- 簿記2級を取ろうと思ってるんだけど、どのくらい勉強時間が必要なのかな……
- 1日何時間で何日くらい勉強したら取れるのか分からない
- 簿記2級は1ヶ月で取れるって本当?
「最短!17日」「簿記2級は独学では無理!」など、色々な情報が流れていることもあり、簿記2級の合格に必要な勉強時間が分からずに悩んでいる方は非常に多いです。
私は簿記通信講座を2012年から運営してきて数百名の合格者をこれまでに送り出させていただきました。この経験から、簿記2級の合格に必要な勉強時間について熟知しています。
この記事では簿記2級の合格に必要な勉強時間について解説します。
この記事を読めばあなたに合った勉強時間や勉強期間が分かるので適切な勉強計画を立てることができるようになります。
結論を言うと、簿記3級をほぼ完璧な人が勉強する場合「簿記2級までで十分であれば勉強時間は169時間、勉強期間は4ヶ月」「簿記1級以上を目指すなら勉強時間は199時間、勉強期間は約5ヶ月」が目安です。
簿記2級は独学でも合格できる試験です
最初に日商簿記2級という試験について確認します。
簿記2級は独学でも合格できる試験です。90分の試験時間で7割得点できれば合格できます。合格率はおよそ10%~30%、ペーパー試験だけでも年に3回試験がありチャンスは多いです。
簿記3級を完璧にした人がおおむね4か月、およそ169時間の勉強時間で合格レベルに達します。
ただし、合格率がおよそ30%~40%、およそ88時間で合格レベルに達する簿記3級と比較すると、明らかに難しくなります。また、簿記3級にはなかった「工業簿記」が簿記2級では新たに加わります。
こういった点から考えると、簿記3級と同じ感覚で簿記2級に挑戦すると大変な思いをするかもしれません。
簿記2級の勉強に入る前に簿記3級の過去問(本試験問題)を40分で95点以上取る実力をつけること
簿記2級の勉強に入る前に簿記3級の内容をほぼ完璧にしておく必要があります。「ほぼ完璧」の具体的な基準が「簿記3級の過去問(本試験問題)を40分で95点以上取る実力があること」です。
簿記3級に合格したらすぐに簿記2級の勉強に入る人も多いですが、ギリギリ簿記3級に合格した状態で簿記2級の勉強に入るのは無謀です。確実に簿記2級の勉強が行き詰ってしまいます。
簿記3級を土台にしてその上に簿記2級の内容を積み上げていきます。土台がグラグラだと簿記2級の内容が理解できません。そうならないためにも簿記3級を完璧にしておく必要があります。
簿記3級合格レベルから簿記3級完璧レベルまでの勉強時間は個人差が大きい
「簿記3級にギリギリ合格できるレベル」から「簿記3級が完璧なレベル」までにかかる勉強時間は個人差が大きいです。
簿記3級を丸暗記で勉強して70点ギリギリで合格した人は、簿記3級の最初からやりなおす必要があります。
最初からやり直す場合、簿記3級が完璧なレベルになるためには「138時間(3~3.5ヶ月)」が必要です。
暗記に頼っていなかった人は、過去問で得点できない部分をテキストで復習し、問題集で問題練習を繰り返して実力をつけていきます。
理解して身につけている部分が多ければ多いほど簿記3級を完璧にするための時間は短くなります。
簿記2級の合格に必要な勉強時間の目安
簿記1級以上を目指している人:約199時間
簿記1級や税理士、公認会計士を目指している人は「簿記2級の過去問(本試験問題)を70分で90点以上得点できる実力」をつける必要があります。この実力をつけるための勉強時間を解説します。
弊社が運営している【簿記革命】は簿記1級に合格することを目的とした通信講座で、簿記2級では70分で90点以上得点することを目指します。
簿記革命での勉強時間は次のとおりです。
- テキストでのインプット:約12時間
- 問題集でのアウトプット:約132時間
- 過去問でのチューニング:約55時間
テキストでのインプット:約12時間
日本人の読書スピードは1分間に500文字だと言われています。【簿記革命2級】のテキスト量は約36万字なので、テキストを読み終えるまでにかかる時間は約720分、つまり12時間です。
【簿記革命2級】は難解な部分はほとんどなく、読むのに時間がかかったり、何度も読まなければならなかったりする部分はほとんどありません。
