割引発行を行う理由

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こんにちは、簿記合格請負人の平野です。この記事では割引発行を行う理由について解説します。

平価発行と割引発行

満期保有目的債券の期末の評価で割引発行と平価発行は本質的には同じだと解説しました。では、なぜ発行会社は割引発行をするのでしょうか。

全て平価発行するようにすれば、償却原価法のような複雑な仕訳を切る必要もなくなります。割引発行するにはそれなりの理由が発行会社にはあるはずです。

利払いのタイミング

  • 額面100円・取得原価96円(割引発行)・10,000口取得・4年満期・クーポン利息なし
  • 額面100円・取得原価100円(平価発行)・9,600口取得・4年満期・クーポン利息10,000円(利払い年1回)

この2つの社債について考えてみます。この社債はどちらも次のようになります。

  • 社債取得原価…960,000円
  • 1年間の有価証券利息勘定…10,000円

この2つの社債は本質的には同じものです。しかし、違う点があります。それは発行会社の利払いのタイミングです。

「額面100円・取得原価96円(割引発行)・10,000口取得・4年満期・クーポン利息なし」の社債を発行した場合、発行会社の現金の動きは次のようになります。

  • 発行時…960,000円の現金増加
  • 発行1年後…現金に動きなし
  • 発行2年後…現金に動きなし
  • 発行3年後…現金に動きなし
  • 発行4年後(満期)…1,000,000円の現金減少

それに対して、「額面100円・取得原価100円(平価発行)・9,600口取得・4年満期・クーポン利息10,000円(利払い年1回)」の社債を発行した場合、発行会社の現金の動きは次のようになります。

  • 発行時…960,000円の現金増加
  • 発行1年後…10,000円の現金減少
  • 発行2年後…10,000円の現金減少
  • 発行3年後…10,000円の現金減少
  • 発行4年後(満期)…債券金額960,000円+利払い10,000円=970,000円の現金減少

平価発行の場合の方が現金が減少する時期が早いのです

割引発行しなければならない事情

日本国内において最も安全な債券は国債です。この国債より金利が低い社債を発行しても誰も買ってくれません。この社債を買うくらいならみんな国債を買うからです。

そのため、金利を国債より高く設定しなければなりません。しかし、金利を高く設定すれば、その分毎年の利払いが苦しくなります。

そこで、毎年の利払いを少なくするために割引発行するのです。割引発行することで実質的な利率(実効利子率といいます)を高くすることができます。クーポン利率は低くても、金利調整差分の利息で補えるのです。

金利を高く設定しなければ買ってもらえないけれど、利払いの負担は軽くしたいときに割引発行するといえます

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