- 簿記を勉強していたら、役員賞与の仕訳が出てきたんだけど……
- 役員賞与の仕訳でなぜ役員賞与引当金を設定するのか分からない
- 役員賞与の仕訳について教えて!
通常の賞与と役員賞与は会計処理が違うという点がよく分からずに、役員賞与の仕訳を難しく感じてしまう人が非常に多いです。
私は簿記通信講座を2012年から運営してきて数百名の合格者をこれまでに送り出させていただきました。もちろん役員賞与の仕訳についても熟知しています。
この記事では役員賞与の仕訳についての考え方や役員賞与引当金を設定する理由などを中心に解説します。
この記事を読めば役員賞与の仕訳についてより深く理解できるので、簿記2級で役員賞与の仕訳が出題されても自信を持って解答することができます。
結論を一言で言うと、役員賞与を見積もった場合には役員賞与引当金を設定します。役員賞与は株主の同意が必要なため、役員賞与引当金を設定することになります。
役員賞与を見積もった場合は役員賞与引当金を設定する
利益の獲得に貢献した役員に利益の一部をボーナスとして支払うことがあります。このボーナスを役員賞与といいます。
従業員への賞与は賞与という費用です。そう考えると、役員賞与も性質としては費用になります。しかし、通常の費用とは異なる会計処理になります。
役員賞与は従業員への賞与とは違う手続きが必要になるのです。
従業員への賞与は株主の同意なしに決めることができますが、役員賞与は株主に同意してもらわなければ支払うことができません。役員賞与の金額を決めるのは役員だからです。
役員賞与の金額を決めるのが役員だということは、自分の賞与を自分で決めているということになります。
自分の賞与を自分で決めることを認めてしまうと、役員は自分の賞与なのでできるだけ多くしようとするでしょう。
役員の賞与が過大に支払われると本来株主のものである利益が不当に役員に支払われてしまいます。
そこで定款に一定の定めがある場合を除いて、役員賞与については株主総会で株主の同意を得る必要があるのです。
つまり、役員賞与の場合は株主総会で株主に認めてもらわなければ賞与として支払うことはできないということです。
このような理由から、株主総会で株主の同意を得る必要があるため、役員賞与は性質としては費用であるにも関わらず、株主総会で剰余金の処分として処理することになります。
一般的な仕訳としては、役員賞与を見積ったときには引当金として計上しておいて、株主総会で役員賞与が認められた時点で債務として確定するという処理を行います。
役員賞与の仕訳
役員賞与引当金の設定
この例題の仕訳について考えてみましょう。
当期の役員賞与を800,000円と見積っています。この例題では役員賞与は株主総会の承認を受けなければならないため、決算の時点ではまだ確定はしていません。
そこで確定した債務を表す「未払役員賞与」ではなく引当金である「役員賞与引当金」という勘定科目を使います。よって、『(貸)役員賞与引当金800,000』となります。
また、役員賞与引当金を800,000円繰り入れているので『(借)役員賞与引当金繰入800,000』となります。
まとめると次のようになります。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
役員賞与引当金繰入 | 800,000 | 役員賞与引当金 | 800,000 |
役員賞与が株主総会で承認された
この例題の仕訳について考えてみましょう。
決算時に役員賞与引当金800,000円を計上しています。株主総会で承認されたので、費用として確定します。
そこで、引当金である「役員賞与引当金」を確定した債務を表す「未払役員賞与」に振替えます。仕訳は次のようになります。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
役員賞与引当金 | 800,000 | 未払役員賞与 | 800,000 |
役員賞与を支払った
この例題の仕訳について考えてみましょう。
現金で800,000円支払っているので『(貸)現金800,000』となります。
また、実際に現金で支払ったので、負債である未払役員賞与が減少します。よって『(借)未払役員賞与800,000』となります。
まとめると次のようになります。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
未払役員賞与 | 800,000 | 現金 | 800,000 |
【まとめ】役員賞与の勘定科目と仕訳とは
役員賞与の場合は株主総会で株主に認めてもらわなければ賞与として支払うことはできません。
役員賞与を見積ったときには引当金として計上しておいて、株主総会で役員賞与が認められた時点で債務として確定するという処理を行います。
コメント
【合格率】発表
「129回」の合格率がでました
なんと・・・「3級」【49.8%】、「2級」【44.5%】でした
40%超えなんて驚きました
予想では35%以上とか言われてましたが蓋を開けてみると過去最高に近い数字でした
しかし喜んでばかりはいられません
「2級」の過去データによると43.1%→25.5%、40.0%→21.5%、42.5%→29.2%、40.8%→33.2%、46.9%→27.5%という具合に40%を超えると次の回の合格率が【激減】しているのです
いまわしいですが【事実】です
ですから来年の2月検定では「2級」はかなり厳しい合格率が予想されます
以上合格率発表&分析でした
今回の合格率が高いことは予想していましたが、予想以上に高いですね。特に簿記2級で44.5%は私の記憶にはないほど高いです。
次回は厳しいかもしれませんね。しかし、そういうときに合格できると大きな自信になります。今やるべきことをきちんとやることが大切ですね。
早速三級一日目から八日目まで、リンクも読ませてもらいました!すごくわかりやすかったです☆参考書で勉強してるのである程度頭に入ってましたが、確認もできたし、また、表の作り方はまだ参考書で読めてなかったので全体像が掴めたように思います!
小さな子がいる中で、なかなか思うように集中できないのですが、大学を出て半年で妊娠、退職、結婚をし、社会人経験が乏しい身分です。
しかし事務の仕事をしてみたいのです。
不利な状況の中、簿記の資格がないに越したことはないと思うので、頑張ります!!
これからも参考にさせてください。
長文失礼しました。
コメントありがとうございます。
このブログは分かりやすさを常に心がけて作成しているので、分かりやすいと言って頂けてとても嬉しいです。
簿記の勉強がんばってください。私もTommyさんの参考になる記事を作成できるようにがんばります。
リョウさんへ
いつもブログを拝見しております。
少し遅れましたが、ご報告があります。
無事に3級合格しました。
試験勉強中にはリョウさんの解説に私はとても助けられました。
ありがとうございます。
次は2級取得に向けて勉強します。
これからもご教授のほどよろしくお願い致します。
コメントありがとうございます。
合格おめでとうございます。お役に立てたようで何よりです。
簿記2級取得目指してがんばってください。私も良質の記事が更新できるようにがんばります。