手形の割引の取引と仕訳

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こんにちは、簿記合格請負人の平野です。この記事では手形の割引の取引と仕訳について解説します。

手形の割引

手形は支払期日までは取り立てることができません。しかし、支払期日前の手形を銀行が換金することがあります。この取引を手形の割引といいます。銀行に裏書譲渡すると考えたら分かりやすいかもしれません。図で表せば次のようになります。

手形の割引
手形の裏書と割引は似ていますが、違う点があります。銀行が手形を買い取るときに支払期日までの利息を差し引くのです。手形の割引は現金(当座預金)で渡すため、利息が発生します。受取手形の金額から利息相当額を引いた金額が当座預金に振り込まれます

手形売却損の計算方法

手形を割り引いたときに支払わなければならない利息は手形売却損という勘定科目を使います手形売却損の計算は、利息の日割計算です。クレジットカードでの利息と同じと考えれば理解しやすいと思います。

また、手形売却損が発生する期間は手形を割り引いた日から手形の支払期日までになります。銀行の立場になって考えれば、現金を渡してから現金を受け取るまでです。

銀行は手形の割引の日に現金を渡し、手形の満期日に現金を受け取ります。現金を渡してから現金を受け取るまでがお金を貸している期間だから利息が発生すると考えると分かりやすいと思います。

図で表すと右のようになります。

手形売却損

計算例を挙げて考えてみます。

  • 手形金額:100,000円
  • 割引日数:30日
  • 割引率は:年3.65%

手形金額が100,000円ということは1年間の利息は100,000×3.65÷100=3,650となります。これは、割引日数がもし365日(1年)なら3,650円の利息を払わなければならないということです。

3,650÷365=10と計算することで1日あたりの利息を求められます。30日分の支払利息は10×30=300となります。手形売却損は300円と求まります。

公式としては、「割引料=手形金額×割引率(年)÷365×割引日数」となります。丸暗記ではなく、次の考え方の流れをきちんと理解してこの式を復元できるようにしておくことが重要です。

  1. 手形金額×割引率(年)=年間の利息
  2. 年間の利息÷365=1日の利息
  3. 1日の利息×割引日数=手形売却損

手形の割引の取引と仕訳

約束手形を割引いた(割引料が与えられている場合)

「売掛金の代金として受け取っていた約束手形200,000円分を取引銀行で割り引いて売却し、割引料3,000円を差し引かれた残額を当座預金に預け入れた」場合の仕訳について考えてみます。

受け取った約束手形200,000円は受け取った時点で『(借)受取手形200,000』と仕訳を切っているはずです。この手形を銀行に売却するので、手形債権を銀行に譲渡することになります。よって『(貸)受取手形200,000』となります。

問題は借方です。手形を割り引いたときに差し引かれる割引料は利息と同じです。よって割引料は費用となります。費用の発生は借方に記入するので『(借)手形売却損3,000』となります。

また、割引料を差し引かれた残額は「200,000-3,000=197,000」となります。この残額を当座預金に預け入れたので、『(借)当座預金197,000』となります。

まとめると次のようになります。

借方 金額 貸方 金額
手形売却損
当座預金
3,000
197,000
受取手形 200,000

約束手形を割引いた(割引料を自分で求める場合)

「売掛金の代金として受け取っていた約束手形200,000円分を取引銀行で割り引いて売却し、割引料を差し引いた残額を当座預金に預け入れた。なお、割引料は利率年3.65%、割引日数70日、1年を365日として計算するものとする」場合の仕訳について考えてみます。

取引の性質は先ほどの例と全く同じです。よって仕訳も同じで次のようになります。

借方 金額 貸方 金額
手形売却損
当座預金
×××
×××
受取手形 200,000

受取手形の金額は分かっているので記入できます。問題は手形売却損の金額です。

手形売却損の金額は『手形金額×割引率(年)÷365×割引日数』で求めることができます。計算すると、『200,000×0.0365÷365×70』で1,400と求まります。結果、当座預金に預け入れる金額も『200,000-1,400=198,600』と求まります。

先ほどの仕訳に金額を記入すると次のようになります。

借方 金額 貸方 金額
手形売却損
当座預金
1,400
198,600
受取手形 200,000

ちなみに電卓については次のような感じです。

[2][00][00][0][×][3][.][6][5][%][÷][3][6][5][×][7][0][=]と入力して表示されている1,400を手形売却損に記入します。そしてそのまま[-][2][00][00][0][+/-]と入力して表示されている198,600を当座預金に入力します。

≫サインチェンジキー(+/-)の使い方についてはサインチェンジキー(+/-)の本当の使い方で詳しく解説しています。

慣れるまではもっとぎこちなくていいのですが、最終的にはこのようにスムーズに電卓を使えるようになりたいところです。

ちなみに、実務では手形売却損の金額は銀行が計算してくれます。自分で計算することはないと言っていいのですが、検定試験では自分で計算する問題が出題されることがあります。

会計において利息の計算は非常に重要だからともいえますし、万が一銀行が計算を間違えた場合に気づけなければならないからともいえます。出題される可能性がある以上、計算方法も身につけておくべきです。

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“手形の割引の取引と仕訳” への2件のフィードバック

  1. contender702 より:

    久しぶりの訪問になってしまいました。

    今まで様々な論点を勉強してきましたが手形の論点は1級の会計学に匹敵するレベルだと個人的に思います。

    訪問するたびに勉強になっています!!

    1級レベルの問題を闇雲に解くのではなくテキスト中心の学習法に原点回帰して理解を含めていきたいと思います。

    機会があれば工業簿記編もお願いします。

    • dokuboki より:

      返信が遅れてすみません。ネットに接続できない状況でした(ちなみにブログの更新は予約投稿です)。

      私の拙いブログをお読みいただきありがとうございます。ブログ更新のモチベーションにさせていただきます。

      為替手形は登場人物が3人いるため、取引のイメージがしづらいところが難しいです。しかし、取引をイメージできなければ仕訳も理解できません。こうなってしまうと、仕訳を丸暗記しなければならなくなってしまいます。
      まずは取引をきちんとイメージできるようにすることが重要だと感じています。

      ちなみに私は「取引(イメージ)→仕訳(理解&ごくわずかな暗記)→問題(演習)」という形で勉強していました。

      簿記3級が一段落したら工業簿記についても触れていこうかと思います。今後ともよろしくお願いします。

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