テキストは1度理解したら、後は問題を解いていて分からなかった場合にときどき戻ってくるくらいです。テキストにかかる時間は12時間程度だと想定できます。
問題集でのアウトプット:約132時間
【簿記革命2級】の解答時間が994分=16時間34分です。解答時間は「日商簿記2級を時間内に完答するスピードでの解答時間」で設定しているので、最初はこれより長い時間がかかります。
また、「採点する時間」「間違えてしまった場合は確認する時間」も必要なので、2倍で33時間とみなします。
簿記革命では問題は最低3回(必要に応じて5回)繰り返します。平均4回繰り返したとして132時間です。
回数を重ねるごとにかかる時間は減っていきますが、1回目に長い時間がかかる場合もあるので、全体的に見て132時間は妥当です。
過去問での目標確認とチューニング:約55時間
日商簿記2級の試験時間は1回分で90分です。簿記革命では過去10回分を最低3回繰り返します。過去問に関する勉強時間は(90分×10回分×3回繰り返し=)45時間です。
採点の時間・解説を読む時間は特に設定していませんが、時間がかかるのは基本的に1回目だけなので、各回に1時間かけるとして10時間見ておけば十分です。
問題を解く時間(45時間)と解説を読んで復習する時間(10時間)を合わせて55時間です。
簿記2級までで十分な人:約169時間
簿記2級までで十分な人は「簿記2級の過去問(本試験問題)を70分で90点以上得点できる実力」は必要ありません。90分以内に70点得点できれば合格です。
90分以内に70点得点するだけでいいのであれば過去問練習はなくても構いません。簿記革命を受講した方からも、最初の過去問練習から合格点には届いていたというご報告を多数いただいています。
過去問練習をしないとなると「テキストでのインプット約12時間+問題集でのアウトプット約132時間=144時間」で合格できます。
ただ、市販のテキストと問題集だけでこのレベルに到達するのは至難の業です。独学の場合は過去問練習を過去10回分解いておきましょう。
1回ずつ解くとして15時間、答え合わせと復習に10時間(各回1時間)と計算して169時間で合格レベルに届きます。
簿記2級の合格に必要な勉強時間は通学・通信・独学で変わらない
一般的には独学は時間がかかると言われます。確かに一理あるのですが、やや不正確です。
独学だから時間がかかるのではなく、独学に向いていない人が費用などを理由に独学を選択するから時間がかかってしまうのです。
独学に向いている人が独学で勉強した場合、通学よりも通信よりも短い勉強時間ですみます。通学に向いている人が独学で勉強した場合、通学よりも時間がかかります。
自分に合った方法で勉強することが大切です。
「簿記3級の過去問(本試験問題)を40分で95点取る実力」を独学で身につけることができた人は独学に向いている人だと考えて大丈夫です。
それができなかった人や、簿記3級を独学以外の方法で身につけた人が簿記2級を独学で合格するのは難しいです。
簿記2級の合格に必要な勉強時間に数学の得意不得意はほとんど関係ない
簿記に必要な数学はほとんどありません。簿記2級で必要な数学は「連立方程式」と「一次関数」です。どちらも中学2年で勉強するものなのでほとんどの人が大丈夫だと思います。
簿記2級の社会人向け勉強スケジュール:勉強期間は4~5ヶ月が目安
簿記2級の勉強に入る人は簿記3級の勉強で簿記に慣れているはずです。簿記3級を勉強するときよりは長時間の勉強も可能になります。とはいえ、社会人が平日にとれる勉強時間は3時間が限界でしょう。
ここでは1日の勉強時間は2時間としておきます。また、毎日ではなく土日は空けておきます。休息(リフレッシュ)をとるため、平日こなせなかった勉強をこなすためです。
平日のみ毎日2時間勉強するスケジュールの場合、勉強期間は次のとおりです。
- 簿記1級以上を目指す場合:約21週(約5ヶ月)
- 簿記2級までで十分な場合:約17週(約4ヶ月)
これ以上短い期間で勉強しようとすると毎日の負担が大きくなりますし、これ以上長い期間をとるとモチベーションの維持が大変になります。
