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【簿記3級】消耗品とは【仕訳と勘定科目をわかりやすく】

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  • 簿記を勉強していると消耗品の仕訳が出てきたんだけど……
  • 消耗品と備品の違いが分からない
  • 消耗品の仕訳について教えて!

消耗品はまだ使っていない状態で費用として処理するところを難しいと感じる人が非常に多いです。

私は簿記通信講座を2012年から運営してきて数百名の合格者をこれまでに送り出させていただきました。もちろん消耗品の仕訳についても熟知しています。

この記事では簿記3級に合格するために必要な消耗品の仕訳について解説します。

この記事を読めば消耗品の仕訳を難しいと感じることはなくなります。簿記3級の試験でも自信を持って解答できるようになります。

結論を言うと、消耗品の仕訳は重要性の低いものは取得時に費用として処理して終わりです。重要性の高いものは購入時に費用として計上し、決算時に未使用のものは資産に戻します。

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消耗品の意味:金額が小さいもの、1年以内に使い切るもの

業務で使うボールペンや帳簿などの文房具などは消耗品という勘定科目で処理します。

備品という勘定科目と似ているのですが、金額が小さいもの、1年以内に使い切るものは消耗品を使い、金額が大きいもの、1年以上使うものは備品を使うという違いがあります

実務では備品と消耗品との違いは「いくらまでは消耗品」といった感じで税法で細かく定められていますが、簿記検定ではどちらを使うかは分かるようになっているため気にする必要はありません。

消耗品の処理には3つの方法があります。

ボールペンなどの極めて重要性が低い消耗品は購入時に一括で「消耗品費(費用)」として計上し、決算時には何もしないのが一般的です。

これからお伝えする内容は「換金性が高い消耗品(切手や印紙など)」についてのものです。

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消耗品は原則として「購入時は資産」「使用時に費用」

消耗品は次のように処理するのが原則です。

  • 購入時…資産
  • 使用時…費用

消耗品は買った時にはまだ資産です。使った時に資産から費用になるのです。使った時に資産から費用になるのが原則なのですが、使うたびに仕訳を切るのは現実的に無理です。

そこで、簡便な方法も認められています。

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消耗品の仕訳

原則的方法:購入時は資産、使用時に費用

原則的方法では、消耗品の流れに従って忠実に仕訳をします。

  • 購入時…資産として処理
  • 使用時…使用するたびに資産から費用に振替
  • 決算時…仕訳なし

消耗品購入時

例題

消耗品2,000円を購入し、代金は現金で支払った。

この例題の仕訳を考えてみましょう。

消耗品を購入しているので『(借)消耗品2,000』となります。現金で支払っているので『(貸)現金2,000』となります。

まとめると次のようになります。

借方金額貸方金額
消耗品(資産)2,000現金2,000

消耗品使用時

例題

消耗品1,200円分を消費した(前の例題の続きです)。

この例題の仕訳を考えてみましょう。

消耗品1,200円分を使っているので、1,200円分の消耗品はなくなります。よって『(貸)消耗品1,200』となります。

次は借方です。借方は「消耗品費」という勘定科目を使います。消耗品費は費用の勘定科目です。使った分だけ費用に振り替えるので『(借)消耗品費1,200』となります。

消耗品費と似ている勘定科目に雑費があります。

「物品を消費することで発生する費用」が消耗品費、「他のどの勘定科目にもあてはまらず、重要性も低い費用」が雑費を使うという違いがあります。

まとめると次のようになります。

借方金額貸方金額
消耗品費(費用)1,200消耗品(資産)1,200

決算時

例題

消耗品の決算時の未消費額は800円であった(前の例題の続きです)。

この例題の仕訳について考えてみましょう。

もうすでに使った1,200円分については仕訳が切られています。きちんと当期に使った分が費用として計上されているので、決算整理仕訳は不要です。

借方金額貸方金額
仕訳なし

3つ仕訳を並べると次のようになります。

  • 購入時:(借)消耗品 2,000/(貸)現金 2,000
  • 使用時:(借)消耗品費1,200/(貸)消耗品1,200
  • 決算時:仕訳なし

この「原則的方法」が取引に最も近い仕訳になります。しかし、消耗品というものは常に使われているため、使用のたびに仕訳を切ることは現実的に不可能です。そこで、次の簡便な方法が使われます。

簡便的方法(購入時に資産として計上):購入時に資産、決算時に使用分を費用へ

簡便的方法(購入時に資産として計上)では、購入時は原則的方法と変わりません。しかし、使用時には特に処理をせず、決算時にまとめて使用した分を費用に振り替えます。次のようになります。

  • 購入時…資産として処理
  • 使用時…仕訳なし
  • 決算時…使用した分をまとめて資産から費用に振替

消耗品購入時

例題

消耗品2,000円を購入し、代金は現金で支払った。

この例題の仕訳を考えてみましょう。

消耗品を購入しているので『(借)消耗品2,000』となります。現金で支払っているので『(貸)現金2,000』となります。

まとめると次のようになります。

借方金額貸方金額
消耗品(資産)2,000現金2,000

ここまでは原則的方法と同じです。

消耗品使用時

例題

消耗品1,200円分を消費した(上の例題の続きです)。

この例題の仕訳を考えてみましょう。

消耗品1,200円分を使っているので、1,200円分の消耗品はなくなります。しかし、使用のたびに仕訳を切るのは現実的に不可能なので、使用時には特に仕訳は切りません

