簿記の勉強量を最大限高めるための効果的な問題集の使い方

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こんにちは、簿記合格請負人の平野です。この記事では効果的な問題集の使い方についてお伝えします。

効果的な簿記の問題集の使い方

問題集を効果的に使っていくときに気をつけるべきポイントは次の10個です。

  • 問題集は1冊(1シリーズ)だけにする
  • 問題集は回さない
  • 翌日の復習は絶対に行う
  • 問題を解くときは必ず時間を計る
  • 問題は自分の頭で解く
  • 問題を解くときにはきちんと課題を持つ
  • 問題を解いていて手が5分止まったら、解答を見る
  • 問題を解いていて間違えてしまったら必ず原因をつかみ、その場で解きなおす
  • 書き込みは解答・解説部分にする
  • やった日付と出来具合を記入しておく

問題集は1冊(1シリーズ)だけにする

これは正確には使い方ではないのですが、簿記を学習するときに問題集は1冊(1シリーズ)だけにすることが大切です。きちんとしたものであれば1冊(1シリーズ)で合格できるようになっています。なので、1冊(1シリーズ)を完璧に身につけることが大切なのです。

1冊(1シリーズ)をボロボロになるまで使い込めば、合格するだけの実力は確実につきます

簿記の問題集を回さない

「問題集を回す」とは、「問題集の最初から最後まで解き、解き終わったらまた最初から解くという方法で問題集を繰り返す」ということです。

これを「問題を回す」といったり「問題集を回す」といったりします。「○○問題集を3回回した」「○○問題集、今4周目」などと表現することが多いです。

簿記は問題を繰り返し解かなければ実力がつかないので、問題を繰り返すことそのものは重要です。問題集を回してはいけない理由は繰り返すことそのものがいけないわけではなく、繰り返し方に問題があるということです。

問題集を回してはいけない理由は次の3つです。

  • 1回目と2回目の間隔が長すぎる
  • 人間の記憶のメカニズムに反している
  • 問題を解く間隔が問題集の厚さに関係している

1回目と2回目の間隔が長すぎる

普通の厚さの問題集を回した場合、1回目に問題を解いてから2回目に問題を解くまでの期間は早くても1ヶ月程度はかかります。正直、これでは長すぎます。

ある問題を1回解いて、次に解くのが1ヶ月後だった場合、2回目に解く頃には1回目の記憶が完全になくなっています。これだと繰り返しの効果は薄いです。2回目の解きなおしは、翌日がベストです。

人間の記憶のメカニズムに反している

人間の記憶というものは「覚えていないものはすぐに忘れる」「一度完全に覚えたものはなかなか忘れない」という性質があります。なので、まだ完全に身に付いていない問題はすぐに忘れてしまう反面、一度身についてしまえば、間隔を空けてもなかなか忘れません。

この性質から考えると、復習する間隔は回数を重ねるごとに徐々に長くしていくのが人間の記憶のメカニズムに合った方法といえます。

しかし、問題集を回した場合、問題を解くスピードは速くなるのが普通なので、回数を重ねるごとに間隔が短くなっていきます。人間の記憶のメカニズムに反しているのです。

問題を解く間隔が問題集の厚さに関係している

問題集を回した場合、たとえ同じ問題であっても、問題集が厚くなればなるほど復習間隔が空き、問題集が薄くなればなるほど復習間隔が短くなります。

これは全く論理的ではありません。問題集の厚さと復習の間隔は無関係だからです。

繰り返して問題を解くベストな方法

同じ回数問題を解いたとしても、問題集を回した場合の効率は悪いです。繰り返して問題を解くことは非常に重要なのは事実なので、どうせ繰り返すのであれば、もっと効率的に繰り返しましょう。

次の復習の間隔を徹底してください。特に1と2は絶対に守ってください。特に1の翌日の復習がもしできなかった場合は1回目からやり直す意識が大切です。

  1. その翌日
  2. その1週間後
  3. その2週間後
  4. その1ヵ月後
  5. その2ヵ月後
  6. その半年後

次の3つの観点から考えるとこの間隔がベストです(この間隔を把握するために問題を解いた日付を書き残しておくことが大切です)。

  • 復習する間隔は回数を重ねるごとに徐々に長くしていく
  • 適切な復習回数
  • 次にいつ復習すべきかカレンダーを見てすぐに分かる

≫この復習間隔については詳しくは覚えずに身につけるための脳のメカニズムとそれを利用した勉強法を理解するをご覧下さい。

問題集を回すのではなく、ぜひこの復習間隔を勉強に取り入れてください。

翌日の復習は絶対に行う

先ほどお伝えした内容と完全に重複しますが、あまりにも重要なのでもう一度繰り返します。翌日の復習では前日に解いた問題をもう一度解いて下さい。

まず、非常に誤解されやすいところなのですが、復習の目的は「忘れたことを思い出すこと」ではありません。もちろん、忘れてしまったことは覚えなおさなければいけませんが、それが目的ではないのです。

