日商簿記1級に合格するための過去問題を120%活用する方法

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過去問題を使いこなすことは日商簿記1級に合格するための近道です。ですが、どうやって使いこなせばいいのかはよく分からないのが現実ではないでしょうか。

本日は日商簿記1級の「どの」過去問題集を「どのタイミングで」「どうやって」「どれくらい」解くべきか、過去問題の使い方の全てをお伝えします

そもそも過去問題は解くべきなのか?

簿記を勉強している方の中に、過去問題は解く必要はないと考えている方がいます。そういう方は次のように考えているようです。

「過去に出題された問題がもう一度出題されることはない」

確かに「全く同じ」問題は出題されることはないと思います。ですが、それでも過去問題を解かないという選択肢はありえません。理由は次の2つです。

  • 全く同じ問題は出題されなくても、同じ「ような」問題は出題されることがあるから
  • 試験問題の作成者は必ず過去問題を見ているから

全く同じ問題は出題されなくても、同じ「ような」問題は出題されることがあるから

確かに金額まで完全に同じ問題は出題されないかもしれません。しかし、「同じ内容の取引で金額だけが違う問題」などは普通に出題されます。むしろ「今まで全く見たことがない問題」の方が圧倒的に少ないです。

試験問題の作成者は必ず過去問題を見ているから

検定試験は試験の難易度や試験範囲、分量などを安定させなければなりません。これらが試験の回ごとに大きく変わってしまうと、合格者の能力も回ごとにばらついてしまい、合格者にどのような能力があることをその検定試験が保証しているのか分からなくなってしまうからです。

なので、試験の難易度や試験範囲、分量などを安定させるために試験問題の作成者は必ず過去に問題を見ます。過去の問題を参考に問題を作るので、過去問題に影響されないわけがありません

こういった理由から過去問題は絶対に解くべき問題集だと言えます。

過去問題集はいつ買うのか

過去問題は必ず解く必要があるのですが、ではいつ買うのがいいでしょうか。

過去問題集の最新刊はおおよそ試験日の1ヵ月後に発売されます。ということは6月受験であれば12月下旬、11月受験であれば7月上旬になります(日商簿記1級は2月受験はありません。)。これからお伝えする「過去問題の使い方」を見れば分かるのですが、これでは遅すぎます。もっと早くに手に入れておくべきです。

そこで、最新刊はあきらめて、一つ古いものを購入します。そうすると、6月受験であれば7月上旬、11月受験であれば12月下旬になり、約1年前に手に入れることができます。

このタイミングで手に入れば十分間に合うので、1つ前の刊が発売されたときに買うことが大切です。

過去問題集の使い方

過去問題集はどうやって使うと効果的なのでしょうか。具体的にタイミング別にお伝えします。

過去問題集を使うタイミングは次の3つです。

  • ある単元の学習を完了したとき
  • ある科目の学習が終わったとき
  • 直前期

ある単元の学習を完了したとき

簿記には「現金過不足」「資産除去債務」などの単元があります。ある単元の学習が終わったとき(1回目の問題練習が終わったとき)が過去問題集を使う最初のタイミングです。

このタイミングでは、その単元が出題されている問題を見て「分量」「難易度」「想定される解答時間」などをつかみます。このときのポイントは「8割の得点をとるためにはどれくらいのスピードでどれくらい正答すればいいか」という意識で見ることです(合格点の7割に余裕の1割を加えて8割としています。)。

これをやっておくことで自分が最終的に到達しなければならないレベルと身につけなければならない範囲が何となく分かります(何となくで構いません。)。

ちなみに、この段階で解く必要はありません。見るだけで十分です。

ある科目の学習が終わったとき

日商簿記1級は「商業簿記」「会計学」「工業簿記」「原価計算」の4科目です。このうち商業簿記と会計学は内容的に分ける意味がほとんどありませんので、ここでは「商業簿記・会計学」「工業簿記」「原価計算」の3科目とします。

