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【なぜ繰延資産?】株式交付費とは【仕訳と勘定科目をわかりやすく】

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  • 繰延資産を勉強していると株式交付費っていう内容が出てきたんだけど……
  • 株式交付費がなぜ資産になるのかよく分からない
  • 株式交付費について教えて!

株式交付費は売却することも使用することもできないので、資産として計上する意味が分からないと感じる方が非常に多いです。

私は簿記通信講座を2012年から運営してきて数百名の合格者をこれまでに送り出させていただきました。もちろん株式交付費についても熟知しています。

この記事では株式交付費について解説します。

この記事を読めば株式交付費について理解できるので、簿記1級で株式交付費が出題されても自信を持って解答することができます。

結論を言うと、株式交付費は株式を交付するための費用です。株式交付費は支出時に費用として処理するのが原則ですが、3年以内にわたって償却することも認められています。

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株式交付費:株式を交付するための費用

株式を交付するときには色々な費用がかかります。具体的には次のような費用があります。

  • 株式募集のための広告費
  • 金融機関や証券会社への取扱手数料
  • 目論見書の印刷費(目論見書…株式の説明書)

株式交付費は株式を交付するための費用です。株式交付費は支出時に費用として全額処理するのが原則です。

しかし、株式交付費には通常の費用とは違う2つの特徴があります。

  • 株式交付費は多額になることが多い
  • 株式交付費は会社が続く限り効果が続く

この2つの特徴により、例外的な処理が認められることになります。

株式交付費は多額になることが多い

株式交付費は多額になることが多いです。場合によっては全額を1年目に費用として計上すると1年目の利益が吹っ飛んでしまうこともありえます。

そして2年目以降はきちんと利益が出続けることもありえます。

1年目から3年目までの創立費を除いた利益が各期1,000,000円、株式交付費が1,500,000円だった場合、支出時に費用として全額処理した場合を考えてみると、次のようになります。

  • 1年目…1,000,000円-1,500,000円=-500,000円(損失)
  • 2年目…1,000,000円
  • 3年目…1,000,000円

企業の経営成績は1年目から3年目までずっと同じはずなので、1年目だけ500,000円の赤字で、2年目から3年目まで1,000,000円の利益というのは適正だとは言いづらいところです。

株式交付費は会社が続く限り効果が続く

新株を交付するための費用である株式交付費は、本来は会社が続いていく限りずっと効果が続いていくと考えるのが理論的には正しいです。

そして、会計の前提として「企業は永久に継続していく」と考えます。

関連記事

「企業は永久に継続していく」という前提を「継続企業の公準」と言います。継続企業の公準については「継続企業の公準(別名:会計期間の公準)の意味とは?」で詳しく解説しています。

すると、永遠に効果が続いていくことになるため、償却はしないということになります。

しかし、株式交付費を償却しないというのもまずいです。株式交付費は新株を交付するための費用です。売却することはできませんし、そもそも価値もありません。

償却しないということは永久に貸借対照表に記載され続けるということになります。売却も出来ない、価値も無いものを資産として貸借対照表に記載し続けるのは問題です。

そこで、ある程度の期間を決めて償却することになります。

ある程度の期間を決めて償却する処理方法の方が適正な期間損益計算を行うことができます。

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株式交付費は原則は費用処理、例外的に3年間で償却する

これまでの考え方をから、次のような会計処理が行われることになります。

  • 支出時に全額を費用として処理する(原則)
  • 繰延資産に計上し、毎期償却を行う(例外)

株式交付費を繰延資産に計上する場合は、次のような方法で処理します。

  • 残存価額…0
  • 月割償却
  • 定額法
  • 直接控除法(減価償却でいう直接法)
  • 最長償却期間…3年(覚えなければいけません)

