総合原価計算における完成品総合原価と期末仕掛品原価~原価計算基準~

Pocket

こんにちは、簿記合格請負人の平野です。簿記1級では原価計算基準についての理論問題が出題されることがあります。なので原価計算基準を読むことが望ましいのですが、この原価計算基準は非常に難解な文章となっています。

そこで、これからしばらくにわたって原価計算基準の解説を行っていこうと思います。今回は原価計算基準の第二章の二四である総合原価計算における完成品総合原価と期末仕掛品原価」についてお伝えしていきます。

総合原価計算における完成品総合原価と期末仕掛品原価

単純総合原価計算、等級別総合原価計算および組別総合原価計算は、いずれも原価集計の単位が期間生産量であることを特質とする。

口語訳
「単純総合原価計算」「等級別総合原価計算」「組別総合原価計算」は、どれも原価集計の単位が期間生産量であることが特徴である。

解説
総合原価計算は一期間(たいていは1ヶ月)の生産量で原価を集計しています。逆に個別原価計算では個々の製品(ロットの場合もあります)に原価を集計します。

すなわち、いずれも継続製造指図書に基づき、一期間における生産量について総製造費用を算定し、これを期間生産量に分割負担させることによって完成品総合原価を計算する点において共通する。

口語訳
すなわち、どの総合原価計算であっても継続製造指図書にもとづいて一期間での生産量について総製造費用を算定する。そして、総製造費用をその期間の生産量に分割して負担させることで完成品総合原価を計算する。

解説
総合原価計算の原価集計の方法の共通点について書かれています。

したがって、これらの原価計算を総合原価計算の形態と総称する。

口語訳
したがって、これらの原価計算を総合原価計算の形態とまとめて呼ぶものとする。

総合原価計算における完成品総合原価と期末仕掛品原価は、次の手続により算定する。

解説
総合原価計算における完成品総合原価と期末仕掛品原価の算定方法についてこれから述べていくと書かれています。

(一) まず、当期製造費用および期首仕掛品原価を、原則として直接材料費と加工費とに分け、期末仕掛品の完成品換算量を直接材料費と加工費とについて算定する。

口語訳
最初に、当期製造費用と期首仕掛品原価を、原則として直接材料費と加工費に分ける。それから、期末仕掛品の完成品換算量を直接材料費と加工費とについてそれぞれ算定する。

期末仕掛品の完成品換算量は、直接材料費については、期末仕掛品に含まれる直接材料消費量の完成品に含まれるそれに対する比率を算定し、これを期末仕掛品現在量に乗じて計算する。

口語訳
期末仕掛品の完成品換算量は、直接材料費については、まず「期末仕掛品に含まれる直接材料消費量」の「完成品に含まれる直接材料消費量」に対する比率を計算する。

そして、この比率を期末仕掛品の現在量にかけて計算する。

解説
総合原価計算でたくさん練習する計算について書かれています。直接材料を始点で投入する場合はこの比率は1になります。もし加工進捗度に応じて投入するのであれば、この比率は加工進捗度になります。

加工費については、期末仕掛品の仕上り程度の完成品に対する比率を算定し、これを期末仕掛品現在量に乗じて計算する。

口語訳
加工費については、まず期末仕掛品の仕上り程度の完成品に対する比率を算定する。そして、この比率を期末仕掛品現在量にかけて計算する。

解説
「期末仕掛品の仕上り程度の完成品に対する比率」は加工進捗度のことです。次の計算式のことを言っています。

加工費における期末仕掛品の完成品換算量=期末仕掛品数量×加工進捗度

(二) 次いで、当期製造費用および期首仕掛品原価を、次のいずれかの方法により、完成品と期末仕掛品とに分割して、完成品総合原価と期末仕掛品原価とを計算する。

口語訳
次に、当期製造費用と期首仕掛品原価を完成品と期末仕掛品に分割して完成品総合原価と期末仕掛品原価を計算する(方法は後述)。

1当期の直接材料費総額(期首仕掛品および当期製造費用中に含まれる直接材料費の合計額)および当期の加工費総額(期首仕掛品および当期製造費用中に含まれる加工費の合計額)を、それぞれ完成品数量と期末仕掛品の完成品換算量との比により完成品と期末仕掛品とにあん分して、それぞれ両者に含まれる直接材料費と加工費とを算定し、これをそれぞれ合計して完成品総合原価および期末仕掛品原価を算定する(平均法)。

