簿記検定に合格するには合格するために必要な勉強をしなければなりませんが、ここで本当に大切なのは「勉強時間」ではなく「勉強量」です。勉強量をしっかりと確保してこそ合格することができます。
ちなみに、この記事を書いている私は日商簿記に合格するための通信講座を2012年から運営し、これまでに数百人の合格者を送り出させていただいています。もちろん私自身も簿記1級に合格しています。
こういった私が、勉強量を増やすためのポイントについて解説していきます。
勉強量を増やすための7つのポイント
簿記に限った話ではないのですが、勉強するときに重要なのは「勉強時間(勉強した時間)」ではなく「勉強量(テキストを読んで身につけた量、問題を解いた量)」です。
勉強量は「勉強時間×勉強の効率」なので、勉強量を増やすためには「勉強時間を増やす」か「勉強の効率を上げる」かしかありません。
勉強時間を増やすには限界があるので、どうしても勉強の効率を上げることが重要になってきます。勉強の効率とは「1時間あたりどれだけの実力をつけたのか」であり、時間効率と言うこともできます。
この勉強の効率を意識することで短時間の勉強でたくさんの効果を得ることができます。そのために重要なのが次の7つです。
- できるだけ細切れ時間を作らない
- 何もしない時間を作らない
- 健康状態を保つ
- 集中する
- 同じ問題を何度も解く
- 分からなくても気にしない
- 分からなければすぐ答えを見る
できるだけ細切れ時間を作らない
細切れ時間を無駄にせず勉強していくのは、忙しい社会人の方が試験勉強をしていく上で非常に大切なことです。しかし、これ以上に重要なことは細切れ時間そのものをできるだけ作らないようにすることです。
簿記の勉強はどうしても机の上で電卓を叩いて問題を解く時間が多く必要になります。細切れ時間ではテキストを読むことはできても、電卓を叩いて問題を解くことは難しいので、細切れ時間ではできることが限られてしまうのです。
細切れ時間をできるだけ作らないためには、次のような工夫をすることが考えられます。
- 細切れ時間で予定を前倒しして後にまとまった時間を残す
- 細切れ時間に細切れ時間にできる用事をこなす
細切れ時間で予定を前倒しして後にまとまった時間を残す
例えば「今から15分後に家を出て、会社に始業15分前に到着する。それぞれの細切れ時間15分で勉強できる」という状況があったとします。この場合、今すぐに家を出れば会社の始業30分前に到着できるので、30分というまとまった時間を確保できます。
細切れ時間に細切れ時間にできる用事をこなす
例えば「今細切れ時間が15分あり、1時間後帰宅し、15分で夕食を食べる。夕食後細切れ時間が15分ある」という状況があったとします。この場合、今の細切れ時間で夕食を食べてしまえば、本来予定した夕食の時間とその後の細切れ時間で30分の勉強時間が確保できます。
これらはあくまでも一例です。他にも細切れ時間を作らない方法は色々と考えられると思います。簿記の勉強は細切れ時間で問題演習は難しいので、細切れ時間をできるだけ作らない工夫も必要です。
何もしない時間を作らない
細切れ時間はできるだけ作らないようにすることが大切ですが、そうは言っても細切れ時間はできるものです。勉強の効率を上げるためには、そういった細切れ時間でも「何もしない時間を作らない」ことが大切です。
何もしない時間になりやすいのは「移動中」です。移動時間は1日あたり1時間以上になることもあり、ほぼ毎日あるものなので積み重なればかなりの時間になります。この「移動時間」にも意図を持って何かをすることが大切です。
そうは言っても度を越した満員電車では勉強するのは難しいです。なので、満員電車で出社している人は「電車に座れる時間に出社する」「グリーン車や指定席を使う」などの工夫をして満員電車は避けるといいです。
特に始発近くで出社して始業まで会社で勉強するというのはいい方法だと思います。
もちろん「勉強する」だけが「何かする」というわけではありません。「今日は仕事で疲れたから、家でしっかりと勉強するために休憩をとる」という意図を持って休憩するのであれば、それも有効な時間の使い方だと言えます。
しっかりと意図を持って時間を使うことが重要です。
健康状態を保つ
