【差額補充法とは】簿記3級の貸倒引当金のやり方をわかりやすく

貸倒引当金は差額補充法という方法で設定します。差額補充法の考え方が難しくて貸倒引当金自体を苦手にしてしまう方が非常に多いです。

私は簿記通信講座を2012年から運営してきて数百名の合格者をこれまでに送り出させていただきました。もちろん差額補充法についても熟知しています。

この記事では簿記3級に合格するために必要な差額補充法の知識と計算方法についてわかりやすく解説します。

この記事を読めば差額補充法についてより深く理解できるので、簿記3級の精算表で差額補充法に関する問題が出題されても自信を持って解答できるようになります。

結論を一言で言うと、差額補充法は差額を補充する考え方で設定する方法で、当期の見積額に不足する金額だけを補充する方法です。

貸倒引当金の設定方法には差額補充法と洗替法がある

決算のときに受取手形や売掛金に貸倒引当金を設定しますが、たいていは貸倒引当金を設定する前に貸倒引当金に残高があります。

貸倒引当金の残高は、前期の決算のときに積み立てた貸倒引当金の残りです。貸倒引当金が決算日に残っているという前提で仕訳を考える必要があります。

差額補充法とは：差額を補充する考え方で貸倒引当金を設定する方法

差額補充法は差額を補充する考え方で貸倒引当金を設定する方法です。差額補充法で設定する貸倒引当金（貸倒率）は過去の貸倒れの実績に基づいて設定します。

例えば、貸倒引当金を設定する前の貸倒引当金の残高が1,000円残っているとします。そして、今期の決算では貸倒引当金を3,000円に設定することになったとします。

この場合、差額である（設定すべき金額3,000円－貸倒引当金を設定する前の貸倒引当金の残高1,000円＝）2,000円分だけ仕訳を切って、1,000円については特に触れません。

当期の見積額に不足する金額だけを補充するイメージです。簿記3級では差額補充法以外は出題されないので、差額補充法だけきちんと理解しておけば問題ありません。

貸倒引当金（差額補充法）の仕訳問題

貸倒れの見積り（差額補充法）

この問題の仕訳について考えてみます。

まずは、貸倒れの見積り金額を求めます。300,000円の2％を貸倒れとして見積もるので、（受取手形と売掛金300,000円×貸倒実績率2％＝）6,000円と計算されます。

ただ、貸倒引当金の残高が2,000円残っているので、今期で積み立てなければならない金額は見積額である6,000円に不足する金額だけです。

よって、今期の貸倒引当金積立額（補充額）は（貸倒れの見積額6,000円－貸倒引当金の決算整理前残高2,000円＝）4,000円と計算します。あとは仕訳です。

この4,000円という金額は「貸倒引当金繰入」という勘定科目を使って記帳します。よって『（借）貸倒引当金繰入4,000』となります。

また、貸方は貸倒引当金という勘定科目を使うので『（貸）貸倒引当金4,000』となります。

まとめると次のようになります。

借方	金額	貸方	金額
貸倒引当金繰入	4,000	貸倒引当金	4,000

【まとめ】【差額補充法とは】簿記3級の貸倒引当金をわかりやすく

差額補充法は当期の見積額に不足する金額だけを補充する方法です。

例えば、貸倒引当金を設定する前の貸倒引当金の残高が1,000円残っているとします。そして、今期の決算では貸倒引当金を3,000円に設定することになったとします。

この場合、差額である（設定すべき金額3,000円－貸倒引当金を設定する前の貸倒引当金の残高1,000円＝）2,000円分だけ仕訳を切って、1,000円については特に触れません。

仕訳は次のようになります。

借方	金額	貸方	金額
貸倒引当金繰入	2,000	貸倒引当金	2,000

これが差額補充法による貸倒引当金設定の考え方です。

差額補充法以外にも、簿記3級ではたくさんの内容を学習します。簿記3級で学習する内容については「簿記3級独学勉強サイト【暗記不要の簿記独学講座】」でまとめているので参考にしてください。