貸倒れの見積りと発生の取引と仕訳

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こんにちは、簿記合格請負人の平野です。この記事では貸倒れの見積りと発生の取引と仕訳について解説します。

貸倒れとは…

商品を売り上げたとき、売掛金や手形で受け取ることがありますが、売掛金や手形は最終的に現金や当座預金で回収されてはじめて価値があります。売掛金や手形はそのままでは何の価値もないのです。

ところが、売掛金や手形を現金や当座預金で回収する前に得意先が倒産することがあります。得意先が倒産すると債権を回収できなくなり、大損します。これを貸倒れといいます。

貸倒れの見積り

貸倒れというものはどうしても一定確率で発生してしまいます。発生しないように努力することはもちろん重要ですし、必ず努力するのですが、それでもどうしても発生してしまうのです。

そこで、貸倒れは商売を行っていく上で避けられない費用であると考え、売掛金や受取手形が決算まで残っている場合に貸倒れの予想額を見積もり、費用として計上しておきます

この見積り費用は「貸倒引当金繰入」という勘定科目を使って記帳します。当然、費用の勘定となります。

貸倒引当金

貸倒れを見積もった段階では、まだ実際に貸倒れたわけではありません。まだ代金を請求する権利は消滅していないのです。そのため、売掛金や受取手形を直接減額するわけにはいきません。「(貸)売掛金×××」とはできないということです。

そこで、「貸倒引当金」という勘定を使います。貸倒引当金はマイナスの資産の勘定です。貸倒の見積り時は貸方に記入します。減価償却累計額と同じ種類のものだと考えてください。売掛金や受取手形の評価勘定ということになります。

  • 売掛金・受取手形…実際に請求できる債権
  • 貸倒引当金…予想される貸倒れの金額
  • 「売掛金・受取手形」-「貸倒引当金」…実際に回収できると予想される債権の金額

このような形で理解しておきましょう。

実際に貸し倒れた場合(貸倒引当金設定済み)

実際に貸し倒れたときは、代金を請求する権利が消滅するので、売掛金や受取手形を減額します。また、ここで発生する損失は前もって「貸倒引当金繰入」という費用の勘定で見積もっています。いわば「想定の範囲内」です。

もう費用は計上していますので、ここで費用の勘定を使ってしまっては費用の二重計上になってしまいます。

そこで「貸倒引当金」を減額します。貸倒引当金は売掛金・受取手形の評価勘定です。大元の「売掛金・受取手形」がなくなったので、同時に消滅するのです。評価勘定は必ずペアで考えるということです。

実際に貸し倒れた場合(貸倒引当金設定なし)

貸倒引当金を設定していない売掛金や受取手形が貸し倒れたときは貸倒引当金を減額するわけにはいきません。また、ここで発生した貸倒れはまだ費用として見積もっていません。

そこで、このタイミングで費用を計上します。この場合は「貸倒損失」という費用の勘定を使って処理します。

貸倒れの見積りと発生の取引と仕訳

貸倒れの見積り

「決算において、売掛金の期末残高300,000円に対して、2%の貸倒れを見積もった」場合の仕訳について考えてみます。

まずは、貸倒れの見積り金額を求めましょう。300,000円の2%を貸倒として見積もるので、300,000×2%=6,000円となります。あとは仕訳です。

この6,000円という金額は現在ある売掛金の中の貸倒れの金額の見積りです。この見積り費用は「貸倒引当金繰入」という勘定科目を使って記帳します。よって、『(借)貸倒引当金繰入6,000』となります。

また、貸方は貸倒引当金という勘定を使うので、『(貸)貸倒引当金6,000』となります。

まとめると次のようになります。

借方 金額 貸方 金額
貸倒引当金繰入 6,000 貸倒引当金 6,000

貸倒れの発生(貸倒引当金設定済み)

「A商店が倒産したため、A商店に対する売掛金6,000円を回収不能の貸倒れとして処理する(貸倒引当金残高は6,000円)」場合の仕訳について考えてみます。

売掛金が回収不能となったため、売掛金はなくなります。よって、『(貸)売掛金6,000』となります。

また、この場合は貸倒引当金が設定されているので、『(借)貸倒引当金6,000』となります。

まとめると次のようになります。

借方 金額 貸方 金額
貸倒引当金 6,000 売掛金 6,000

貸倒れの発生(貸倒引当金設定なし)

「A商店が倒産したため、A商店に対する売掛金6,000円を回収不能の貸倒れとして処理する」場合の仕訳について考えてみます。

売掛金が回収不能となったため、売掛金はなくなります。よって、『(貸)売掛金6,000』となります。

また、この場合は貸倒引当金が設定されていないので、『(借)貸倒損失6,000』となります。

まとめると次のようになります。

借方 金額 貸方 金額
貸倒損失 6,000 売掛金 6,000

貸倒れの発生(貸倒引当金設定不足)

「A商店が倒産したため、A商店に対する売掛金6,000円を回収不能の貸倒れとして処理する(貸倒引当金残高は4,000円)」場合の仕訳について考えてみます。

売掛金が回収不能となったため、売掛金はなくなります。よって、『(貸)売掛金6,000』となります。

また、この場合は貸倒引当金が設定されているのですが、4,000円分しかありません。設定している以上の貸倒引当金を減額することはできません。よって、『(借)貸倒引当金4,000』となります。

残りの2,000円分については貸倒引当金が設定されていない場合と同じように処理します。よって、『(借)貸倒損失2,000』となります。

まとめると次のようになります。

借方 金額 貸方 金額
貸倒引当金
貸倒損失
4,000
2,000
売掛金 6,000

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