
電卓ってシンプルな使い方なら分かるけど、奥が深そうだな。いろんな使い方を身につけたいな。簿記でも電卓使うから、ブラインドタッチとかできたらいいな。早くミスなく操作できるようになりたいな。
こんな希望を叶えます。
ちなみに、この記事を書いている私は日商簿記に合格するための通信講座を2012年から運営し、これまでに数百人の合格者を送り出させていただいています。電卓についても相当に詳しい部類に入ると思います。そんな私が解説していきます。
簿記に最適な電卓の選び方

日商簿記検定で使えない電卓
日商簿記検定では次の機能がある電卓は使えません。
- 印刷機能がある電卓(通常はありません)
- 音(メロディー)が出る電卓
- プログラム機能がある電卓(関数電卓など)
- 辞書機能がある電卓(通常はありません)
これらの電卓を使うと不正とみなされてしまいます。逆に、次の機能はついていても大丈夫です。
- 四則計算のみの電卓
- 日数計算・時間計算・換算・税計算・検算機能がある電卓
日数計算・時間計算・換算・税計算・検算機能はプログラム機能とはみなされないので使えます。
≫詳しくは「日商簿記検定で使えない電卓」で解説しています。
簿記検定におすすめの電卓
簿記検定では次の2つの電卓がお勧めです。
このどちらかを選べば間違いありません。私としては「SHARP 学校用電卓 EL-G37」がイチオシです。私は「SHARP 学校用電卓 EL-G37」の旧型である「SHARP 学校用電卓 EL-G35」を20年以上愛用しています。値段はお高めですが、最高です。
≫具体的な選び方など、詳しくは「簿記検定におすすめの電卓2選」で解説しています。
各種キーの操作方法

使う電卓を決めたら次は電卓の操作方法を身につけましょう。電卓にはたくさんのキーがありますが、それらのキーの使い方について説明していきます。
小数点の使い方
小数点の使い方にそれほど特別なものはありませんが、小数点の前の0は省略することができます。0を最初に入力しても構わないのですが、できるだけ入力数を減らすことが早く打てることにもミスを減らすことにもつながります。
≫詳しくは「簿記で小数点が出てきたときの電卓の使い方」で解説しています。
電卓のCとCEとCAの違いと桁下げキーの使い方
CとCEとCAは全て情報を消去するキーですが、役割が異なります。それぞれの役割は次のとおりです。
- クリアキー(C):メモリー情報以外を消去する
- クリアエントリーキー(CE):いま表示されている画面の数字を消去する
- オールクリアキー(AC,CA):電卓の全ての情報を消去する
≫詳しくは「電卓のCとCEとCAの違いと桁下げキーの使い方」で解説しています。
電卓のプラスマイナス(+/-)の使い方
多くの電卓にはプラスマイナスキー(+/-)がついています。このプラスマイナスキーはプラスとマイナスを入れ替えるためだけのものではありません。
引き算は通常(引かれる数)[-](引く数)[=]で計算しますが、サインチェンジキーを使うことで、(引く数)[-](引かれる数)[=][+/-]で計算することもできるのです。
この使い方をすることで、例えば「30-15÷5×2」などを途中でメモすることなく電卓のみで計算することができます。
≫詳しくは「電卓のプラスマイナス(+/-)の使い方」で解説しています。
電卓のGT(グランドトータルキー)の使い方
GT(グランドトータルキー)は小計をいくつか求めたあとに、最終的に小計の合計を求めたい場合に使います。
[GT]を押すことで、[=]の後に表示される数字の合計が表示されます。
≫詳しくは「電卓のGT(グランドトータルキー)の使い方」で解説しています。
電卓のパーセントキー(%)の使い方
電卓のパーセントキーには次の5つの使い方があります。
- ○%を求めるときには、[×][○][%]と入力します。
- ○%増しを求めるときには、[×][○][%][+][=]と入力します。
- ○%引きを求めるときには、[×][○][%][-][=]と入力します。
- ○は□の何%かを求めるときには、[○][÷]□][%]と入力します。
- ○は□の何%増しかを求めるときには、[○][÷]□][%][-][1][00][=]と入力します。
≫詳しくは「電卓のパーセントキー(%)の5つの使い方」で解説しています。
電卓のルートキー(√)の使い方
ルート(√)はざっくりと言うと「2乗したらその数になる数のうちプラスの方」で、例えば√16であれば4になります(4×4=16だからです)。数字のあとにルートキー(√)を押すとルートされた数が表示されます。
≫詳しくは「電卓のルートキー(√)の使い方」で解説しています。
電卓のメモリー機能の使い方
電卓には非常に便利なメモリー機能が搭載されています。メモリー機能に関するキーは次の4つです。
- メモリープラスキー(M+)…表示されている数値をメモリーに足す
- メモリーマイナスキー(M-)…表示されている数値をメモリーから引く
- リターンメモリーキー(MR,RM)…メモリーの数値を表示する
- クリアメモリーキー(MC,CM)…メモリーの数値を消す
この機能を使うことで複雑な計算も途中でメモすることなく計算することができます。
≫詳しくは「電卓のメモリー機能の使い方」で解説しています。
電卓での定数計算の方法
定数計算はキーで行うものではなく、電卓に備わっている機能です。定数計算キーというものがあるわけではありません。
定数計算には次の4種類があります。
- 定数加算:同じ数字にさまざまな数字を加算する計算
- 定数減算:さまざまな数字から同じ数字を引く計算、同じ数字を何度も引く計算
- 定数乗算:同じ数字にさまざまな数字をかける計算、同じ数を何度もかける計算
- 定数除算:さまざまな数字を同じ数字で割る計算、同じ数字で複数回割る計算
定数計算は通常の電卓の使い方であれば何度も同じ数字を入力する必要があります。ですが電卓に備わっている機能をうまく使うことで同じ数字の入力を減らすことができるのです。
≫詳しくは「定数計算【電卓の隠れた使い方】」で解説しています。
電卓の時間計算の使い方
電卓の中には時間の計算ができる機能がついたものがあります。「時間(時・分・秒)」のようなボタンがあれば、時間計算ができる電卓です。
この時間計算の機能を使うと、例えば「8時25分36秒」から「14時36分12秒」まで何時間何分何秒あるのか計算することができます。
ちなみに、先程の例の操作方法は「時間(時・分・秒)」[1][4][時間][3][6][時間][1][2][時間][-][8][時間][2][5][時間][3][6][時間][=]です。
≫詳しくは「電卓の時間計算の使い方」で解説しています。
電卓の分数の計算のやり方
減価償却の月割など、簿記では分数をかけることがよくあります。その場合、「÷分母×分子」と計算すると「99999…」というような永遠に続く小数になることがあります。
これを避けるためには「×分子÷分母」というように掛け算を先に行う必要があります。しかし、計算の意味を考えると「÷分母×分子」の方が適切な場合が多いです。なので、「×分子÷分母」とするよりも「99999…」に慣れることをお勧めします。
≫詳しくは「電卓の分数の計算のやり方」で解説しています。
電卓練習

