- 簿記を勉強していると受取手形記入帳っていう補助簿が出てきたんだけど……
- 受取手形記入帳から仕訳を切る問題をどう解いたらいいのか分からない
- 受取手形記入帳の書き方を教えて!
日商簿記では受取手形記入帳を見て仕訳を切る問題の出題が多く、どう解いたらいいのか分からなくて困っている方が非常に多いです。
私は簿記通信講座を2012年から運営してきて数百名の合格者をこれまでに送り出させていただきました。もちろん受取手形記入帳についても熟知しています。
この記事では受取手形記入帳を見て仕訳を切る方法について解説します。
この記事を読めば簿記3級で受取手形記入帳に関する問題が出題されても自信を持って解答できるようになります。
結論を一言で言うと、受取手形記入帳から仕訳を読み取る問題は「摘要」に書かれている言葉から取引を読み取ることで解くことができます。
受取手形記入帳における取引と仕訳
受取手形記入帳のひな形は次のようになります。仕訳を切ることを意識しながら見てください。
では、それぞれの日付の仕訳を考えてみましょう。
1.6月4日:摘要欄は「売上」
摘要欄に売上とあることから、この手形は売上の対価として受け取ったと読み取れます。また、金額は100円です。よって『(貸)売上100』となります。借方は受取手形となります。
よって仕訳は次のようになります。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
受取手形 | 100 | 売上 | 100 |
2.6月9日:摘要欄は「売掛金」
摘要欄に売掛金とあることから、この手形は売掛金を回収して受け取ったと読み取れます。また、金額は300円です。よって『(貸)売掛金300』となります。
手形を受け取っているので、借方は受取手形です。
よって仕訳は次のようになります。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
受取手形 | 300 | 売掛金 | 300 |
3.7月1日:てん末の摘要欄は「裏書譲渡」
てん末のところを見ると、受取手形がその後どのようになったかが分かります。『事の顛末は…』という場合の顛末(てん末)と同じ意味です。
てん末のところを見ると、摘要欄に裏書譲渡とあることから、この手形は期日前に裏書譲渡されたことが分かります。
よって貸方は受取手形となります。金額も300円だと読み取れます。『(貸)受取手形300』です。
次は借方です。この裏書譲渡は買掛金支払のために行われたと注意書きにあるので、借方は買掛金になります。
金額は300円で問題ありません。『(借)買掛金300』となります。
よって仕訳は次のようになります。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
買掛金 | 300 | 受取手形 | 300 |
4.7月3日:てん末の摘要欄は「当座入金」
てん末のところを見ると、受取手形がその後どのようになったかが分かります。摘要欄に当座入金とあることから、この手形は無事に取立が完了したことが分かります。
借方は当座預金となります。金額も100円だと読み取れます。よって『(借)当座預金100』です。
次は貸方です。手形の取立てが完了したので、手形債権は消滅します。資産の減少は貸方に記入します。『(貸)受取手形100』となります。
よって仕訳は次のようになります。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
当座預金 | 100 | 受取手形 | 100 |
受取手形記入帳の記入の仕方を理解することはもちろんですが、受取手形記入帳の記入内容から仕訳を切れるようにしておくことも重要です。
【まとめ】受取手形記入帳から仕訳を切る問題は摘要欄に注目
受取手形記入帳から仕訳を切る問題を解くときには摘要欄に注目します。
摘要欄に「売上」とあれば、「売上の対価として手形を受け取った」と考えることができます。摘要欄に「売掛金」とあれば、「売掛金の回収を手形で行った」と考えることができます。
また、てん末の摘要欄に「裏書譲渡」とあれば、「手形を裏書譲渡した」と考えることができます。
てん末の摘要欄に「当座入金」とあれば、「手形代金が当座預金に入金された」と考えることができます。
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