に関わらず確実に合格したい人は「簿記の教科書」「とおるテキスト」を
  • 「簡単な回であれば受かるといいな」と考えている人は「光速マスターNEO」を
  • 「新しい日商簿記3級」で簿記3級を勉強してきて自分に合っていると感じた人は「Let’s Start! 新しい日商簿記2級」を(これだけでは合格は無理なので、終わったら「簿記の教科書」や「とおるテキスト」へ)
  • サブテキストとして辞書的に使うなら「合格テキスト」を

繰り返しになりますが、どれをわかりやすいと思うかには個人差があります。合格レベルに達するかにも個人差があります。最終的には自分の目で判断してください。

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コメント

  1. 匿名 より:

    質問失礼します。
    「簿記革命」のテキスト・問題集と、上記のテキスト・問題集だとやはり、内容の質や量は違うのでしょうか。
    本屋でいろいろと見ようとは思うのですが、ひょっとしたら「簿記革命」の方がクオリティが高いかもしれない、と考えてりしてしまいまして、、、

    • 平野 より:

      コメントありがとうございます。

      簿記革命のテキストについてですが、内容自体は「暗記不要の簿記独学講座」と大きな違いはありません。

      暗記不要の簿記独学講座は疑問点を検索してきた方に合わせて作っているのに対し、簿記革命は簿記を体系的に学ぶために作っているので、そういった違いはあります。しかし、内容そのものが異なるということはありません。

      簿記革命のクオリティにご興味があれば「暗記不要の簿記独学講座」を見ていただけるといいかと思います。

      • 匿名 より:

        ありがとうございます。
        すみません、私の質問が下手で誤解を招いてしまいました。

        市販のテキストと、「簿記革命」の違いでした。
        有料の教材ですのであまり言えないと思いますが、いえる範囲であればよろしくお願いします。

        • 平野 より:

          コメントありがとうございます。私の方こそ説明が足りませんでした。

          市販のテキストと簿記革命の違いをざっくりとご説明すると、市販のテキストは「○○という取引は○○という仕訳になると覚えましょう」というスタンスであるのに対し、簿記革命は「○○という取引は○○と考えられるので○○という仕訳になります。考え方を身につけましょう」というスタンスです。

          このように考えてもらうと違いがわかりやすいと思います。

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