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簿記の基本が完璧に身についた状態とは…

  • 簿記を効果的に身につけたいと思ってるんだけど……
  • 簿記は基本が大切だということは分かるけど、どの程度身につければ完璧なのかわからない
  • 基本が身についた状態がどういう状態なのか教えてほしい!

簿記1級にラクラク合格するためには、基本を完璧に身につけることが大切です。しかし、どのような状態になれば基本が身についているのか判断できずに不安になってしまう人が多いです。

私は日商簿記に合格するための通信講座を2012年から運営し、これまでに数百人の合格者を送り出させていただいています。もちろん簿記1級の合格のコツも熟知しています。

この記事では、基本が身についた状態がどういう状態か、なぜその状態まで高める必要があるのかについて解説します。

この記事を読めば、基本が身についた状態がどういう状態かわかるので、安心して勉強を進めていくことができるようになります。

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結論を一言で言うと、基本が完璧に身に付いた状態とは、一瞬たりとも迷うことなく、手が止まらずに、体が反応するように無意識レベルで解ける状態のことです。基本を完璧に身につけることで応用問題も解くことができるし、上位級の内容も身につけることができます。

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「簿記の基本問題が解けた=簿記の基本が身についた」ではない

基本が身についている状態とは「基本問題が完全に余裕がある状態で、一瞬も迷うことなく、絶対の確信を持って解ける状態」です。ただ問題が解けただけでは身についている状態とは言えません。

具体的に次のような状態になれば基本が身についたと言えます。

  • 一瞬たりとも迷わない
  • 手がよどみなく動く
  • 体で覚えた
  • 考えずに無意識で解ける

一瞬たりとも迷わない

「一瞬たりとも迷わない」とは一瞬も考えることなく解答までの道のりが「見える」ということです。基本問題は、ある程度解答までの道のりが一本道で決まっています。その道が一瞬で見えるようになったとき、「一瞬たりとも迷わない」状態になったと言えます。

たとえ正解できたとしても、一瞬でも迷った時点で、完璧とはいえません。

手がよどみなく動く

「一瞬たりとも迷わない」と似ていますが、主に電卓を使って問題を解く場合についての判断基準として使えます。電卓を操作して解答を求める問題の場合、一瞬たりとも迷わないのであれば、手が止まらずに答えまで一気に求めることができるはずです。

電卓を使って数値を求める場合、手のスピードが追いつかないくらいがちょうどいいと考えてください。

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簿記を勉強しながら、電卓の操作方法を身につけ、手元を見ずに操作できるようになることが大切です。電卓の操作方法については「【簿記】電卓・計算機の使い方」で詳しく解説しています。

体で覚えた

これはスポーツなどと同じです。「こういうときにはこう動く」などと頭で考えているうちはまだまだです。「何も考えていなくても気がついたら動いていた」というレベルまで持っていかなければなりません。

基本部分で何も考えずに動ける状態になることによって、応用部分に「考える」という能力を集中することができます。

応用問題が解けない原因のほとんどは「応用問題を解く能力がない」のではなく「基本部分で能力を使わされてしまって、応用部分に割りふる部分が残っていない」ということなのです。

基本部分は意識してやることではありません。無意識でやります。

考えずに無意識で解ける

これは仕訳全般に言えます。基本の仕訳は無意識でできるレベルに持っていく必要があります。

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仕訳については「【簿記3級から心がける】仕訳を勉強する5つのコツ」で詳しくお伝えしています。

人間の脳の構造から考える無意識レベルの重要性

人間の脳はパソコンのメモリのようなものです。そこで、人間の脳メモリが512MBだとしましょう。

基本問題がギリギリ解けるレベルの人と基本が完璧に身についた人がいたとします。基本問題がギリギリ解ける人は、その基本問題を解くのに500MBのメモリを使います。メモリの範囲内なので、解くことができます。

基本が完璧に身についた人は、その基本問題を無意識で解けます。使うメモリはせいぜい50MBです。当然余裕で解くことができます。

では、この2人がやや難しい問題、見たことがない問題を解くときにはどうなるでしょうか。

基本問題がギリギリ解ける人は、基本的な部分で500MBのメモリを使います。応用部分を考えるためにはさらなるメモリが必要ですが、残りは12MBしかありません。12MBでは考える余裕がなさすぎるため、この問題は解けないと感じます。

それに対して、基本が完璧に身についた人は、基本的な部分で50MBしかメモリを使いません。応用部分を考えるために、まだ462MB使えるのです。これだけ考える余裕があれば、この問題を解くことができるでしょう。

人間の脳はこのような構造になっているのです。例えば、次の状態もこの例があてはまると言えます。

  • 大勢の人の前で話すことに慣れている人は、話すこと自体はほぼ無意識でできるので、聴衆の様子を見ながら話すテンポなどを変えることができるが、慣れていない人は話すこと自体でギリギリなので、聴衆を見る余裕がない
  • ペーパードライバーは運転自体でギリギリなので運転中に話す余裕はないが、ベテランドライバーは運転しながら話すことができる
  • タッチタイピングの初心者は、正しく打つこと自体がギリギリなので、考えながらタイピングをすると思考が邪魔されるが、タッチタイピングの上級者は余裕で正しく打てるので思考が邪魔されない

難しい問題、見たこともない問題を解くときには、この余裕が重要です。

簿記3級では難しい問題はほとんどないため、基本が完璧でなくても解くことができます。しかし、基本が完璧でない状態で簿記1級に突入すると、簿記1級は難問が出題されるため、ここで苦労することになるのです。

無意識レベルまで持っていかなければ上のレベルのことが学べない

無意識レベルにまで持っていった場合にのみ、それが土台となり、その上に何かを積み上げることができます。

掛け算の「九九」を思い出してください。ほとんどの人は「九九」は無意識レベルにまで持っていけています。だからこそ2ケタの掛け算を学ぶことができます。

もし「九九」を考えなければ分からないレベルであったならば、2ケタの掛け算を勉強してもツライだけです。勉強もはかどらないでしょう。まずは掛け算の九九を完璧に無意識レベルでできるようにしなければなりません。簿記でも同じです。

「基本を身につけている状態とは、全く考えずに無意識で解答できる状態である」ということを意識して基本を完璧に身につけていくことが大切です。

【まとめ】簿記の基本が完璧に身についた状態とは…

基本が完璧に身に付いた状態とは、一瞬たりとも迷うことなく、手が止まらずに、体が反応するように無意識レベルで解ける状態のことです。

基本を完璧に身につけることで応用問題も解くことができるし、上位級の内容も身につけることができます。

簿記3級を勉強している段階から、基本を完璧に身につけることを意識して勉強を進めることで、簿記2級、簿記1級とステップアップしても行きづまることなく勉強していくことができます。

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