これから簿記の勉強を始めようとする段階では、どうやったら簿記を効率よく身につけることができるか右も左も分からないことでしょう。簿記は学生時代に勉強してきた科目とは全く異なる性質があるので、勉強スタイルも今までと同じというわけにはいかないかもしれません。
ちなみに、この記事を書いている私は日商簿記に合格するための通信講座を2012年から運営し、これまでに数百人の合格者を送り出させていただいています。もちろん私自身も簿記1級に合格しています。
こういった私がこれから簿記を勉強する人が効率よく簿記を身につけていくための勉強スタイルの確立の仕方について解説していきます。
簿記の勉強を始める前に自分に合った勉強スタイルを確立する
簿記の勉強を始めるうえで、最初にすべきことがあります。それが「自分に合った簿記の勉強スタイルを確立すること」です。
簿記をこれから勉強しようとしている人の中には、合格体験記などを読んで、簿記1級に合格できた人の勉強法をマネしようとする人もいるでしょう。
その考え方は絶対に間違っているというわけではありません。しかし、他の誰かに合った勉強法が自分にも合うとは限りません。生活環境などの違いによってマネできないこともあります。全てをマネするというわけにはいきません。
まずは自分に合った勉強スタイルをいろいろと試しながら探して、確立していくことが大切です。
「どのように」理解するかにこだわること
簿記の勉強の流れをシンプルに考えると以下のようになります。
- 考え方を理解する
- 練習して使いこなす(少量の暗記含む)
ということは、簿記の勉強方法というものは以下の2点にこだわることになります。
- どのように考え方を理解するか
- どのように練習して使いこなせるようになるか
この「どのように」の部分にこだわって、自分に合った形で確立することが大切です。2の「練習」については方法論はほとんど確立しています。個人差はほとんどありません。
≫練習については覚えずに自然と身につけるメカニズムを理解するで詳しくお伝えしています。
なので、「どのように」にこだわるのは1の理解についてということになります。
理解する方法
理解するための流れは次のようになります。
- テキストを「読む」
- 自分なりの言葉や図表で「書く」
- 自分で自分に「話す」
- 具体的な疑問を「尋ねる」
1.テキストを「読む」
理解するためには、まずテキストを読みます。そして、読みながら要点をまとめたり、疑問点を書きこんだり、重要だと思うところに線を引いたりしながら理解していきます。これで完璧に理解できれば、それが一番効率がいい勉強法となります。
≫テキストの使い方については効果的なテキストの使い方で詳しくお伝えしています。
2.自分なりの言葉や図表で「書く」
読んだだけでは理解できなかったものについては自分の言葉でまとめなおしたり、自分なりの表やグラフを書いたりして理解していきます。理解に重点を置いてまとめていきます。
3.自分で自分に「話す」
書いてもまだ理解できなかったものについては話します。自分との対話を行うのです。
まずは自分で自分に説明します。すると、分かっていなかった場合、説明されている自分が疑問点を持ちます。そして、自分が自分に質問するのです。そしてその質問に自分で答えます。これを繰り返すことで理解が深まっていきます。
4.具体的な疑問を「尋ねる」
話しても自分では理解できないこと、解決できないことが残る場合もあります。しかし、この段階まできちんと考えていれば、どこが理解できないのかが具体的になっているはずです。
その具体的な疑問を質問して解決します。質問が具体的であればあるほど回答も具体的になるため、質問した相手がきちんと理解していれば、疑問もきちんと解決されるでしょう。
理解する方法の細部を自分に合った方法にアレンジする
理解するためのおおまかな流れはこのようになります。あとは、細部を自分に合った方法でアレンジすることが大切です。
- 「どのように線を引くのか」
- 「どのようにまとめるのか」
- 「どのように自分との対話を行うのか」
これらは色々と試しながら自分に合った方法を見つけてください。人によっては全く意味の無い手順もあるかもしれません。意味がないと思ったら、その手順はカットしても構いません。自分が理解しやすい方法にアレンジしていってください。
まとめ
- 理解の仕方は人それぞれ。自分なりの理解の仕方を身につける。
- 問題を解く回数やその練習間隔に個人差はほとんどない。
コメント
ありがとうございます
すごく役に立ち、参考になります。
自分に合った勉強方法で「理解する」ことは重要なキーワードです。
私は今、サブノートを作り、テキストを何回も読んで自分なりの言葉でノートに書き、色つきボールペンやマーカーを使いながらやっています。
○や四角で囲って矢印を引いてって感じです。
勉強が先に進み、問題に入った時にもノートを見てわかるように・・を意識しています。
時間はやはりかかりますね
でも、理解するための自分に合った勉強法で理解することは一番の近道なんじゃないかな?と思っています。
今はサブノート
次はまとめノート
最後は間違いノート(試験に持って行きます)
苦手なところを絞り込んでノートも変えていたのが2級の2回目(1回目は不合)の勉強法でしたが、時間はかかりましたが基礎固めを十分にやったおかげで問題解きも進みました。
理解するのは1度じゃ無理な論点も沢山ありますが繰り返して絞り込んでいくことで理解していく→が私の勉強法(笑)
2級の勉強のサブノート、まとめノートは1級の勉強でも見直しで活躍してくれています。
3級の勉強も2級の勉強も独学だと挫けることもありますが、リョウさんの記事を読んでいると3級、2級を勉強されている方には頑張って欲しいし、私自身もがんばろう!って思います。
いつもありがとうございます!
コメントありがとうございます。
みんとさんのおっしゃるとおり、自分に合った勉強方法で理解することは本当に重要です。
理解の仕方は十人十色だということは講師としての経験上、知っています。
勉強ができる人のまねをしても、自分に合っていなければ遠回りになってしまうことも多いです。
ただ、理解の仕方は十人十色なのですが、「理解せずに丸暗記」という勉強方法が合っている人はいないと思っています。
自分に合った勉強方法をみつけることそのものが、もっとも重要な勉強なのかもしれませんね。
いつもコメントありがとうございます。
最近は今までとは違う勉強スタイルを模索しています。
自分の苦手論点を中心にリョウさんの勉強方法を取り入れながら自分自身の「ボキノート」を完成させていこうと思います。
総合問題レベルを解ける応用力を身に付けるにはいかに最小限の範囲の学習に重点を置き確実に理解することが大切なのですね!!
未消化論点、忘却論点、改正論点と本当に課題は山積みですが焦らずに勉強していこうと思います。
コメントありがとうございます。
ma-kun☆さんのおっしゃるとおり、最小限の範囲(基本)の学習に重点を置いて確実に理解することが大切です。
基本を大切にする姿勢が身についた時点で半分くらいは試験に合格していると言ってもいいくらいです。
簿記1級は試験範囲が膨大なので、あれもこれもとなってしまいがちですが、基本から1つ1つ身につけていく方が近道だと思います。
勉強がんばってください。応援しています。