- 電卓に定数計算っていう機能があるって聞いたんだけど……
- 同じ数字を何回もかけるときの電卓の使い方が分からない
- 43+63、43+54、43+23を楽に計算する方法を教えて!
電卓の操作方法を教わることは少ないので、電卓の操作方法が分からないという方は非常に多いです。定数計算という便利な機能もあまり知られていません。
私は簿記通信講座を2012年から運営してきて数百名の合格者をこれまでに送り出させていただきました。もちろん電卓の使い方にも精通しています。
この記事では定数計算の使い方について解説します。
この記事を読めば43+63、43+54、43+23を最小の入力数で計算する方法が分かります。他にも引き算や掛け算、割り算での入力数を減らす方法、同じ数字をかける計算方法も分かります。
結論を言うと、43+63、43+54、43+23を計算するのであれば「43+=63=」と入力して43+63が求まり、2つ目からは「54=」と入力すれば43+54が、「23=」と入力すれば43+23が求まります。
定数計算機能とは:同じ数を連続して計算すること
定数計算とは、定まった数で連続して計算することです。定数計算を上手に行うことで電卓の無駄な作業を大幅に減らすことができます。
同じ(定まった)数の四則計算を連続して計算するときに定数計算を使えると非常に便利です。
定数計算には次の4種類があります。
- 定数加算
- 定数減算
- 定数乗算
- 定数除算
定数計算を使いこなせるようになるとボタンの入力数を大幅に減らすことができます。簿記受験生は必ず身につけたいところです。
定数加算:同じ数字にさまざまな数字を加算する計算
同じ数字にさまざまな数字を加算する計算を定数加算といいます。次の例題のような計算が定数加算です。
この例題について考えてみましょう。
43+63、43+54、43+23の3つの定数加算を普通に計算したら、[4][3][+][6][3][=]で一つ求め、[4][3][+][5][4][=]でまた一つ求め、[4][3][+][2][3][=]でさらに求めるという作業が必要です。
普通に計算するとかなり大変ですが、定数加算を使うことで入力数を大幅に減らすことができます。
[4][3][+][=][6][3][=]で43+63が求まります。続けて、[5][4][=]と入力するだけで43+54が、[2][3][=]と入力するだけで43+23が求まります。大幅に入力数が減ります。
[4][3][+][=]と入力することで「43+」という計算を電卓に記憶させていると考えると分かりやすいです。
定数減算:さまざまな数字から同じ数字を引く計算
さまざまな数字から同じ数字を引く計算を定数減算といいます。次の例題のような計算が定数加算です。
この例題について考えてみましょう。
43-23、63-23、54-23の3つの定数減算を普通に計算したら、[4][3][-][2][3][=]で一つ求め、[6][3][-][2][3][=]でまた一つ求め、[5][4][-][2][3][=]でさらに求めるという作業が必要です。
普通に計算するとかなり大変ですが、定数減算を使うことで入力数を大幅に減らすことができます。
[4][3][-][2][3][=]で43-23が求まります。続けて、[6][3][=]と入力するだけで63-23が、[5][4][=]と入力するだけで54-23が求まります。大幅に入力数が減っています。
[-][2][3]と入力することで「-23」という計算を電卓に記憶させていると考えると分かりやすいです。
定数減算その2:同じ数字を連続して引く計算
定数減算にはもうひとつ便利な使い方があります。もう一つの定数減算は同じ数字を連続して引く場合に使います。
この例題について考えてみましょう。
50-7-7-7-7を普通に計算する場合は、[5][0][-][7][-][7][-][7][-][7][=]と入力しなければいけません。
普通に計算するとかなり大変ですが、定数減算を使うことで入力数を大幅に減らすことができます。
[5][0][-][7][=][=][=][=]で求めることができます。入力数がかなり減るうえ、簡単になるため楽に求めることができます。
ただし、[=]の数には気をつけてください。引く数値の個数だけ=を押すと考えれば分かりやすいと思います。
定数乗算:同じ数字にさまざまな数字をかける計算
同じ数字にさまざまな数字をかける計算を定数乗算といいます。次の例題のような計算が定数乗算です。
この例題について考えてみましょう。
43×63、43×54、43×23…の3つの定数加算を普通に計算したら、[4][3][×][6][3][=]で一つ求め、[4][3][×][5][4][=]でまた一つ求め、[4][3][×][2][3][=]でさらに求めるという作業が必要です。
普通に計算するとかなり大変ですが、定数乗算を使うことで入力数を大幅に減らすことができます。
[4][3][×][6][3][=]で43×63が求まります。続けて[5][4][=]と入力するだけで43×54が、[2][3][=]と入力するだけで43×23が求まります。大幅に入力数が減っています。
[4][3][×]と入力することで「43×」という計算を電卓に記憶させていると考えると分かりやすいです。
定数乗算その2:同じ数字を連続してかける計算
同じ数を何度もかける定数乗算もあります。意外とよく使うので覚えておくことをお勧めします。
この例題について考えてみましょう。
100×1.2×1.2×1.2を普通に計算する場合は、[1][00][×][1][.][2][×][1][.][2][×][1][.][2][=]と入力しなければいけません。
普通に計算するとかなり大変ですが、定数減算を使うことで入力数を大幅に減らすことができます。
[1][.][2][×][1][00][=][=][=]で求めることができます。入力数がかなり減るうえ、簡単になるため楽に求めることができます。
注意しなければならない点は、複数回かける数を先に入力するということです。[1][00][×][1][.][2][=][=][=]と入力してしまうと1.2×100×100×100となってしまい間違ってしまいます。
[1][.][2][×]と入力することで「1.2×」という計算を電卓に記憶させていると考えると分かりやすいです。