復習の目的は「きちんと覚えているものを忘れにくくすること」です。忘れにくくするためには思い出す必要があります。きちんと覚えていることを思い出すことで忘れにくくするのが復習の目的なのです。

これは非常に大きな違いです。「忘れてしまったことを思い出すためにやる」という意識だとどうしても「すぐに理解できたところ」「一発で完全に正解できたところ」は復習は必要ないと考えてしまいがちになるからです。

また、復習は重要な論点、基本的な論点ほど厚くやらなければなりません

ほとんど忘れていない翌日に復習することが重要です。忘れてしまってからの復習では効果が低くなってしまいます。

翌日に復習することによる2つの効果

翌日に復習することで次の2つの効果があります。

  • きちんと理解して覚えていることを忘れにくくする
  • 理解していないことを自覚し、再度きちんと理解する

逆に言えば、翌日の復習をしなければ次のようになってしまうということです。

  • きちんと理解したことも忘れてしまう
  • 理解していないことを自覚できない

翌日に復習しないのであれば勉強していないのと同じだと考えるくらい翌日の復習を重視してください。

問題を解くときは必ず時間を計る

問題を解くときは必ずこの解答時間を計って解いてください。その際には「キッチン・タイマー」などを利用して、時間が来たら音が鳴るようにしておくことが大切です。これには2つの意味があります。

  • 集中力を高める
  • 時間感覚を身につける

集中力を高める

時間を計ることで、その時間内に解こうとするので集中力が高まります。集中力が高まることで効率のよい勉強ができます。

時間感覚を身につける

試験本番では制限時間があるので、最終的には時間に対する意識が必ず必要になります。その時間に対する意識は普段から意識しておくことで身につきます。

目標時間が来たからといって解くのをやめる必要はありません。最後まで解き終えて構いません。

ですが、目標時間を大幅に超えてしか解答できない場合は、試験本番までにはスピードを上げる必要があります(最初の段階では間に合わないことが普通なので気にしなくても構いません。)。

こういった意識を持つことで、時間感覚を身につけていくことができます。時間を意識することで計算が雑になってはいけませんが、どの程度の時間で解答しなければならないかを意識するのは大切です。

かかった時間は問題集にメモしておきましょう。次回解く時にはその時間よりも早く解くことを目標にすることで成長を感じることができます。ただし、暗記でスピードを上げるのは全く意味がないのでやってはいけません。

問題は自分の頭で解く

問題の解説を読んで、その解説の流れの通りに解法をなぞるような勉強をされている方がいます。解説の流れのままに電卓に入力して、そのまま解答まで求めているということです。

このような勉強には、実は全く意味がありません。解説の解法はあくまでも一例で、解き方は人それぞれです。解説の解法は参考程度に見るべきです。

問題についている解説は「自分が分かっていないところを見つける」ために使うのが正しい使い方です。なので、正解できた場合には解説を読む必要は特にありません

問題が解けなかったり答えを間違えたりした場合には解説を見ますが、どこで間違えたのか、どこが解けなかったのかをまず探し、見つかったらその部分のテキストに戻りましょう。そして理解しなおしてもう一度挑戦しましょう。それで十分です。

解説の途中式を電卓に入れて答えを確認するといった、解説の解法をなぞるような作業は全く無意味です。

問題を解くときにはきちんと目的を持つ

問題はきちんと解けることが大事ですが、問題が解ければそれでいいというわけではありません(この内容は総合問題ではなく仕訳問題を想定しています)。

問題を解くときには、それぞれ「問題を解く目的」というものが存在します。そして、その「問題を解く目的」は「その問題を解くのは何回目なのか」によって変わってきます。そのときそのときの「問題を解く目的」を意識し、課題を持って問題を解くことが大切です。

