簿記2級まではテキストと問題集を解き終わった段階で過去問を解き始めるという流れで勉強をしていました。
しかし、簿記1級の場合はもっと早くから過去問に触れることで難易度や出題傾向などに慣れていくことが重要になります。
ちなみに、この記事を書いている私は日商簿記に合格するための通信講座を2012年から運営し、これまでに数百人の合格者を送り出させていただいています。もちろん私自身も簿記1級に合格しています。
こういった私が、簿記1級に合格するために必要な勉強時間と勉強の流れについ解説していきます。
簿記1級に合格するために必要な勉強時間
本当に大切なのは勉強時間ではなく勉強量なのですが、目安としてある程度の勉強時間を考えておくことは重要です。
簿記1級に合格するために必要な勉強時間は1,000時間程度です。これだけの時間を勉強するためには、ある程度の期間の勉強が必要になってきます。
最もオススメなのは、39週間(約9ヶ月)、週6日、1日4時間といった勉強期間です。あくまでも勉強時間は目安なので、早く終わればその日は終わりで構いません。このような勉強計画であれば、1,000時間の勉強時間は確保できます。
こういったことを踏まえながら、自分に合った学習計画を立てていきます。
≫勉強時間の内訳など、詳しくは日商簿記1級の合格に必要な勉強時間とその勉強時間で合格する方法をご覧下さい。
簿記1級に合格するまでの勉強の流れ
簿記1級の勉強の流れは次のようになります。
- テキストで理解
- 問題集で理解できたか確認
- (ある分野の勉強が終わったら)過去問を見る
- (問題集をある程度繰り返し解いて自信がついたら)過去問を解いてみる
- (試験前になったら)過去問で合格点を取れるようにする
1.テキストで理解
まずはテキストで学習内容を理解します。最初に読むときは大雑把に読んで構いません。
テキストを読んだだけでは「どこが重要なのか」「どのような形で理解しなければいけないのか」が分からないからです(簿記の学習に慣れてくると徐々に分かるようになってきます)。まずは大雑把にテキストを読みます。
そのとき、特に商業簿記については仕訳の考え方に意識を向けることが大切です。仕訳は覚えるものではありません。考えて作るものです。この感覚をつかんでください。
2.問題集で理解できたか確認
テキストを読んだあとは、とりあえず問題集の問題を解いてみましょう。そして、完全に解ければ理解すべきことを理解したと受け止めてもらって構いません。
逆に解けなければ、何を理解していないから解けなかったのかを解説からつかんでテキストに戻ります。そして理解できたと思ったら同じ問題に 再度挑戦します。
特に商業簿記については、仕訳の考え方を使って実際に仕訳を切ることになりますが、その結果、仕訳の考え方がより定着していきます。初めて見る問題でも自力で考えて仕訳を切れるようになれば理想的です。
3.(ある分野の勉強が終わったら)過去問を見る
簿記1級の勉強範囲は非常に広いので範囲全体はなかなか終わりません。しかし分野別に考えると、例えば「リース会計は終わった」といった感じで、勉強範囲が終了することは比較的学習の早い段階でも起こります。
このタイミング、つまりある分野の問題集の1回目の問題練習が終わったら、過去問をとりあえず見てみます。
解く必要はありません。ただ読んでみます。そして本試験のレベルがどのくらいなのかを意識します。この問題が解けるようになるためにはどれくらいの理解・練習が必要なのかと考えてみます。この段階ではこれで十分です。
4.(問題集をある程度繰り返し解いて自信がついたら)過去問を解いてみる
基本問題を繰り返し解いて自信がついてきたら、その範囲の過去問を試しに解いてみましょう。過去問を解く時には次の4つを意識することが大切です。
- 問題を解く時には必ず時間を計る
- 「完璧に身につけるべき問題」を把握し、その部分を間違えた場合は基本に戻る
- 時間が間に合わなかったら「計算用紙の使い方」や「解き方」を分析する
- 出来が悪くても落ち込まない
≫詳しくは簿記1級の過去問の使い方で解説しています。
5.(試験前になったら)過去問で合格点を取れるようにする
4で初めて問題を解くのですが、過去問も基本問題集と同じように何度も解きます。何度も繰り返し解き、試験が近くなってくる頃には合格点を超える気持ちでしっかりと解いてみましょう。
制限時間もしっかりと守り、合格点を目指します。合格点に届かなかった場合は原因をしっかりとつかんで対策しておくことが重要です。
9割の得点が取れるようになるまで繰り返し解きましょう。残りの1割は本試験では捨てる問題という意識で構いません。
まとめ
- 簿記1級に合格するためには1,000時間程度の勉強時間が必要。
- 勉強は「テキスト」→「問題集」→「過去問(見る)」→「過去問(解く)」→「過去問(9割取る)」の流れで行う。
コメント
おはようございます。
すっごく参考になります。
過去問を解いてみようかな?という気持はあるのですが、過去問までは・・・という気持の方が強いです。
自分の苦手な論点(商会)も掴めているのでそれを克服してからと思っていたのですが、何事も前向きに!ですね
いつも励まされます!
前向きに頑張ります!!
コメントありがとうございます。
過去問は早く解くべきなんですよね。難易度が高いのでどうしても先送りにしがちなんですが、その難易度の問題で7割取らなければならないのは決まっていることなので、避けては通れないです。
きちんと解いておくと、今の自分の実力と合格するために必要な実力の差が分かるので、そういう意味からも大切ですね。
みんとさんは過去問を解いてみる段階かもしれませんね。合格点に届かなくても何も気にする必要はないです。その差を埋めれば合格です。簿記の学習応援しています。
試験一か月前になり、やっと過去問題集や模試集に取り組み始めています。
試験範囲の内容に理解不足のところがあっても、とにかく量をこなすこと、そして間違ったところ、疑問点、不明点を掘り下げて再度理解を深めていく、といった方法で自分なりの勉強のペースがつかめてきました!
何とかなりそう(笑)。
本当にありがとうございます!
コメントありがとうございます。試験まであと1ヶ月切りましたね。最後の追い込みがんばってください。応援しています。