口語訳
当期の直接材料費総額(期首仕掛品と当期製造費用の合計)と加工費総額(期首仕掛品と当期製造費用の合計)を、それぞれ完成品数量と期末仕掛品の完成品換算量の比で完成品と期末仕掛品に割り当てる。そして、完成品と期末仕掛品に含まれる直接材料費と加工費とを算定する。

最後に、それぞれ合計して完成品総合原価と期末仕掛品原価を算定する(平均法)。

2期首仕掛品原価は、すべてこれを完成品の原価に算入し、当期製造費用を、完成品数量から期首仕掛品の完成品換算量を差し引いた数量と期末仕掛品の完成品換算量との比により、完成品と期末仕掛品とにあん分して完成品総合原価および期末仕掛品原価を算定する(先入先出法)。

口語訳
期首仕掛品原価は、全て完成品の原価に算入する。また当期製造費用は、「完成品数量-期首仕掛品の完成品換算量」と「期末仕掛品の完成品換算量」との比で、完成品と期末仕掛品に割り当てて完成品総合原価と期末仕掛品原価を算定する(先入先出法)。

3期末仕掛品の完成品換算量のうち、期首仕掛品の完成品換算量に相当する部分については、期首仕掛品原価をそのまま適用して評価し、これを超過する期末仕掛品の完成品換算量と完成品数量との比により、当期製造費用を期末仕掛品と完成品とにあん分し、期末仕掛品に対してあん分された額と期首仕掛品原価との合計額をもって、期末仕掛品原価とし、完成品にあん分された額を完成品総合原価とする(後入先出法)。

口語訳
期末仕掛品の完成品換算量のうち、期首仕掛品の完成品換算量に相当する部分については、期首仕掛品原価をそのまま適用して評価する。

「期末仕掛品の完成品換算量」が「期首仕掛品の完成品換算量」より多い場合、その超過分は「期末仕掛品の完成品換算量(超過分)」と「完成品数量」との比で、当期製造費用を期末仕掛品と完成品に割り当てる。

期末仕掛品に対して割り当てられた金額と期首仕掛品原価との合計がを期末仕掛品原価とする。完成品に割り当てられた金額を完成品原価とする(後入先出法)。

解説
後に入った分(当期製造費用)が先に出て行く(完成品)と考えて計算する方法が後入先出法です。後入先出法は商業簿記では廃止されましたが、工業簿記ではまだ残っています。

4前三号の方法において、加工費について期末仕掛品の完成品換算量を計算することが困難な場合には、当期の加工費総額は、すべてこれを完成品に負担させ、期末仕掛品は、直接材料費のみをもって計算することができる。

口語訳
「平均法」「先入先出法」「後入先出法」において、加工費の期末仕掛品完成品換算量を計算することが難しい場合は、当期の加工費総額は全て完成品に負担させることができる。この場合、期末仕掛品は、直接材料費のみとなる。

解説
期末仕掛品の加工進捗度を把握することが難しい場合、加工費の期末仕掛品完成品換算量を計算することができません。そういう場合は加工費を全て完成品に割り当てることが認められています。

5期末仕掛品は、必要ある場合には、予定原価又は正常原価をもって評価することができる。

解説
予定原価とは将来発生すると見積もっている原価です。正常原価とは、異常なものを排除した原価の長期的な過去の平均に将来の変化を加味して計算された原価です。

6期末仕掛品の数量が毎期ほぼ等しい場合には、総合原価の計算上これを無視し、当期製造費用をもってそのまま完成品総合原価とすることができる。

口語訳
期末仕掛品の数量が毎期ほぼ等しい場合は、総合原価計算では期末仕掛品を無視することができる。この場合、当期製造費用を完成品総合原価とすることになる。

4~6は例外的な会計処理です。簿記1級までの試験で見たことはありませんので参考程度でいいと思います。

これで原価計算基準の第二章の二四である「総合原価計算における完成品総合原価と期末仕掛品原価」は全て終了です。原文は非常に読みづらいのでできるだけ分かりやすく解説(口語訳)しました。

このような形で意味を理解しながら原文を何度も読み込むことで、徐々に原価計算基準を自分のものにしていってください。

メルマガ登録フォーム

簿記革命メルマガ「簿記革命通信~簿記1級にラクラク合格する方法~」の登録フォームです。



お名前(名字のみ漢字でお願いします)

メールアドレス

Pocket

タグ:

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

ページトップへ