基本的に無形固定資産と同じです。最長償却期間の3年という数字に明確な根拠はありません。3年という数字は会社法により規定されています。

3年くらいで償却すれば「適正な損益計算を行う」と「貸借対照表に資産ではないものを長期間記載しない」のどちらも納得できる範囲になると考えて下さい。

また、償却期間以内で償却すれば何年でもいいのですが、検定試験では通常は最長償却期間の3年で償却することになります

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創立費と株式交付費の違い

株式を交付した場合、株式の交付が会社設立時であれば創立費、会社設立後の増資時であれば新株交付費となります。

関連記事

創立費については「【繰延資産】創立費とは【仕訳と会計処理をわかりやすく】」で詳しく解説しています。

同じ株式の交付でも、いつ株式の交付を行ったかで勘定科目が変わってきます。いつ株式の交付を行ったかをきちんと問題文から読み取らなければなりません。

創立費は5年、株式交付費は3年と償却期間も違うため、勘定科目の間違いはさまざまなところに影響を与えてしまいます。ていねいに問題文を読むようにしてください。

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株式交付費の仕訳

株式交付費の支払

例題

期首に経営規模拡大のために増資により資金を調達することにした。この増資の際に新たに株式を発行するために要した費用1,500,000円を現金で支払った。

株式交付費については例外処理を行う。

この例題の仕訳について考えてみましょう。

現金で1,500,000円支払っているので『(貸)現金1,500,000』となります。

次は借方です。増資の際に新たに株式を発行するために要した費用なので、株式交付費にあたります。

会社設立のための株式発行ならば創立費になりますが、この例題の場合は増資による株式発行なので株式交付費です。よって『(借)株式交付費1,500,000』となります。

まとめると次のようになります。

借方金額貸方金額
株式交付費1,500,000現金1,500,000

株式交付費の償却

例題

決算にあたり、上記の株式交付費を会社法による最長期間で償却する。

この例題の場合の仕訳について考えてみましょう。

株式交付費の最長償却期間は3年間です。また、株式交付費は残存価額0の定額法なので償却すべき金額は(株式交付費1,500,000円÷最長償却期間3年=)500,000円となります。

直接控除法で記帳することを踏まえると、仕訳は次のようになります。

借方金額貸方金額
株式交付費償却200,000株式交付費200,000
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【まとめ】株式交付費:株式を交付するための費用

株式交付費は株式を交付するための費用です。株式交付費は支出時に費用として処理するのが原則ですが、3年以内にわたって償却することも認められています。

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コメント

  1. ゴンドラマスター より:

    ■受験報告

    全経1級(商簿・工簿)受験してきました

    まず商業簿記ですが全経特有の仕訳問題が出ました(固定資産の買い替え)

    あとは本支店会計の特有の問題が出ました(グラフみたいなやつ)

    やはり勉強時間が短かすぎて70点前後の攻防戦になりそうですw

    【DeNA】中畑監督の心境になってます(笑い)

    工業簿記は完全に忘れてしまったのでDVDで全部《再学習》しました

    ネットスクールの桑原社長の講義です

    そして【一発山かけ】が当たりました!

    部門別原価計算が『ズバリ的中』しました

    こちらは90%以上!?のハイスコアが期待できそうです

    結果は1週間後という超ハイスピードで発表されるので不安と楽しみが交錯してます

    今日から1週間春休みなので『建設業計理士2級』『ビジネス会計2級』『全経電卓段位』をやりたいと思います

    • dokuboki より:

      全経を受験されたのですね。お疲れ様です。工業簿記うまくいったようでよかったです。

      • ゴンドラマスター より:

        ■合格速報(^O^)/

        日本電卓検定協会【二段】合格!!!しました\^o^/

        自分の限界点として1200点しか取れない環境の中1170点も取りました

        まさに【奇跡】です

        こんな【奇跡】が起きるなんてまだまだ可能性が出てきました

        漢字検定は準二級合格でした

        とりあえず来週は全経1級合格待ちです

        • dokuboki より:

          合格ラッシュですね。おめでとうございます。この調子でどんどん合格できるといいですね。

          P.S. 奇跡ではなく実力だと思いますよ。

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