日商簿記2級143回第2問~過去に出題された難問~について

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こんにちは、簿記合格請負人の平野です。簿記1級の合格には簿記2級までを完璧にしておくことが重要で、簿記2級までが完璧かどうかは簿記2級の過去問と解いて判断するよう色々なところでお伝えしています。

そのとき「簿記2級の過去問を90分以内に95点以上得点する」という基準を満たせれば簿記2級までは完璧だと判断できます。

一般的には「簿記2級の過去問を90分以内に95点以上得点する」という基準で構わないのですが、簿記2級ではときどきかなりの難問が出題されます。そういった難問まで同じ基準で判断するのは無理があります。

そこで、この記事では過去の簿記2級の難問「日商簿記2級143回第2問」についての判断基準と考え方についてお伝えします。

※ややネタばれがありますので「日商簿記2級143回第2問」を全く前提知識なしで解きたい方はこの記事は読まない方がいいと思います。

日商簿記2級143回第2問

「日商簿記2級143回第2問」は非常に実務色が強い問題です。かなり本格的な減価償却の計算が出題されていますが、特に次の2点が実務的です。

  • 定額法による減価償却までも償却率を使っていること
  • 減価償却費の端数が切り捨てとなっていること

定額法による減価償却までも償却率を使っていること

通常簿記では定額法による減価償却費は次の計算式で求めます。

(年間の)減価償却費=(取得原価-残存価額)÷耐用年数

減価償却費の計算方法

しかし、この問題では次の計算で求めることになります。

(年間の)減価償却費=(取得原価-残存価額)×償却率

この償却率は「1÷耐用年数」という計算で求めるので実質的にはこの2つの式は同じです。ただ、償却率が割り切れない場合はわずかに金額に差が出てきます。

そもそもなぜ定額法であるにも関わらず償却率を使った計算が出題されているのかというと、「税法では償却率を使った方法が原則だから」です。実務では税法に従う傾向があるので、実務でも償却率を使った計算がよく使われます。

減価償却費の端数が切り捨てとなっていること

減価償却費に端数が出た場合、実務では「切り捨て」「四捨五入」「切り上げ」のどれであっても構わないことになっています。税法でこのようになっているので、実務も税法の規定に従うことになります。

細かいことを言えば「切り上げ」が減価償却費が最も大きくなるので、その分利益が減り、納税額も減ることになります。なので「切り上げ」が最も納税者に有利なのですが、金額が小さすぎるので実務では端数処理に細かくこだわることはありません。

減価償却費の端数処理には原則というものがないので、問題文の指示をしっかりと読む必要があります。問題文の指示を見落としてうっかり「四捨五入」で計算してしまうと、端数処理の違いによる1円単位の影響が色々なところに出てきて大きく失点する可能性があります。

「日商簿記2級143回第2問」は出題範囲は簿記2級なのですが、問題の感じが税理士試験簿記論を思わせるものになっています。

「日商簿記2級143回第2問」を「ほぼ満点とれなければ簿記2級が完璧とはいえない」としてしまうと、ほとんどの受験生は簿記1級の勉強に入れないことになってしまいます。

日商簿記2級143回第2問における判断基準

日商簿記2級143回第2問については14点取れれば簿記2級の内容は完璧に身についていると考えて構いません(143回全体では90分以内に89点取れればOKです)。

端数処理を誤ってしまうとどうしても4点は失点してしまいますし、他にもかなり細かい部分があるため、さらに2点失点してしまっても簿記1級の学習に入れないということはありません。複雑な問題だと普段はしないようなミスが誘発されることがあるからです。

ちなみに、第143回は第2問以外の問題は易しいので、第2問で大きく失点してしまっても合格自体は十分可能です。

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