まとめ【簿記2級の勉強時間】社会人向けスケジュールの目安【独学でも同じです】
簿記3級をほぼ完璧な人が勉強する場合「簿記2級までで十分であれば勉強時間は169時間、勉強期間は4ヶ月」「簿記1級以上を目指すなら勉強時間は199時間、勉強期間は約5ヶ月」が目安です。
簿記3級の「ほぼ完璧」の具体的な基準は「簿記3級の過去問(本試験問題)を40分で95点以上取る実力があること」です。
簿記2級の合格に必要な勉強時間は通学・通信・独学で絶対的な違いはありません。人によって異なります。
あなたに合った勉強スタイルを選択すれば勉強時間は短くなりますし、合わない勉強スタイルを選択すれば勉強時間は長くなります。あなたに合った勉強スタイルを選択することが大切です。
コメント
こんにちは。合格するための本試験問題集を12回分すべて解いたところ、平均点が98点でした。
ただ、時間は60分でしたので2級このまま2級に進んでよいのかが分かりません。
時間の構成としては、1周目に答案用紙のすべての空欄を埋めるのには30分強くらい使用し、2周目の残りの時間で見直しをして、ケアレスミスなどの間違えている箇所を修正していました。
もちろん1周目に書いた内容が見直しの際に修正することなくあっていたというケースもありますが、数字の書き間違いや電卓の叩き間違い、勘違いしていた仕訳なども1周目の際にしていて2周目に修正していた回も半分以上はあったので、結果として合計で40分を超えて50~60分くらいの時間になってしまいました。
このまま2級に進むべきかをアドバイスいただけたらなと思います、よろしくお願いします。
コメントありがとうございます。
私が一つ気になるのは1周目に解いた際の不正確さです。もちろん見直しは行いますが、見直しでの修正はごくわずかで、仮に1周目だけで終えたとしても90点ぐらいは得点できるはずです(見直しでよくなるのは5点くらいです)。
おそらくなのですが、時間を意識するあまり、1周目での解き方が雑になってしまっているのではないでしょうか。この記事でお伝えしている解答時間は、「特に時間を意識することなく解いて解き終わるまでにかかる時間」という意味合いです。速く解こうとするとミスが増えるのは当然なので、あくまでも「自然と速く解ける」という形で時間を考える必要があります。
とはいえ98点という得点は立派ですので、2級に進んでも大丈夫です。ただ、もし時間がかかる理由が「理解があいまいで解答に迷っている」であるならば、理解をを深めて自然と速く解けるようになってから2級に進まれた方がいいかと思います。
回答は以上です。参考にされてください。
回答ありがとうございます。自分の答案を見直してみましたら以下のようになりました。
自分が見直しをしたが間違えた個所は8か所で、うち2か所は仕訳日計表から総勘定元帳への転記の理解不足ミス・当座借越勘定から当座預金勘定への振替時の仕訳を逆処理、の思い込みミス・でした。そして残りの6か所は問題文の指示の読み落とし(ex:××円は月末払い、××円は現金払いという指示を全て現金処理だと読み間違い・売上戻しを仕入戻しと思い込んでいた etc)でした。
また、1周目で直したところは、第1問・第2問で多かったです。第1問では1600円を1000円と見間違いなど。 第2問では頭の中だけで仕訳をしてしまい、見直しの際に問題用紙に仕訳を手で書いてみたら間違っていたケースです。(土地の購入原価に付随費用を加えずに計算した結果、固定資産売却益を間違えた)ですので、見直しをしていなかったら落としていた点数はおそらく4~6点くらいかと見積もられます。ただ10~12回目の最後の3回は見直しの際に1度も修正はしなかったです。
時間は解いている際には特に意識していなかったです。自分の中でかなりゆっくりペンでなぞらえながら読み、数字もゆっくり丁寧に書きました。そのペースで第3問まで一通り書き終えて時計で残り時間をみたら残り20分代後半だった回が多かったです。
理解が曖昧な部分は12回を通した所感、あまりないかなと感じられたので、このまま2級の勉強にすすんでみようと思います。
質問に対応してくださりありがとうございます。2級もしっかり理解を重視して学習していきます。