電卓の使い方を身につけたら、次は電卓を素早く操作できることを目指しましょう。
簿記検定にピッタリの電卓の使い方
電卓の操作は使う手「左手or右手」と使う指「3本指or4本指or5本指」の6パターンがあります。この中で私がお勧めなのは「左手5本指」です。
簿記検定で電卓を使う人は左手5本指で電卓操作を行うことをお勧めします。
≫詳しくは「簿記検定にピッタリの電卓の使い方(左手5本指がおすすめです)」で解説しています。
また、左手5本指以外の操作方法については「【電卓版】ブラインドタッチの練習の前に【指使いを決める】」で詳しく解説しています。
電卓の早打ちに必要なこと
電卓の早打ちに必要のは「基本的な操作方法を身につけること」と「電卓のブラインドタッチを身につけること」です。
基本的な操作方法を身につけることで無駄なキー操作を減らし、意味のあるキー操作だけを行うようにします。その上で、その意味のあるキー操作をブラインドタッチで正確に早く行うのです。
≫詳しくは「電卓の早打ちに必要なこと」で解説しています。
電卓練習用計算問題
ブラインドタッチの練習には電卓の計算問題を繰り返し繰り返し練習する必要があります。練習するときには次の意識が大切です。
- 同じボタンは必ず同じ指で入力する
- 手許は絶対に見ない
- リズミカルに指を動かす
この3つを意識しながら次の「電卓練習用計算問題(電卓版ハノン)」で繰り返し練習してください。
簿記との関連

簿記試験に電卓を忘れてしまったら…
もし試験本番に電卓を忘れてしまったら相当あせります。もし忘れてしまっても、きちんと実力があれば簿記3級であれば十分合格可能です。簿記2級でも相当の実力があれば何とか合格できます。簿記1級は合格はほぼ不可能です。
≫詳しくは「簿記試験に電卓を忘れたら合格できるのか」でお伝えしています。
【簿記】電卓で計算ミスする原因とその対策
簿記での計算ミスは次の3つのいずれかに原因があります。
- 簿記の理解不足
- 問題の読み間違い、数値の読み間違い
- 電卓の操作ミス
計算ミスをしたら3つの中のどのミスをしてしまったのかをチェックしてみてください。そして、多いミスを減らすよう意識すれば効率よくミスを減らすことができます。
また、総合問題で貸借が一致しなかった場合は次の方法でミスしたところを特定することができます。
- 不一致額がきりのいい数字の場合:数字を見間違えている可能性が高い
- 不一致額そのものの金額が仕訳にある場合:借方か貸方のどちらかに記入を忘れている可能性が高い
- 不一致額を2で割った金額が仕訳にある場合:借方か貸方のどちらかに2つとも記入している可能性が高い
- 不一致額を9で割った金額が仕訳にある場合:借方か貸方のどちらかの金額の読み間違いかケタ違いの可能性が高い
このどれにも当てはまらなかった場合は2ヶ所以上まちがえてしまっています。その場合は簡単にはミスの場所を特定できないので一つ一つ確認する必要があります。
≫詳しくは「【簿記】電卓で計算ミスする3つの原因とその対策」で解説しています。