借方金額貸方金額
仕訳なし

決算時

例題

消耗品の決算時の未消費額は800円であった(前の例題の続きです)。

この例題の仕訳について考えてみましょう。

消耗品の未消費額が800円だったということは消費額は(購入額2,000円-消費額800円=)1,200円です。この1,200円を資産から費用に振り替えます。よって、次のような仕訳を切ることになります。

借方金額貸方金額
消耗品費(費用)1,200消耗品(資産)1,200

この仕訳の考え方は原則的方法の消耗品使用時の考え方と同じです。3つ仕訳を並べると次のようになります。

  • 購入時:(借)消耗品 2,000/(貸)現金 2,000
  • 使用時:仕訳なし
  • 決算時:(借)消耗品費1,200/(貸)消耗品1,200

簡便的方法(購入時に費用として計上):購入時に費用、決算時に未使用分を資産へ

簡便的方法(購入時に費用として計上)では、購入時に費用として処理してしまいます。そして、使用時には特に処理をせず、決算時に残っている分を資産に振り替えます。次のようになります。

  • 購入時…費用として処理
  • 使用時…仕訳なし
  • 決算時…未使用分を費用から資産に振替

「簡便的方法(購入時に費用として計上)」の会計処理は「本当は買ってすぐは資産だけど、使う目的で買ったものだし、使うのは時間の問題なので、最初から費用として計上しておこう」という考え方で行われます。

消耗品購入時

例題

消耗品2,000円を購入し、代金は現金で支払った。

この例題の仕訳を考えてみましょう。

消耗品を購入しているのですが、「簡便的方法(購入時に費用として計上)」では購入時に費用として処理します。よって『(借)消耗品費2,000』となります。

現金で支払っているので『(貸)現金2,000』となります。

まとめると次のようになります。

借方金額貸方金額
消耗品費(費用)2,000現金2,000

消耗品使用時

例題

消耗品1,200円分を消費した(前の例題の続きです)。

この例題の仕訳を考えてみましょう。

消耗品1,200円分を使っているので、1,200円分の消耗品はなくなります。しかし、購入時に費用として計上しているので特に仕訳は切ることはありません。

借方金額貸方金額
仕訳なし

決算時

例題

消耗品の決算時の未消費額は800円であった(前の例題の続きです)。

この例題の仕訳について考えてみましょう。

簡便的方法(購入時に費用として計上)では、すでに消耗品は費用の勘定科目である消耗品費で全て処理されています。しかし、800円分は未消費です。未消費の分は資産に戻さなければなりません。

よって、次のような仕訳を切ることになります。

借方金額貸方金額
消耗品(資産)800消耗品費(費用)800

3つ仕訳を並べると次のようになります。

  • 購入時:(借)消耗品費 2,000/(貸)現金 2,000
  • 使用時:仕訳なし
  • 決算時:(借)消耗品  800/(貸)消耗品費 800

消耗品は次期に費用となることはほぼ確実なので、決算時の仕訳の借方は「前払費用」となることも考えられそうです。

一見よさそうですが、前払費用を使うことは認められません。

前払費用は「継続的な役務の提供を受ける契約を結び、すでに対価を支払ってしまったが、まだ役務の提供を受けていない場合」と企業会計原則で決まっているからです。

簡便的方法(購入時に費用として計上)は「売上原価の計算の仕訳」の考え方と似ています。

簿記3級の試験に出題されるのは3つ目の「簡便的方法(購入時に費用として計上)」です。ちなみに、それぞれの勘定科目の残高は、どの方法で記帳しても同じになります

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【まとめ】消耗品とは【仕訳と勘定科目をわかりやすく】

重要性の低い消耗品の仕訳は取得時に費用として処理して決算整理仕訳は切りません。重要性の高い消耗品の仕訳は購入時に費用として計上し、決算時に未使用のものは資産に戻します。

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コメント

  1. みんと より:

    ■消耗品と消耗品費

    リョウさん
    いつもありがとうございます!

    消耗品についての処理
    ここも、ややこしい論点です。
    3級の勉強では私自身が購入して費用計上する時と資産計上するときの違いに悩みました。
    「消耗品」を得意とする人と苦手とする人の二つに分かれる論点だとも聞いています。
    すごく分かりやすい説明です♪
    簿記は仕訳の理解が重要ですがそこで生じる「なぜ?」が大事ですね。

    私も今1級の勉強で「なぜ??」との戦いです(笑)
    でも、解法の過程を大事にして頑張ります!

    • dokuboki より:

      コメントありがとうございます。

      確かに資産計上と費用計上は分かりにくいところですね。
      ここをきちんと理解しておけば三分法がなぜあのような仕訳になるのかもよく分かります。

      みんとさんの「なぜ?」という姿勢は非常に重要だと思います。これからも「なぜ?」を大切にがんばってください。

      私も簿記を学習している方の「なぜ?」と少しでも解決できるようにがんばっていきます。

  2. ゆうこ より:

    ■ありがとうございます。

    おかげさまで、消耗品よくわかりました。試験もばっちりでした。

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