- 簿記を勉強していると大陸式決算法っていう内容が出てきたんだけど……
- 英米式決算法と大陸式決算法の違いや優劣が分からない
- 英米式決算法と大陸式決算法について教えて!
大陸式決算法は日商簿記では出題されないので、簿記論などでいきなり出てきて苦手になってしまう人が非常に多いです。
私は簿記通信講座を2012年から運営してきて数百名の合格者をこれまでに送り出させていただきました。もちろん大陸式決算法についても熟知しています。
この記事では大陸式決算法について英米式決算法との違いや優劣を中心にわかりやすく解説します。
この記事を読めば大陸式決算法についてよく理解できるので、大陸式決算法が簿記論などで出題されても自信を持って解答することができます。
結論を一言で言うと、大陸式決算法とは「仕訳→総勘定元帳」という流れを徹底的に行う決算法です。
英米式決算法と大陸式決算法の違い
決算振替仕訳には英米式決算法と大陸式決算法があります。簿記2級や簿記3級で学習する繰越試算表を作る方式が英米式決算法で、簿記論で学習する残高勘定を使う方式が大陸式決算法です。
決算振替仕訳には英米式決算法と大陸式決算法がありますが、そもそも疑問が発生します。それは「なぜ二つあるのか」です。
英米式決算法とは文字通り、イギリスとアメリカの方式で、イギリスやアメリカでは英米式決算法しか使いません。
逆に大陸式決算法とはヨーロッパ大陸、つまりヨーロッパの方式で、ヨーロッパでは大陸式決算法しか使いません。
大陸式決算法と英米式決算法のどちらかが優れているのであれば、世界中でどちらかの方法が採用されるはずです。そう考えると英米式決算法と大陸式決算法はそれぞれに長所があるといえます。
【私見】大陸式決算法の方が英米式決算法より優れている
仮に大陸式決算法と英米式決算法のどちらが優れているのかと聞かれたら私は大陸式決算法だと答えます。理由は次の2つです。
- 大陸式決算法は仕訳をきちんと切っているから
- 大陸式決算法は「資産・負債・純資産」と「収益・費用」で処理方法が同じだから
英米式決算法が楽そうに見えますが、繰越試算表を作成する手間と勘定を締め切る手間はそれほど変わりません。大陸式決算法と大差ないと言えそうです。
手間を省きたいのであれば「精算表」を正規の手続きとしてしまうのがよい方法です。
「精算表」を正規の手続きにすれば「次期繰越」と「精算表の貸借対照表の金額」の一致を確認すれば「資産・負債・純資産」を安心して繰り越せるので、「繰越試算表」を作る必要がなくなるからです。
実際には精算表は正規の手続きではないので、英米式決算法の場合は繰越試算表を作らなければなりません。繰越試算表を作るのであれば英米式決算法と大陸式決算法に手間の違いはそれほどありません。
英米式決算法と大陸式決算法に手間の違いがないのであれば仕訳をきちんと切っている大陸法決算法の方が優れていると言えます。
【まとめ】英米式決算法と大陸式決算法の違いと優劣
決算振替仕訳には英米式決算法と大陸式決算法があります。繰越試算表を作る方式が英米式決算法で、残高勘定を使う方式が大陸式決算法です。
英米式決算法と大陸式決算法に手間の違いに大差はないので仕訳をきちんと切っている大陸法決算法の方が優れていると私は考えます。
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