保守主義の原則

Pocket

こんにちは、簿記合格請負人の平野です。この記事では保守主義の原則についてお伝えします。

保守主義の原則

次の原則が保守主義の原則です。

企業の財政に不利な影響を及ぼす可能性がある場合には、これに備えて適当に健全な会計処理をしなければならない。

つまりは「将来に備えて収益が控えめに、費用が多めに出るような会計処理を行うこと」を要請する原則です。

財務会計にはどうしても将来を見積もることが必要です。例えば、減価償却では残存価額や耐用年数を見積もりますし、貸倒引当金の設定では将来の貸倒れを見積もります。

そうした見積もりが「収益多め、費用控えめ」になると利益が多く計上されます。利益が多く計上されると法人税等も多くなり、また配当金も多く支払うよう株主から要求されます。

こういった資金の流出が企業の財政状態を悪くすることになり、そうなると将来不利な環境になったときに耐えられなくなってしまいます。そういった事態を避けるための原則だと言えます。

保守主義の原則の適用例

保守主義の原則の適用例として次のようなものがあります。

  • 収益における実現主義:売上が確実だとみなされる(「商品の引渡し」と「対価の受取」)まで収益は計上してはならない。
  • 棚卸資産における低価基準の採用:棚卸資産は「時価>原価」となっても評価益は計上しないが、「時価<原価」となった場合は評価損を計上する。
  • 引当金の計上:引当金を計上すること自体が保守主義の原則にもとづいている。
  • 割賦販売における回収基準・回収期限到来基準の適用:回収基準や回収期限到来基準は販売基準よりも収益の認識が遅い。
  • 減価償却における定率法・級数法の適用:定率法や級数法は定額法に比べて費用(減価償却費)が早く計上される。

いずれも収益を遅く、少なめに、費用を早く、多めに計上しようとする会計処理だと言えます。

過度の保守主義

保守主義の原則があるからといって、やたらと費用を計上したり収益を遅らせたりすることはできません。あくまでも「一般に公正妥当と認められた会計処理」の範囲内である必要があります。

「一般に公正妥当と認められた会計処理」の範囲を超えた保守主義は「過度の保守主義」として真実性の原則に反することになります。

次回、単一性の原則についてお伝えします。

このページを読まれた方にお勧めの記事はこちら

Pocket

タグ:,

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

CAPTCHA


ページトップへ