このそれぞれの科目の学習が終わった時点で過去問を解きます。解くのは学習が終わった科目です。解くペースは次のとおりです。

  • 1回目:それぞれの科目の学習が終わった次の日
  • 2回目:1回目の翌日
  • 3回目:2回目の1週間後
  • 4回目:3回目の2週間後
  • 5回目:4回目の1ヵ月後
  • 6回目:5回目の2ヵ月後
  • 7回目:6回目の6ヶ月後

それぞれの過去問題集の使い方についてお伝えします。

1回目

「ある単元が終わったとき」には見ているだけなので、解くのはこれが最初です。出来具合は気にする必要はありません。

また、時間を超えて解き続けても構いませんが、時間は必ず計ることが大切です。時間を計ることでどれくらいの時間で解答しなければならないのかを体で覚えていきます。

解答が終わったら、答え合わせをして解説を読みます。解説は間違えてしまったところだけで構いません。次は9割以上正解するつもりでしっかりと読んでください。また、必要であれば手を動かして解き直してください

そして、正解できる自信が持てたら、間髪入れずに今度は9割以上得点することを意識してもう一度解きます(得点が9割を超えていた場合はもう一度解く必要はありませんが、たいていの場合はそうではないので、もう一度解くことになります。)。

解き終わったらもう一度答え合わせをします。もし9割に届かなければさきほどの解説の読み込みが浅いか基礎力不足かどちらかです(ほんの数分前まで解答・解説を見ていた問題で9割に届かないというのはそういうことです。)。

もし9割に届かなければもう一度解いてもう一度答え合わせです9割に届くまで何度でも繰り返します(1回目にしっかりと解説を見て手を動かして解き直し、しっかりと身についていれば2回目にはたいてい9割は超えます。)。

2回目

2回目も1回目と同じことを繰り返します。ただ、前日に解いた問題をもう一度解くことになるので、1回目から9割に届くことも多いです(本来はそうあってほしいです)。

1回目から9割に届けば、さっと解説に目を通して終了です。そうでなければ9割に届くまで1回目と同じように何度も解き直します

3回目

3回目も基本的には2回目と同じです。ここでは1回で9割に到達したいところです(もし届かなければ問題を解いた後の復習が足りないか基礎力不足です。)。

1回目から9割に届けば、さっと解説に目を通して終了です。そうでなければ9割に届くまで1回目と同じように何度も解き直します

4回目

4回目も基本的には3回目と同じです。1つ違うのは、ここから時間制限をしっかりと守って解いていきます(「商業簿記・会計学」なら2つ合わせて90分、「工業簿記」「原価計算」ならそれぞれ45分です。)。

そして、その時間内に9割の得点を目指します。ここでも1回で9割に到達したいところです。1回で9割に届いたのであれば解説をさっと見て終了して構いません

逆に時間内に解けなかった場合は、解答を導き出すまでの過程に関してチェックします。「もっと速く解くためにはどうしたらいいか」「無駄な作業はなかったか」「解き方は固まっているか」など、時間短縮につなげるためにはどうしたらいいかという視点で自分の解き方をチェックし、必要であれば手を動かして解いてみます

ちなみに、この段階で正解できていない「1割」のレベルについても意識を向けますこの1割にあたる問題が「捨問」で、本試験では捨てる問題です。「どのレベルの問題を捨てるのか」という水準を体で覚えていくことが大切です(満点が取れる人は「捨問」を意識する必要はありません。)。

5回目以降

5回目以降は4回目までの繰り返しです。ここにきて9割に届かないという場合、基本が身についていないか暗記に頼っている可能性が高いです(もし単純ミス以外で9割に届かない場合は該当する単元を丁寧に勉強しなおすことが必要です。)。

通常の問題と同じように「解いて答え合わせ」を行います。

直前期

直前期とはおおむね本試験の約1ヶ月前です。直前期だからといって特別にやることが変わるわけではありません。「ある科目の学習が終わったとき」の過去問題を解く練習を続けていればいいと思います。