≫問題を解く目的については問題を解く目的を意識するで詳しくお伝えしています。

問題を解いていて手が5分止まったら、解答を見る

問題を解いていて、難しい問題だった場合、手が止まることがあると思います。そういった場合は5分考えて分からなかったら解答を見るようにしてください。

よく考えることはとても大切です。ですが、「解けなくても答えは見ず、長時間じっくり考える」というのでは効率が悪すぎます。

手が止まるということは知っていなければならない何か、理解していなければならない何かが身についていないことを意味しています。それがないまま考え続けても答えは出ません。

もし解けなければ「身につけていなければならない何か」を解説で確認し、それでもよく分からなければテキストに戻ることが重要です。

なので5分間はひたすら考えますが、5分考えても手が動かないときは解答を見て自分が身につけるべきことを確認して、身につけてからもう一度解きましょう。効率的です。

ちなみに、これは個別問題についての話です。総合問題の中の一つの仕訳が分からないからといってそこで答えを見るのはお勧めできません。

一つの仕訳が分からなくても何とか他の部分は解答し、1点でも多く点数を取る練習をすべきです。その後でできなかった仕訳を確認し、次はできるようにしていきます。

実際の試験でも級が進めば1つや2つの仕訳が切れないことは十分に考えられます。そのような中でも何とか合格点を取りに行く力は必ず必要になってきます。その力をつけるためには総合問題を何とか最後までやりきる練習は必要です。

問題を解いていて間違えてしまったら必ず原因をつかみ、その場で解きなおす

問題を解いたときに間違えてしまうことがあると思います。これは誰にでもあることなので、間違えること自体には全く問題はありません。間違えてしまったときにはその後の対処が大切です。

「初めて解いた問題を間違ってしまった場合」「2回目以降に解いた問題を間違ってしまった場合」「よく理解できていないけれど正解できた場合」に分けて、次の流れで対処することが大切です(間違えてしまったことを気にする必要はありません)。

初めて解いた問題を間違ってしまった場合

初めて解いた問題を間違ってしまった場合は次のことを行います。

  1. 解説を読んで原因をつかむ
  2. 原因別に対処を行う
  3. どんなに些細なミスでも最初から最後まで解きなおす
1.解説を読んで原因をつかむ

間違えた理由をつかまず、ただ間違えた問題に×をつけるだけでは、同じ問題を同じようにまた間違えてしまいます。全く同じ問題を全く同じように間違えてしまうのであれば、違う問題が解けるはずがありません。

なので、初めて解いた問題を間違ってしまった場合にまずやるべきことは「間違ってしまった原因をつかむこと」が大切です。そのために解説を読みます。解説を読んでいくと間違ってしまった原因が分かると思います。

逆に言えば、問題を間違えなかった場合は解説を読む必要はありません。問題の解説というのは、きちんと解く力がある人にとっては当たり前のことしか書いていないからです。解説を読まずに次の問題に入ってもいいくらいです。

2.原因別に対処を行う

原因をつかんだらその対処を行います。

  • 理解が足りないのであれはテキストに戻ってもう一度理解する
  • ミスであればミスの対策をする

他にも原因は考えられます。体調が悪いというのであれば休むといった対処も考えられるでしょう。原因にあわせた対処を行い、正しく対処できた場合、次は正解できます。

3.どんなに些細なミスでも最初から最後まで解きなおす

間違えてしまった原因をつかむところまでは多くの方がやっていると思うのですが、この「最初から最後まで解きなおす」という作業はやっていない方が多いのはもったいないことです。

問題は「最初から最後までしっかりと解く」という作業が大切です。一部分だけ確認したり、そこだけ解きなおしたり、頭の中だけで確認したりといった答え合わせを行なっていると、試験直前の時期にミスの多さに悩むことになります。

どんなに些細なミスでも、間違えたのであれば最初から最後まで自分の力だけで解ききることをやることが大切です。

もちろん、この解き直しで間違えてしまったのであれば、同じことをまた繰り返します。完全にできるまで何度でも繰り返します。これをやるかやらないかで最終的には大きな差になります。

2回目以降に解いた問題を間違ってしまった場合

2回目以降に解いた問題を間違ってしまった場合は少々深刻です。1回目に行った対策がうまくいっていない可能性が高いからです(1回目とは違った間違え方をした場合はこの限りではありません)。

2回目以降に解いた間違ってしまった場合は次のことを行います。

  1. 前回解いたときに行った対策が適切だったかどうかを確認する
  2. 適切だった場合、1回目に間違ったときと同じ手順を踏む
  3. 適切ではなかった場合、抜本的に勉強の仕方を考える
1.前回に解いたときに行った対策が適切だったかどうかを確認する

