売上債権

売上債権とは

売上が理由で発生する債権(現金を回収する権利)を売上債権と言います。売上債権の代表例は売掛金と受取手形ですが、最近は電子記録債権なども出てきています。

約束手形の取引と仕訳
手形の決済の取引と仕訳
電子記録債権・電子記録債務

また、裏書手形や割引手形も売上債権に含みます。手形の遡求義務は残っていますし、手形を裏書したり割引したりすることで後述する売上債権回転率や売上債権回転期間が好転するのは管理上まずいからです。

手形の裏書の取引と仕訳
手形の割引の取引と仕訳

売上債権はそのままでは現金ではありませんので、適切な期間で回収しないと資金繰りに悪影響が出てしまいます。なので、売上債権はしっかりと管理し、きちんと回収しなければなりません。

売上債権には通常は貸倒引当金を設定します。売上債権のうち回収できないであろうと予測される分を前もって貸倒引当金として計上しておきます。

貸倒れの見積りと発生の取引と仕訳
貸倒引当金(差額補充法)の取引と仕訳

売上債権は英語で「trade receivables」と言います。tradeが「取引」、receivableが「勘定」と訳されるので、「取引の勘定」となり、これが売上債権となっています。

売上債権回転率

売上債権の回収の効率を表す指標に売上債権回転率があります。売上債権回転率は次の計算式で求めます。

売上債権回転率=売上高÷売上債権

売上債権回転率が高いということは売上高に対して売上債権の割合が小さい、つまり少額の売上債権しか残っていないことを意味しています。なので売上債権回転率が高いほど売上債権の回収の効率がよいことを意味します

売上債権回転期間

売上債権回転率とよく似た指標に売上債権回転期間があります。売上債権回転期間は次の計算式で求めます。

売上債権回転期間(日)=売上債権÷売上×365日

売上債権回転期間は売上債権を回収するのに平均して何日かかっているのかを表しています

仮に決算日における売上債権が100,000円、当期の売上高が365,000円だった場合、売上債権回転期間は100,000円÷365,000円×365日=100日となるのですが、これは次のように考えることができます。

1日あたりの売上高=当期の売上高365,000円÷365日=1,000円
売上債権は何日分の売上高なのか=売上債権100,000円÷1日あたりの売上高1,000円=100日

このように考えると売上債権を回収するのにかかる期間が平均して100日かかっているということが分かると思います。

売上債権回転期間については次の記事でより詳しくお伝えしています。

売上債権回転期間

売上債権回転期間が長い理由

売上債権回転期間は短ければ短いほどよいとされています。それだけ短期間で売上債権を回収できているということだからです。

しかし、売上債権回転期間が長くなってしまうことがあります。売上債権回転期間が長くなってしまうのには次のような理由が考えられます。

  • 押し売りをしている
  • 財務状態が悪い得意先と取引している
  • 粉飾決算をしている

押し売りをしている

決算日前などに「営業マンがノルマ達成のため」や「決算を無理やりよくするため」などの理由で返品を覚悟で強引に販売していることがあります。

こういったことを行った場合、決算日前に次の仕訳で表される取引が増えることになります。

(借)売上債権 ×××/(貸)売上 ×××

結果、売上債権回転期間が長くなります。

財務状態が悪い得意先と取引している

財務状態が悪い得意先と取引している場合、本来の回収日に回収できなかったり、回収期間を長くするよう依頼されたりして売上債権回転機関が長くなります。

粉飾決算をしている

粉飾決算の手法の一つに循環取引があります。

循環取引

これを行うと本来売上とはならない売上が売上高として計上されることになりますが、代金を支払われることは当然ありませんので、売上債権がどんどん積みあがることになります。

これまでの例から分かるように売上債権回転期間が長くなる理由にいい理由はありません。売上債権回転期間は短いに越したことはない指標であると言えます。

売上債権と貸付金の違い

売上債権と貸付金はどちらも「現金として回収することができる権利」という点では共通しています。

しかし、売上債権は販売した商品や製品の代金を回収する権利で、貸付金は貸したお金を回収する権利であるという違いがあります。

売上債権と棚卸資産の違い

売上債権と棚卸資産はどちらも「将来的には現金になることが期待されている」という点では共通しています。しかし、売上債権と棚卸資産では「現金のなりやすさ」が大きく異なります。

売上債権はよほどのことがない限り現金になります。しかし、棚卸資産はまだ「製品」や「商品」の段階なので、まず売れなければなりません。売れることで棚卸資産が売上債権となり、それから売上債権が現金となります。

そう考えると「売上債権が1,000,000円貸借対照表に計上されている」のと「棚卸資産が1,000,000円貸借対照表に計上されている」のは「資産が1,000,000円計上されているので同じである」とは到底いえません。

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