累乗計算:同じ数字を連続してかける計算
2乗、3乗、4乗…と求める計算を累乗計算といいます。次の例題のような計算が定数乗算です。
この例題について考えてみましょう。
54の4乗(54×54×54×54)を普通に計算する場合は、[5][4][×][5][4][×][5][4][×][5][4][=]と入力しなければいけません。
普通に計算するとかなり大変ですが、[5][4][×][=][=][=]で求めることができます。=を求めたい累乗よりも1回少なく押すことがポイントです。
4乗を求めるときは3回押します。押す回数を間違えないポイントは、1回目に=を押すときに頭の中で「2乗」、2回目に=を押すときに頭の中で「3乗」…と数えることです。
このように考えながら操作すればほとんど間違えなくなります。
定数除算:さまざまな数字を同じ数字で割る計算
さまざまな数字を同じ数字で割る計算を定数除算といいます。次の例題のような計算が定数除算です。
この例題について考えてみましょう。
96÷4、80÷4、56÷4を普通に計算したら、[9][6][÷][4][=]で一つ求め、[8][0][÷][4][=]でまた一つ求め、[5][6][÷][4][=]でさらに求めるという作業が必要です。
普通に計算するとかなり大変ですが、定数除算を使うことで入力数を大幅に減らすことができます。
[9][6][÷][4][=]で96÷4が求まります。続けて、[8][0][=]と入力するだけで80÷4が、[5][6][=]と入力するだけで56÷4が求まります。大幅に入力数が減っています。
[÷][4]と入力することで「÷4」という計算を電卓に記憶させていると考えると分かりやすいです。
定数除算その2:同じ数字で連続して割る計算
同じ数字で連続して割る計算も定数除算といいます。次の例題のような計算です。
この例題について考えてみましょう。
普通に計算する場合は、[1][4][4][÷][2][÷][2][÷][2][=]と入力しなければいけません。
普通に計算するとかなり大変ですが、定数除算を使うと、[1][4][4][÷][2][=][=][=]で求めることができます。
かなり入力数を減らすことができますが、=を押す回数は注意しなければいけません。割る回数だけ[=]を押すと考えましょう。
意外とよく使うので、しっかりと使いこなせるようしておくことをお勧めします。
【まとめ】定数計算機能とは【同じ数字をかける計算など】【シャープとカシオ解説】
シャープ製の電卓における定数計算
- 定数加算(43+63、43+54、43+23):[4][3][+][=][6][3][=]、[5][4][=]、[2][3][=]
- 定数減算(43-23、63-23、54-23):[4][3][-][2][3][=]、[6][3][=]、[5][4][=]
- 定数減算(50-7-7-7-7):[5][0][-][7][=][=][=][=]
- 定数乗算(43×63、43×54、43×23):[4][3][×][6][3][=]、[5][4][=]、[2][3][=]
- 定数乗算(100×1.2×1.2×1.2):[1][.][2][×][1][00][=][=][=]
- 累乗計算(54×54×54×54):[5][4][×][=][=][=]
- 定数除算(96÷4、80÷4、56÷4):[9][6][÷][4][=]、[8][0][=]、[5][6][=]
- 定数除算(144÷2÷2÷2):[1][4][4][÷][2][=][=][=]
カシオ製の電卓における定数計算
- 定数加算(43+63、43+54、43+23):[4][3][+][+][=][6][3][=]、[5][4][=]、[2][3][=]
- 定数減算(43-23、63-23、54-23):[2][3][-][-][4][3][=][=]、[6][3][=]、[5][4][=]
- 定数減算(50-7-7-7-7):[7][-][-][5][0][=][=][=][=]
- 定数乗算(43×63、43×54、43×23):[4][3][×][×][6][3][=]、[5][4][=]、[2][3][=]
- 定数乗算(100×1.2×1.2×1.2):[1][.][2][×][×][1][00][=][=][=]
- 累乗計算(54×54×54×54):[5][4][×][×][=][=][=]
- 定数除算(96÷4、80÷4、56÷4):[4][÷][÷][9][6][=]、[8][0][=]、[5][6][=]
- 定数除算(144÷2÷2÷2):[2][÷][÷][1][4][4][=][=][=]
コメント
会社で経理を担当しております。
電卓をブラインドで叩くのが早いと褒めていただいたことがありますが、
お恥ずかしいながら定数計算を知らず、こんなことが出来るんだ…と大変驚きました。
こちらのサイトは分かりやすく、簿記の勉強の励みになります。
ありがとうございます。
コメントありがとうございます。ぜひ参考にされてください。こちらこそありがとうございます。
お世話になります。とても分かりやすく勉強させて頂いています。シャープの関数電卓を使っております。土木工事でよく使う、基準高測量の計算で、例えば機械高が1500と仮定して、物差しの読みが1.32とか2.02などを引いて、地盤高を求めます。
現在は、機械高1500を計算で求め一旦メモリーし、メモリーから-1.32、-2.02と、一つ一つ呼び出したメモリーから引いて計算していますが、定数減算で、同じ数字(1500)からさまざまな数字(1.32、2.02)を引く計算方法はありますでしょうか?
お忙しいところ恐縮ですが、ご教示頂けると幸いです。宜しくお願い致します。
コメントありがとうございます。返信遅くなって申し訳ありません。
私が知る限り引かれる数を定数にする方法はありませんが、代替策として、引く数と引かれる数を逆にしてプラスマイナスを入れ替える方法を使うのはどうでしょうか。
具体的には「1.32‐1500=」と入力することで-1498.68と求まりますが、このマイナスを無視することで答えとし、続けて「2.02=」と入力することで-1497.98と求まり、このマイナスを無視することで答えとします。
このように使ってみてはどうでしょうか。