売上債権回転期間

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売上債権回転期間とは

売上債権の回収の効率を表す指標に売上債権回転期間があります。売上債権回転期間は次の計算式で求めます。

売上債権

売上債権回転期間(日)=売上債権÷売上×365日

売上債権回転期間は売上債権を回収するのに平均して何日かかっているのかを表しています

仮に決算日における売上債権が100,000円、当期の売上高が365,000円だった場合、売上債権回転期間は100,000円÷365,000円×365日=100日となるのですが、これは次のように考えることができます。

  • 1日あたりの売上高=当期の売上高365,000円÷365日=1,000円
  • 売上債権は何日分の売上高なのか=売上債権100,000円÷1日あたりの売上高1,000円=100日

このように考えると売上債権を回収するのにかかる期間が平均して100日かかっているということが分かると思います。

ちなみに売上債権回転期間は英語で「reseivables turnover period」と言います。reseivablesが受取勘定、turnoverが回転、periodが期間ということで、売上債権回転期間と訳されています。

売上債権回転期間を計算するときに裏書手形や割引手形は含むのか

売上債権回転期間は売上債権がどれくらいの期間で回収されているのかを意味する指標です。売上債権を効率的に回収することで売上債権回転期間は短くなります。

そう考えると裏書手形や割引手形を売上債権に含まなかった場合、管理上まずいということが分かると思います。受け取った手形を裏書譲渡したり割引したりするだけで売上債権回転期間が短くなってしまうからです。

裏書手形や割引手形に遡求義務がなければそれでもいいのかもしれませんが、実際には遡求義務があり、手形の支払義務者が代金を支払えなかった場合、支払義務者の代わりに支払わなければならなくなる可能性があります。

そういう意味で、手形を裏書したり割引したりしても本当の意味で代金を回収したことにはなりません。

というわけで裏書手形や割引手形も売上債権に含みます

売上債権の計算式

売上債権は次の計算で求めることになります。

売上債権=受取手形(裏書手形・割引手形含む)+売掛金+電子記録債権

売上債権回転期間の計算式で消費税はどのように考えるのか

消費税の会計処理には税込方式と税抜方式の2つがあります。

消費税の取引と仕訳

仮に1,000,000円(税抜)の商品を1,100,000円(税込)で販売した場合、税抜方式、税込方式それぞれの仕訳は次のようになります(代金は売上債権で受け取ったものとします)。

税抜方式

借方 金額 貸方 金額
売上債権 1,100,000 売上
仮受消費税
1,000,000
100,000

税込方式

借方 金額 貸方 金額
売上債権 1,100,000 売上 1,100,000

この仕訳から分かることは、税込方式では売上も売上債権も税込で計上されるのに対し、税抜方式では売上債権だけが税込で売上は税抜で計上されるということです。

なので税抜方式を採用しているのか税込方式を採用しているのかで売上債権回転期間が変わってきます

そこで税抜方式を採用している企業の売上債権回転期間を計算する場合は売上高を1.1倍して計算するという方法が考えられるのですが、現在の消費税率は8%のものと10%のものが混在しており、正確に計算するのはなかなか難しいです。

そこで、税抜方式を採用している場合は消費税率を8%から10%の間のいずれかとし、その消費税を売上に加算することで、ざっくりと売上債権回転期間を計算することになります。

売上債権回転期間が長い理由

売上債権回転期間は短ければ短いほどよいとされています。それだけ短期間で売上債権を回収できているということだからです。

しかし、売上債権回転期間が長くなってしまうことがあります。売上債権回転期間が長くなってしまうのには次のような理由が考えられます。

  • 押し売りをしている
  • 財務状態が悪い得意先と取引している
  • 粉飾決算をしている

押し売りをしている

決算日前などに「営業マンがノルマ達成のため」や「決算を無理やりよくするため」などの理由で返品を覚悟で強引に販売していることがあります。

こういったことを行った場合、決算日前に次の仕訳で表される取引が増えることになります。

借方 金額 貸方 金額
売上債権 ××× 売上 ×××

結果、売上債権回転期間が長くなります。

財務状態が悪い得意先と取引している

財務状態が悪い得意先と取引している場合、本来の回収日に回収できなかったり、回収期間を長くするよう依頼されたりして売上債権回転機関が長くなります。

粉飾決算をしている

粉飾決算の手法の一つに循環取引があります。

循環取引

これを行うと本来売上とはならない売上が売上高として計上されることになりますが、代金を支払われることは当然ありませんので、売上債権がどんどん積みあがることになります。

これまでの例から分かるように売上債権回転期間が長くなる理由にいい理由はありません。売上債権回転期間は短いに越したことはない指標であると言えます。

運転資金回転期間

売上債権回転期間を使って計算されるのが運転資金回転期間です。

運転資金回転期間とは、文字通り運転資金が回転する期間で、現金が仕入に使われ、その商品が売れることで売上債権となり、その売上債権が回収されることで現金に戻るのにかかる期間のことです。

この期間が大まかにでも分かることで、いくらくらいの運転資金を用意しておかなければならないかも分かります。

運転資金回転期間は次の計算式で求まることになります。

運転資金回転期間=棚卸資産回転期間-買入債務回転期間+売上債権回転期間

  • 棚卸資産回転期間:商品を仕入れてからその商品が販売されるまでの期間
  • 買入債務回転期間:商品を仕入れてからその商品代金を支払うまでの期間
  • 売上債権回転期間:商品が売れてからその商品代金を回収するまでの期間

例えば、商品を仕入れたのが4月1日、商品の代金を支払ったのが4月30日、商品が売れたのが5月31日、商品代金を回収したのが6月30日だった場合、棚卸資産回転期間、買入債務回転期間、売上債権回転期間は次のようになります。

  • 棚卸資産回転期間:4月1日から5月31日の60日間
  • 買入債務回転期間:4月1日から4月30日の29日間
  • 売上債権回転期間:5月31日から6月30日の30日間

よって運転資金回転期間は棚卸資産回転期間(60日)-買入債務回転期間(29日)+売上債権回転期間(30日)=61日になります。

運転資金の動きだけ見ると、商品代金を4月30日に支払い、販売した商品の代金を6月30日に回収しているので、現金が再び現金になるのに61日かかっているということが分かると思います。

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