減価償却費の計算(定率法)

こんにちは、簿記合格請負人の平野です。この記事では定率法による減価償却費の計算について解説します。

減価償却費(定率法)

減価償却の考え方そのものは簿記3級で学習したものと同じです。違うのは計算式になります。

簿記3級で学習した計算式は、「減価償却費=(取得原価-残存価額)÷耐用年数」で、これは毎年の減価償却費が定額となることから定額法と呼ばれています。

それに対して定率法は毎年の減価償却費が定率になることから定率法と呼ばれています。期首の帳簿価額から一定の割合が減価償却費として計上されるのです。

定率法の計算式

定率法は期首の帳簿価額に一定率をかけて、その金額が減価償却費となる方法です。よって計算式は、減価償却費=期首帳簿価額×償却率となります。

また、間接法の場合、期首帳簿価額を「取得原価-期首減価償却累計額」で求めなければならない場合もあります。その場合の計算式は、減価償却費=(取得原価-期首減価償却累計額)×償却率となります。

取得価額は最初は大きいですが、減価償却が進むごとにどんどん小さくなっていきます。よって、この計算式で求まる減価償却費もどんどん小さくなっていきます

定率法の減価償却費のイメージ

  • 取得原価:100,000円
  • 残存価額: 10,000円
  • 耐用年数:3年(償却率:0.536)

この場合、1年目~3年目までの減価償却費はそれぞれ次のようになります(小数点以下四捨五入)。

  • 1年目:100,000×0.536=53,600円
  • 2年目:(100,000-53,600)×0.536≒24,870
  • 3年目:(100,000-53,600-24,870)×0.536≒11,530(本当は=にはなりません。減価償却の最終年度のため、残存価額の一致を優先しています。)

ちなみに償却率は耐用年数だけ減価償却したあとに残存価額だけ残るように逆算して計算されています。償却率を求めるような問題は特に出題されないので特に気にしなくて構いません(累乗根が出てきてかなり複雑です)。

図で表すと次のようになります。

減価償却(定率法)

簿記3級で学習した定額法との違いを意識しておいてください。

ちなみに、定額法でも定率法でも耐用年数を使い切るまでの減価償却費の合計は同じになります。つまり、最終的に費用になる金額の合計は同じになるということです。

期中に購入した場合の定率法の減価償却費

期中に購入した場合の定率法の計算は定額法と同じになります。減価償却費は通常は月割で計算するので、年間の減価償却費÷12×使用した月数で求めることができます。

ちなみに1ヶ月未満の月がある場合は1月に切り上げて計算します。次のような形で考えます。

  1. 年間の減価償却費÷12=1ヶ月間の減価償却費
  2. 1ヶ月間の減価償却費×使用した月数=使用した月数に対応した減価償却費

式を暗記しようとするのではなく、式の意味をきちんと理解して自力でこの式を立てられるようにするという意識を持つことが重要です。

簿記3級できちんと減価償却の考え方を身につけていれば楽に身につけることができます。

減価償却費の計算(定率法)

減価償却費を求めるのに必要な数字

定率法による減価償却費の公式は「年間の減価償却費=期首帳簿価額×償却率」です。この公式を使って年間の減価償却費を求めるためには次の2つが分かっていなければならないということです。

  • 期首帳簿価額
  • 償却率

逆に言えば、「期首帳簿価額」と「償却率」を問題文からきちんと読み取るかことがポイントになります(期首帳簿価額が与えられていない場合は自分で計算しなければならないため、その場合は少々必要な数字が増えます)。

前期以前に取得した固定資産の減価償却費の計算

期首帳簿価額300,000円の備品を定率法(償却率:0.25)で減価償却費を計算してみましょう。この備品は前期以前に取得したものとします。

まず、期首帳簿価額と償却率を読み取ります。次のようになります。

  • 期首帳簿価額:300,000円
  • 償却率:0.25

これを使って減価償却費を計算します。公式を使うと「300,000円×0.25=75,000円」です。答えは75,000円となります。

期中に取得した固定資産の減価償却費の計算

取得原価300,000円の備品を定率法(償却率:0.25、月割り)で減価償却費を計算してみましょう。ただし、今回はこの備品を9月13日(会計期間:4月1日~3月31日)に取得し、使用しているものとします。

今回の場合もまず、期首帳簿価額と償却率を読み取ります。次のようになります。

  • 期首帳簿価額:300,000円
  • 償却率:0.25

この数値を使ってまず年間の減価償却費を計算します。公式を使うと、「300,000円×0.25=75,000円」です。ここまでは先ほどの例と変わりません。ここからが違います。

今回は会計期間の途中で固定資産を取得しているので、1年分の減価償却費を計上するわけにはいきません。9月13日から3月31日までの分の減価償却費を計上しなければいけないのです。

減価償却費を月割りで計算する場合、1ヶ月未満の月は1ヶ月に繰り上げます。9月を含んで、9月~12月までなので、7ヶ月分となります。

1年分の減価償却費75,000円を12で割ることで1ヶ月分の減価償却費を求めることができます。計算すると6,250円となります。これの7か月分なので6,250円×7ヶ月=43,750円となります。答えは43,750円となります。

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コメント

  1. ユウ より:

    ■最後の部分

    どうしても11540になるのですが計算を間違っているのでしょうか?

    • dokuboki より:

      コメントありがとうございます。

      単純に計算すればそのとおりです。ここでは耐用年数が3年の設定での3年目なので、残存価額がきれいに\10,000になるように計算しています。

      減価償却費の計算は最終年度はこのような計算を本当は行います。ですが、この考え方は簿記2級の段階では特に必要ないので、計算式は通常と同じようにしています。

      やや違和感がある書き方になってしまい申し訳ありません。補足しておきます。

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