試験では「結果」や「方法」が問われることが多く、「その理由」が問われることが少ないです。そういう傾向からか、「結果」や「方法」だけを暗記し、「その理由」については理解しようとしない人が非常に多いと感じます。
しかし、本当に大切なのは「理由」です。「理由」をしっかりと理解することで初めて完璧に身につけることができます。
ちなみに、この記事を書いている私は日商簿記に合格するための通信講座を2012年から運営し、これまでに数百人の合格者を送り出させていただいています。もちろん私自身も簿記1級に合格しています。
こういった私が、理由を理解することの大切さについて解説していきます。
理由を理解することの大切さ
「この橋は馬車は渡ってはいけません」という決まりがあったとします。この決まりを知ってさえいれば、「この橋を馬車は渡っていいのか」という問題の答えは出すことができます。
しかし、「この橋を車は渡ってはいいのか」という問題に答えることができません。
自分で判断できないのです。これが応用が効かないという状態です。
では、この決まりの理由を知っていた場合はどうでしょうか。
「この橋は400kg以上の重さには耐えられないから、馬車は渡ってはいけません」というように理解していたとします。
この状態であれば、「この橋を車は渡ってはいいのか」という問題にも答えることができます。車は小型車でも400kg以上はあります。車で渡ったら橋は壊れてしまうでしょう。だから車はこの橋を渡ってはいけないと答えることができます。
このように、理由をきちんと理解することで、覚えていないことがらについてもきちんと答えを出すことができます。
丸暗記の本当の弊害
丸暗記の本当の弊害は「覚えていないことについては全く対応できない」ということにあります。
簿記に関してもそうです。少しでも知らないことが出題された場合、対応できないのです。何度も繰り返し覚えれば、覚えること自体はできるかもしれません。しかし、応用が効かなくなってしまいます。
大変な割に点数が取れない勉強が「丸暗記」です。このような状態になっていないか自問自答してみてください。
仕訳には意味(理由)がある
簿記では仕訳というものを勉強していきます。この仕訳には必ず意味(理由)があります。何の意味も理由もなく仕訳を切ることはありません。
なぜその仕訳を切ったのかきちんと説明できる形で勉強を進めることが重要です。
≫仕訳については実際に簿記の勉強を始めてからで構いません。仕訳については仕訳の考え方で詳しくお伝えしています。
理解できているか自分で判断する方法
自分がきちんと理解できているかを自分で判断するのはなかなか難しいものです。理解できているか自分で判断する方法する場合にはうまく説明できるか確認するといいと思います。
相手はぬいぐるみでも構いません。独り言でも構いません。誰かに説明するつもりで、「自分の言葉で」会計処理の理由などを伝えてみてください。そして、話しながら自分で自分の説明にツッコミをいれてみてください。
ツッコミどころがなかったり、ツッコミを全て解決できたのであれば、その内容は全て理解できています。逆に言葉につまったりしてしまった場合は、そこが理解できていないポイントです。
まとめ:簿記は理由の理解が大切
- 理由をきちんと理解することで、覚えていない事柄に対して自分で答えを出すことができる。
- 理由をきちんと理解できているかどうかはうまく説明できるかどうかやってみることで確認できる。
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