一つ違うのは「前回の過去問」についてです。「過去問はいつ買うのか」でお伝えしたとおり、購入した過去問題集は「前回の問題」が掲載されていません(1つ前の刊を購入しているからです。)。直前期にはこの「前回の問題」を実力試しのつもりで解きます

この「前回の問題」は購入した過去問にはついていないのでどこかで手に入れなければなりません。最新刊も買うというのも一つの手ですが、ほとんどが前回のものと重なるのでもったいないと思われる方も多いかと思います。

そこでお勧めなのが「会計人コース」を買うという方法です。会計人コースに日商簿記1級の最新の過去問題と解答が掲載されます(必ず毎回とはいえないのですが、かなりの確率で掲載されます。)。

6月の日商簿記1級の過去問題が8月上旬に発売される会計人コース(7月号)に、11月の日商簿記1級の過去問題が2月上旬に発売される会計人コース(3月号)に掲載されることが多いです。

会計人コースは約1,500円するので、過去問題集を買うのと値段はそれほど変わりません。しかし、色々とためになる情報も載っているのでお勧めです。

ちなみに解答用紙はTAC出版書籍販売サイトの解答用紙ダウンロードサービスで何度も印刷できるので繰り返し解くときも便利です。

直前期には、こうやって手に入れた最新の過去問を実力試しのつもりで解いてみます。もちろん時間厳守で、できれば開始時間も本番に合わせて解きます

1回目に8割以上解ければ合格はほぼ確実です。これまでやってきたことを継続し、ほぼ確実に合格できるでしょう。本番までの1ヶ月に逆転されないように努力を続けましょう。

6割以上8割未満だった場合、このままでは合格は半々といったところです。しっかりと復習を行い、自分が弱い部分をしっかりと確認して本番に備えましょう。ここからの追い込みが勝負を分けます。

6割未満だった場合、何か致命的な弱点があるか、これまでの勉強が不十分だった可能性があります。致命的な弱点を見つけ出してなくし、勉強をしっかりと行うことが必要です。まだ本番まで1ヶ月あるので挽回は十分可能です。

直前期はこうやって過去問を使います。ちなみに、最新の過去問題集も2回目以降は「ある科目の学習が終わったとき」と同様に行います

どの過去問題集を買うべきか

これまで過去問題集の使い方を具体的にお伝えしてきました。最後に「どの過去問題集を買うべきか」についてお伝えします。

日商簿記1級の過去問題集は代表的なものは次の3つです(TACから「出題パターンでマスター過去問題集」というものも出版されていたのですが、最近は版が新しいものが出版されていないので除いています。)。

  • 合格するための過去問題集 日商簿記1級(TAC簿記検定講座)
  • 日商簿記1級過去問題集 出題パターンと解き方(ネットスクール)
  • 日商簿記1級過去問題集(大原簿記学校)

また、これまでの「過去問の使い方」にしたがって過去問を使う場合に必要な条件は次の3つです。

  1. 最低10回分が掲載されていること
  2. 解説が自分にとって分かりやすいこと
  3. 会計基準が古いときの過去問が最新の会計基準に訂正されていること

先ほどの3つは全て1と3を満たしています。2は個人差が大きいので、本屋で立ち読みしてみて自分に合ったものを選べばいいと思います。価格はほとんど同じです。

個人的には「収録回の多いネットスクール」「解説が詳しいTAC」「解説がシンプルな大原」といった印象を持っていますが、自分の感覚を大事にしてください。

まとめ

日商簿記1級の過去問題集は一つ古いものを買います。そして、「ある単元の学習を完了したとき」に本試験の範囲やレベルを確認するために見ます。そして「ある科目の学習が終わったとき」に本格的に解きます(7回繰り返します。)。直前期には本番のつもりで前回の過去問を解きます。

これだけ過去問題集を120%使いこなせば合格は目前です。簿記の勉強応援しています。

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