健康でなければ勉強の効率は上がりません。熱があったり、どこかに痛みがあったりする状態で集中するのは難しいでしょう。健康であるために意識すべきなのは次の3つです。
- 睡眠時間を削らない
- 早寝早起きをする
- 朝食は炭水化物をしっかりと食べる
睡眠時間を削らない
勉強をするためにやってしまいがちなのが「睡眠時間を削ること」ですが、睡眠時間は削ってはいけません。睡眠時間を削ることで風邪を引きやすくなりますし、仮に引かなかったとしても眠たい頭では効率は上がりません。
また、これは健康とは関係ありませんが、睡眠時間が足りないと記憶が整理できず、覚えたことが定着しないという研究結果があります。きちんと記憶を定着させるためにも睡眠が必要です。
早寝早起きをする
健康のためには、夜遅くまで勉強するよりも早起きして朝早く勉強することが重要です。また、勉強効率そのものを高めるためにも夜勉強するより朝勉強する方が効果的です。
朝食は炭水化物をしっかりと食べる
朝食をしっかりと食べるのも健康のために重要です。朝起きたときというのは前回の食事から最も時間が経過しているときなので、体が栄養を必要としています。その状況で食事をしないのは体に負担をかけますし、頭も働きません。しっかりと朝食を食べることが大切です。
また、朝食は必ず炭水化物(米やパンなどの主食)を食べることが大切です。脳に届く唯一の影響が「ブドウ糖」なのですが、このもとになるのが「炭水化物」です。
この炭水化物を食べずに勉強をするというのは、ガソリンを入れずに車を走らせようとすることと同じです。車ほど急に動かなくなることはありませんが、脳の働きが悪くなるのは確実です。
集中する
移動中などは仕方ないですが、集中できる環境にできるときにはできる限り集中しましょう。
- 話しながら勉強する
- テレビを見ながら勉強する
これで集中できる人はそれでもいいのですが、そうでない人は勉強だけをやった方が効率が上がります。
本来勉強とは「理解して身につけること」です。この時間のみを勉強時間だと考えることが大切です。
同じ問題を何度も解く
同じ問題を何度も解きます。じっくりと1問に時間をかけるのではなく、何度も解くのです。
じっくりやるとすごく勉強した気になるのですが、思ったほど効果が上がらず、時間効率がよくありません。
また、問題に限らずテキストを読むときにでも同じことが言えます。じっくり読むのではなく、さらりと読むのです。覚えようとする必要はありません。「書いてあることが理解できれば大丈夫、無理して覚える必要はない」というスタンスが理想的です。
そのようなスタンスでさらりと読むかわりに、覚えられていなければ何度も戻ってきます。そして、それを繰り返しているうちに自然と覚えられます。
「何度も見ているうちに覚えようとしなくても芸能人の顔と名前が一致するようになる」のと同じ感じで覚えていきます。
分からなくても気にしない
勉強していると、「なぜ?」という疑問が出てきますが、そこで立ち止まってはいけません。とりあえず疑問点を書きとめて先に進みましょう。先に進むうちに分かるようになることもありますし、何度も繰り返しているうちに分かるようになることもあります。
私は暗記不要の簿記独学講座で繰り返し「基本が大切」とお伝えしていますが、分かるまで先に進んではいけないというわけではありません。「簿記検定の試験日までに受験する級の範囲の基本が完璧に身についていればいい」という意味です。
1回目で完璧にする必要はありません。2回目3回目と繰り返すうちに分かってくればいいのです。
こういったことを意識することで勉強量を増やすことができます。
まとめ
- 勉強時間を作るため、勉強の効率を上げるためには何もしない時間を作らない。
- 勉強にきちんと集中できるように健康状態を維持する。そのためには早寝早起きをし、朝食をしっかりと食べること。
- ながら勉強などは控えて、勉強に集中する。
- 同じ問題をさらりと何度も解く。
- 分からなくてもあまり気にせず前に進む。
コメント
勉強量の増やし方
わかっているけど・・・って言うことなんですか、
あえて理論的に言ってもらえると
心底理解できた気がします。
ありがとうございました。
コメントありがとうございます。
お役に立てて嬉しいです。勉強量の確保は合格のためには絶対に必要なものです。
簿記の学習には効率を追い求める姿勢とガムシャラに取り組む姿勢のバランスが大切です。
簿記の学習応援しています。