簿記検定で実力を出し切るための本試験当日の過ごし方
- 投稿日:2015年12月30日 |
- 最終更新日:2016年9月21日 |
- カテゴリ:簿記3級
こんにちは、簿記合格請負人の平野です。簿記1級を目指している人は簿記3級は1時間で満点とることを目標に頑張ってきています。
このような人にとって簿記3級の試験は合格間違いなしでしょう。実力の半分も出せなくても問題なく合格できる状態だと思います。ですが、簿記1級の本試験のことを考えると、それでもベストを尽くそうとすることが大切です。
この記事では実力を出し切るための本試験当日の過ごし方についてお伝えします。
本試験当日での注意点
本試験当日の注意点を次の3つに分けてお伝えします。
- 起床から試験会場までを過ごすときの3つの注意点
- 試験会場到着から試験開始までの5つの注意点
- 本試験開始から試験終了までの注意点
起床から試験会場までを過ごすときの3つの注意点
起床から試験会場までの過ごすときの注意点は以下のとおりです。
- 朝食でしっかりと炭水化物をとる
- 試験開始時刻の1時間前に到着するつもりで家を出る
- 教室に入室できる時間までは外でミスノートを見る
朝食でしっかりと炭水化物をとる
朝食でしっかりと炭水化物をとらなければ頭が働きません。しっかりと炭水化物をとってから試験に臨みましょう。
試験開始時刻の1時間前に到着するつもりで家を出る
試験会場までの交通機関では何が起こるかわかりません。バスなどは遅れて当たり前です。特に行ったことがない場所で試験が行われるときには特に余裕を持っておく方がいいです(理想は下見に行っておくことです)。
下見に行けない場合であまり知らない場所で試験が行われる場合は試験開始時刻の1時間前に到着するつもりで家を出ることをオススメします。
教室に入室できる時間までは外でミスノートを見る
試験開始時刻の1時間前に到着した場合、すぐに試験会場に入れるとは限りません。試験会場には30分前くらいから入れることが多いと思います。
教室に入室できる時間までは外でミスノートを見るようにしましょう。このとき、ただ見るのではなく具体的に解くところをイメージしながら見ることが大切です。これでミスを最小限に抑えることができます。
試験会場到着から試験開始までの5つの注意点
試験会場到着から試験開始までは以下のとおりです。
- トイレを早めにすませる
- 受験票を机の上に置く
- 問題や電卓などのものをどのように机に置くかをイメージする
- 時間までミスノートを読む
- 試験についての注意事項の説明を聞く
- 不正行為だと誤解されそうな行動の排除
トイレを早めにすませる
トイレが大混雑することがよくあります。特に女子トイレはいつも並んでいる印象があります。トイレは早めに済ませましょう。
受験票を机の上に置く
受験票は試験中に確認されます。試験監督の方の指示もあるので忘れることもないと思います。もし、家に忘れてしまったときはすぐに試験監督の方に相談してください。
問題や電卓などのものをどのように机に置くかをイメージする
試験会場が大学だったりする場合、それほど机は大きくないことがほとんどです。限られたスペースをうまく使わなければなりません。試験が始まる前にある程度イメージできるので、やっておきましょう。
時間までミスノートを読む
試験会場でテキストをじっくりと読んでいる受験生はかなり多いです。今やったことの中から出題されるかもしれないとの思いからだと思います。しかし、試験直前にテキストを読む意味はほとんどありません。
直前に行うべきことは、今までに作ってきたミスノートをじっくりと見ることと、そうやって学習してきた内容を思い出しているときに疑問点が浮かんだ場合にその疑問点を解消することです。
試験会場に入る前と同様に、ただ見るのではなく具体的に解くところをイメージしながら見ることが大切です。
普段の学習でミスノートを作っていれば、よくするミスがノートに書かれているはずです。そのミスが起こりそうな問題を思い浮かべ、実際に自分がミスなく解いている姿を想像します。また、その過程で知識の曖昧な部分に気づいたら、その点をテキストで確認します。
これだけで十分です。きちんと準備ができていれば本試験までなくすことができなかったミスは限られているはずですし、少しの時間で確認できます。 もし試験本番までにミスする論点をなくせた場合には何もしなくていいでしょう。目を閉じて瞑想でもしていればいいのではないでしょうか。
試験直前にやることがなくなるまで普段から準備をしていれば、試験直前には何をやっても合格できます。試験会場でテキストを熟読している受験生を見つけたら、「準備不足だなぁ…」とだけ思っておいてください。
試験についての注意事項の説明を聞く
試験監督の方が注意事項を説明するので、しっかりと聞きましょう。落ち着いて受験番号などを記入して試験開始に備えます。
不正行為だと誤解されそうな行動の排除