まずは前回解いたときに行った対策が適切だったかどうかを確認します。1回目と同じ間違いをした場合は、対策が不適切だった可能性が高いです。

2.適切だった場合、1回目に間違ったときと同じ手順を踏む

適切だと判断した場合、前回間違ったときと同じ手順を踏むことになります。具体的な方法は先ほどお伝えしたとおりです。

3.適切ではなかった場合、抜本的に勉強の仕方を考える

適切ではなかったと判断した場合、抜本的に勉強の仕方を考えなければなりません。次のようなことがないかチェックしてみてください。

  • ミスの原因をつかんだあと、テキストを読むだけで解き直していない
  • 暗記に頼って1回目に問題を解いた
ミスの原因をつかんだあと、テキストを読むだけで解き直していない

これは結構やりがちです。間違ってしまったところを確認してテキストを読むところまではいいのですが、それで終了してしまっているパターンです。

間違ってしまった場合は、テキストを読んだ後に全く同じ問題をもう一度解かなければいけません。そうしなければ本当に分かったのか分からないからです。

そして、もしまた間違ってしまった場合、それは分かったつもりになっていたことを意味します(分かっているのに全く同じ問題を解いて間違えるはずがないからです)。

間違った問題は答えが合うまでその日のうちに何度も解くことが大切です。答えが合って初めて問題練習が終了します。

暗記に頼って前回の問題を解いた

これもありがちなパターンです。前回の問題練習はテキストを見た直後に行っているので、丸暗記した記憶が残ったまま問題演習をすることになります。だから解けます。

しかし次回に解くのは早くても翌日です。翌日にもなると丸暗記したところの大部分を忘れている可能性があります。だから解けません。

復習の間隔は回が進むにつれて広げていきますが、暗記に頼っていると復習の間隔が広がったときに忘れてしまいます。復習の間隔が広がることで間違ってしまう場合は暗記に頼っていると考えられます。

このような勉強の仕方をしている場合には抜本的に考え方を変える必要があります。正しく理解して正しく練習していけば1回は間違えても次は正解できます。

よく理解できていないけれど正解できた場合

簿記では通常は起こらないのですが、それでも「よく理解できていないけれど正解できた」ということがありえます。このような正解は次も正解できるとは限らないため、不安に思うこともあると思います。

しかし、選択問題(簿記では通常はありません)ならともかく、計算問題で答えが合っていたということはそれなりに実力があると言えます。完璧だとは言えませんが、それほど不安に思うこともありません。

解いている途中に不安に思ったことは問題用紙にメモしておいて、あとで解説やテキストを見て確認する程度で十分です。解きなおす必要はないと思います。

書き込みは解答・解説部分にする

問題部分には書き込みをしてはいけません。「気をつけなければならない点」や「引っ掛けポイント」は当然として「アンダーライン」なども書き込まないようにしてください。

何らかの書き込みがあると、前に解いたことの記憶を持ち出して、その記憶で解いてしまうからです。これでは練習の意味が薄くなってしまいます。

逆に、解説部分には自由に書き込みをして構いません。解説部分は問題を解くときには見ないからです。「解き終わったときに意識すべきこと」「その問題のポイントがテキストのどこにあるのか」などを書いておくといいと思います。

解いた日付と出来具合を記入しておく

解いた日付と出来具合だけは問題部分のすみに書いておいてもかまいません。出来具合は例えば次のような形で残しておきます。

  • 自信を持って完璧に正解…◎
  • 不安だったけれで結果的に正解…○
  • やり方は分かっていたけれどミスにより不正解…△
  • やり方も分からず完全に不正解…×

これらの記号と日付を書き残しておくことで復習するときの参考にします。これらの記号は別紙で管理しても構いません。

問題集を使うときはこういったことを意識することが大切です。

まとめ

  • 問題集は1冊(1シリーズ)だけにし、その1冊(1シリーズ)をボロボロになるまで使い込む。
  • 復習の間隔を徹底する。
  • 問題を解くときは時間を計り、その時間を問題集にメモしておく(時間が来ても途中でやめる必要はない)。
  • 解説の解法をなぞるのではなく、自分の頭で考える。
  • 目的を持って問題を解く。
  • 5分考えても手が動かないときは解答を見て自分が身につけるべきことを確認し、身につけてからもう一度解く(個別問題の場合)。
  • 間違えてしまった問題は答えが合うまで最初から最後までもう一度解く。
  • 問題部分には「解いた日付」「出来具合」以外は書き込まない(解答・解説部分には書き込んでもよい)。

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