- 簿記を勉強していると直物為替相場とか先物為替相場とかが出てきたんだけど……
- 直物為替相場と先物為替相場の違いが分からない
- 為替相場の分類についてわかりやすく教えて!
簿記を勉強していると外貨換算会計のところで為替相場というものが出てきます。日常生活にほとんどなじみがない言葉なので苦手にしてしまう方が非常に多いです。
私は簿記通信講座を2012年から運営してきて数百名の合格者をこれまでに送り出させていただきました。もちろん為替相場の分類についても熟知しています。
この記事では為替相場の分類について直物為替相場と先物為替相場の違いなどを中心にわかりやすく解説します。
この記事を読めば、為替相場の分類についてより深く理解できるので、簿記2級で外貨換算会計の問題が出題されても自信を持って解答できるようになります。
結論を一言で言うと、為替相場とは「通貨と通貨の交換比率」のことです。為替相場には「直物為替相場:取引時の為替相場」「先物為替相場:将来の一定時点の為替相場」などがあります。
為替相場とは:通貨と通貨の交換比率
為替相場とは「通貨同士を交換する市場で取引されている通貨と通貨の交換比率」のことです。円とドルを交換する「ドル円相場」や円とユーロを交換する「ユーロ円相場」などがあります。
為替相場にはいろいろな分類の仕方がありますが、代表的な分類は「換算における分類」と「受渡時点による分類」の2つです。
為替相場の換算における分類:HRとCRとARの違い
どのように換算するのかで分類すると次の3つに分類されます。
- 取引発生時の為替相場…HR(Historical Rate):日本語にすると「歴史上の相場」という意味になります
- 決算時の為替相場…CR(Current Rate):日本語にすると「現在の相場」という意味になります
- 一定期間の為替相場の平均…AR(Average Rate):日本語にすると「平均の相場」という意味になります
状況によってHR・CR・ARのどの相場を使って円に換算するのかが変わってきます。
為替相場の受渡時点による分類:直物為替相場と先物為替相場の違い
外貨をいつ受け渡すのかで分類すると次の2つに分類されます。
- 直物為替相場…取引時の為替相場
- 先物為替相場…将来の一定時点の為替相場
先物為替相場は直物為替相場に「通貨同士の金利差」を考慮したものになります。
直物為替相場から先物為替相場を計算する方法
仮に直物為替相場が「1ドル=100円」で、「アメリカの金利が年利2%」「日本の金利が年利1%」だとします。すると、今の1ドルは1年後には(1ドル×102%=)1.02ドルになっているはずです。
同様に今の100円は1年後には(100円×101%=)101円になっているはずです。
このことから、1年後には「1.02ドル=101円」となります。「1.02ドル=101円」を「1ドル=」にすると「1ドル≒99.0196…円」となります。
「1ドル≒99.0196…円」が1年後の先物為替相場になります。
このような形で先物為替相場は計算されます。
【まとめ】直物為替相場と先物為替相場の違いを中心に為替相場の分類をわかりやすく
為替相場とは「通貨と通貨の交換比率」のことです。為替相場の分類方法には「受渡時点による分類」と「換算における分類」があります。
「換算における分類」では為替相場を「取引発生時の為替相場(HR)」「決算時の為替相場(CR)」「一定期間の為替相場の平均(AR)」に分類します。
「受渡時点による分類」では為替相場を「直物為替相場:取引時の為替相場」「先物為替相場:将来の一定時点の為替相場」に分類します。
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