2010年くらいから不正行為に対してかなり厳格になってきています。カンニングペーパーの持ち込みなどは昔から絶対にダメですが、最近は「これくらいいいだろう」というものもダメになっています。
具体的には次のような行為です。
- ペットボトルを机に置いておくこと
- 受験票に目盛りを書いて定規として使用すること
- 蛍光ペンや赤ボールペンで問題用紙に書き込みをすること
このような行為をやってしまって不正行為だと言われるのは悔しいだけです。でもルールはルールなので守らなければいけません。なので、このような行為だと誤解されないよう準備しておくことが大切です。
具体的には「ペットボトルは片付ける」「受験表に何か書いてあれば消す」「蛍光ペンや赤ボールペンは片付け る」などです。
ちなみに持ち込んでもいいものは商工会議所で公表されているので確認しておいてください(リンク先は簿記3級ですが、簿記2級や簿記1級でも同様です)。
本試験直前2分前にすべきこと
簿記検定試験が始まる2分前にすべきことは、当然「試験の準備」です。トイレに行きたいのであればトイレに行っておくべきですが、これは2分前では遅すぎます。もっと余裕をもって行っておくべきでしょう。
試験2分前という時間は、試験監督の方もすでに来ていますし、机も片付け、問題と解答用紙が配られている時間です。
ここですべきことは「呼吸の管理」です。
特にスポーツにおいてですが、ミスが多発するときというのは、たいていにおいて呼吸が乱れています。やはり呼吸と言うものは肉体に大きな影響を与えるので、呼吸が乱されるとミスも増えてしまうのです。
逆に言えば、呼吸を整えることでミスを減らせるともいえます。呼吸を整えるときに効果的なのが「腹式呼吸」です。
腹式呼吸はお腹を膨らませるように呼吸を行うものなのですが、「6秒かけて吸い、12秒かけて吐く」というかなり緩やかなペースで行います。これを2分間行うことで精神が落ち着き、ミスを減らし、実力も発揮できると言われています。
試験2分前にやるべきことは「実力を発揮できるようにすること」です。「実力をつけること」ではありません(それはもっと早くにやっておくべきです。)。
本試験開始から試験終了までの注意点
本試験で大切なことは「冷静さ」「ミスをしないこと」「解答上のルールを守ること」「印象のいい答案を作ること」の3つが大切です。
冷静さ
冷静に解答するためには、次の4つが大切です。
- 最初の1分を落ち着いて解くこと(問題全体を見て作戦を立てる)
- 時間配分を守る
- 難しいと思ったら飛ばす
- どんなに難しい問題が出てもあきらめない(取れるところだけしっかりと取りに行く)
ミスをしないこと
ミスをしないためには、次の3つが大切です。
- いつもと同じ解き方で解く
- 問題をしっかりと読む
- できそうな問題ほど落ち着いて解く
- 解答用紙もしっかりと見る(解答用紙に重要な情報が書いてある問題があります)
解答上の注意を守ること
解答用紙に解答を記入するときには、問題文にある「解答上の注意」に従うことが大前提です。これはもちろん読まなければなりませんが、ここに書かれていないことでも一般的に守らなければならないこともあります。
よくあるルール違反に次のようなものがあります。
- 単位(円など)を書いてしまう
- 3桁ごとにカンマ(,)を打ち忘れてしまう
- 解答用紙に余計なことを書いてしまう
- 勘定科目を2行に分けて書いてしまう
単位(円など)を書いてしまう
日商簿記検定では単位の記入は特に必要ありません。単位が必要な場合は、その単位が解答用紙に通常は書き込まれています。
単位が書き込まれていなくても、金額だけ書いても正解です。「¥」「円」といった記入は必要ありません(問題文に指示がある場合は指示に従ってください)。
3桁ごとにカンマ(,)を打ち忘れてしまう
簿記では金額や個数を書くときには原則として3桁ごとにカンマ(,)を打ちます。このカンマはなくても一応正解です。しかし書かない理由がまったくありません。実務ではほぼ確実に書くものなので、書かなければならないものだと思って書く習慣をつけてください。
ちなみに、もし問題文に3桁ごとにカンマを打つべき指示があった場合は不正解になります。もしこの指示を見落とせば、ほぼ0点になってしまいます。このようなこともないとは言い切れないので、しっかりとカンマを書いてください。
解答用紙に余計なことを書いてしまう
解答用紙に解答以外のことを書いてはいけません。解答欄以外の余白や番号などにもです。これは簿記だけのルールではなくテスト全体のルールなのですが、絶対にやらないようにしましょう。
解答欄に書き込んだものは全て採点されるので、余計なものを書いた場合は不正解となります。これはみなさん分かっていると思います。
気をつけなければいけないのは解答欄「以外」の余白です。解答欄以外の余白は採点対象ではないので、無視されるだけだと思われていることが多いのですが、実際はそうではありません。
「受験生と採点者の間で秘密の暗号をやりとりして採点で便宜を図る」といった不正が行われないようにするために解答欄以外には何も書かないという ルールがあるのです。
なので無視されるだけではすまない場合があります。最悪の場合は不正行為として一発不合格になることもありえます。
「解答用紙に解答以外のことを記述する」よくあるパターン
「解答用紙に解答以外のことを記述してしまうパターンは本物の不正行為を除けばおおむね次の2つです。
- 記述問題や長い勘定科目の問題で解答欄からはみ出してしまう
- 自信が持てない問題を優先的に見直すためにしるしをつけておく
対策は次の通りです。
記述問題や長い勘定科目の問題で解答欄からはみ出してしまう
解答欄からはみ出した部分は採点対象になりません。なので解答欄からはみ出す形で書くことで点数が上がることはありません。解答欄に入りきらないと思えた時点で字を小さくして書き直す必要があります。
自信が持てない問題を優先的に見直すためにしるしをつけておいたままにしてしまう
問題にしるしをつけたい場合は必ず「問題用紙」の方につけるようにしましょう。解答用紙に書いても提出する前に消せばいいと思われる方も多いのですが、時間ギリギリまで問題を解くことになった場合、消し忘れる可能性が高いです。
そういった危険は避けるにこしたことはないので、必ず「問題用紙」の方につける習慣をつけてください。
勘定科目を2行に分けて書いてしまう
「車両運搬具減価償却累計額」「その他有価証券評価差額金」など、非常に長い勘定科目の場合、字を大きめに書くと解答用紙に1行で入りきらないこと があります。
そのとき、2行に分けて書いてもいいのかというご質問がよくあるのですが、結論から言うと「やめておいたほうがいい」といえます。
「仕訳が2行になっているように見えるから」です。たとえば、次のように書いたとします。
車両運搬具 ×××/車両運搬具 ×××
減価償却累計額
これは、「車両運搬具減価償却累計額」という1つの勘定科目なのですが、「車両運搬具」と「減価償却累計額」の2段の仕訳で、「減価償却累計額」の金額を書き忘れているように見えなくもありません。
このような誤解を与えないように、勘定科目を2行に分けて書くことは実務では通常はありません(ウェブサイトのように横幅と文字サイズに制限がある場合に、仕方なく2段にすることもありますが、それは例外だとお考え下さい)。
なので、簿記検定でも勘定科目を2段に分けて書くことは避けた方が無難です。
印象のいい答案を作ること
印象のいい答案を作るためには、次の5つが大切です。
- 数字や勘定科目などをていねいに書く
- 数字は3桁ごとにカンマ(,)で区切る
- 数字や勘定科目は大きく、濃く書く
- 解答欄からはみ出さないように書く
- 消しゴムで消す場合は確実に見えなくなるように消す
これらのことをしっかりとシミュレーションして本番に臨みましょう。
まとめ
- 起床したら朝食でしっかりと炭水化物をとり、試験開始時刻の1時間前に到着するつもりで家を出て、教室に入室できる時間までは外でミスノートを見る。
- 試験会場に着いたらトイレを早めにすませ、受験票の準備をし、問題用紙や電卓等の配置をイメージする。
- 時間まではミスノートを読み、試験監督の説明が始まったら注意事項を聞き、不正行為だと誤解されそうな行動は慎む。
- 試験直前の2分間は6秒吸って12秒吐く腹式呼吸を行う。
- 試験中は「冷静さ」「ミスをしないこと」「解答上のルールを守ること」「印象のいい答案を作ること」を意識して答案を作る。
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本試験
緊張します。
まず、解答用紙が配られ、解答用紙を見れば出題問題も何となく分かってしまい苦手論点・・・
私は自己暗示をかけました。
「あれだけ勉強したのだから大丈夫、大丈夫」って(笑)
1級の本試験は更に緊張するんだろうなと想像がつく今です。
私、計算用紙が殴り書きで書いてしまうので今の過去問演習で、昨日やった過去問は集計ミスに繋がっています。
課題です(笑)
こんな悔しいことはないですからね。
意識してやらなきゃです。
いつも気づかせてくれてありがとうございます!
コメントありがとうございます。
本試験は緊張しますよね。たぶん誰でもすると思います。
しかし、緊張はある程度はした方がいいと思っています。全く緊張していないときの方が経験上ミスが多いような気がします。
緊張しすぎて手が震えたり、行きたくもないトイレに行きたくなったりする場合には対策が必要ですが、ある程度の緊張は結果を出すためには必要だと思います。
練習をするときには、本試験と同じやり方ですることをおすすめします。計算用紙の使い方も自分なりに固めておくことが大切です。普段出来ないことは試験本番でもできないものです。
簿記の勉強がんばってください。応援しています。