等級別総合原価計算~原価計算基準~

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こんにちは、簿記合格請負人の平野です。簿記1級では原価計算基準についての理論問題が出題されることがあります。なので原価計算基準を読むことが望ましいのですが、この原価計算基準は非常に難解な文章となっています。

そこで、これからしばらくにわたって原価計算基準の解説を行っていこうと思います。今回は原価計算基準の第二章の二二である「等級別総合原価計算」についてお伝えしていきます。

等級別総合原価計算

等級別総合原価計算は、同一工程において、同種製品を連続生産するが、その製品を形状、大きさ、品位等によって等級に区別する場合に適用する。

口語訳
等級別総合原価計算は、同じ工程で同じ種類の製品を連続生産しているが、その製品の「形」「大きさ」「品位」などの等級に区別する場合に適用する。

解説
等級別総合原価計算に関する記述です。等級別総合原価計算は同じ工程で同じ種類の製品を連続生産している場合に適用します。もし異なる種類の製品を連続生産している場合は、次回お伝えする「組別総合原価計算」を適用します。

同じ種類の製品を等級に区別するのが等級別総合原価計算なのですが、この「等級に区別する」場合の「等級」の例として「形」「大きさ」「品位」が挙げられています。

  • 形による等級の例:眼鏡における「丸型」「角型」など
  • 大きさによる等級の例:洋服における「Sサイズ」「Mサイズ」「Lサイズ」など
  • 品位による等級の例:お酒における「特撰」「上撰」「佳撰」など

ここでは挙げられていませんが、他にも「硬さ(鉛筆)」や「色(車)」などもありえます。

等級別総合原価計算にあっては、各等級製品について適当な等価係数を定め、一期間における完成品の総合原価又は一期間の製造費用を等価係数に基づき各等級製品にあん分してその製品原価を計算する。

口語訳
等級別総合原価計算では次の手順で製品原価を計算する。

  1. それぞれの等級製品について適当な等価係数を定める。
  2. 「一期間における完成品の総合原価」または「一期間の製造費用」を等価係数にもとづいて、各等級製品に割り振る。

解説
等級別総合原価計算のおおまかな計算の流れについて書かれています。等級別総合原価計算では等級に応じて等価係数を定めます

その後、ある期間における「完成品総合原価」や「一期間(たいていは1ヶ月)の製造費用」を先ほど定めた等価係数にもとづいて、それぞれの等級製品に割り振ります。

等価係数の算定およびこれに基づく等級製品原価の計算は、次のいずれかの方法による。

口語訳
「等価係数の算定」と「等価係数の算定にもとづいた等級製品の原価の計算」は次のどれかの方法による。

解説
等級別総合原価計算の方法には具体的には3つあります。その具体的な方法についてこれから書かれます。

(一) 各等級製品の重量、長さ、面積、純分度、熱量、硬度等原価の発生と関連ある製品の諸性質に基づいて等価係数を算定し、これを各等級製品の一期間における生産量に乗じた積数の比をもって、一期間の完成品の総合原価を一括的に各等級製品にあん分してその製品原価を計算し、これを製品単位に均分して単位原価を計算する。

口語訳
各等級製品の「重さ」「長さ」「面積」「純分度」「熱量」「硬度」などの原価の発生と関連がある性質にもとづいて等価係数を算定する。

そして、その等価係数を各等級製品の一期間における生産量にかけて積数を計算する。その積数の比を使って、一期間の完成品の総合原価をまとめて各等級製品に割り当ててその製品原価を計算する。最後に、その製品原価を製品単位に均等に配分して1個あたりの製品原価を計算する。

解説
一つ目に挙げられているこの方法が「完成品原価按分法」です。完成品総合原価を按分します。

計算の流れをざっくりとお伝えすると、「単純総合原価計算により完成品総合原価を計算」→「完成品総合原価を等価係数にもとづいて按分する」という形になります。

これは3つめに出てくる「総合原価按分法」を単純にしたものなので、「総合原価按分法(簡便法)」と言われることもあります。簿記2級で学習する等級別総合原価計算はこの方法です。

等級別総合原価計算

(二) 一期間の製造費用を構成する各原価要素につき、又はその性質に基づいて分類された数個の原価要素群につき、各等級製品の標準材料消費量、標準作業時間等各原価要素又は原価要素群の発生と関連ある物量的数値等に基づき、それぞれの等価係数を算定し、これを各等級製品の一期間における生産量に乗じた積数の比をもって、各原価要素又は原価要素群をあん分して、各等級製品の一期間の製造費用を計算し、この製造費用と各等級製品の期首仕掛品原価とを、当期における各等級製品の完成品とその期末仕掛品とに分割することにより、当期における各等級製品の総合原価を計算し、これを製品単位に均分して単位原価を計算する。

口語訳
「一期間の製造費用を構成する各原価要素」または「性質に基づいて分類された数個の原価要素群」について、各等級製品の原価要素(群)の発生と関連ある物量的な数値など(標準材料消費量や標準作業時間など)にもとづいて各等価係数を算定する。

そして、その等価係数を各等級製品の一期間における生産量にかけて積数を計算する。その積数の比を使って、各原価要素(群)を割り当てて、各等級製品の一期間の製造費用を計算する。

それから、この製造費用と各等級製品の期首仕掛品原価とを、当期の各等級製品の完成品と期末仕掛品とに分割することで当期の各等級製品の総合原価を計算する。

最後に製品原価を製品単位に均等に配分して1個あたりの製品原価を計算する。

解説
二つ目に挙げられているこの方法が「当月製造費用按分法」です

計算の流れをざっくりとお伝えすると、「等価係数を使って当月製造費用を按分する」→「按分された費用にもとづいて総合原価計算を行う」という形になります。

なので「組別総合原価計算に近い等級別総合原価計算」などと言われたりもします。

この場合、原価要素別又は原価要素群別に定めた等価係数を個別的に適用しないで、各原価要素又は原価要素群の重要性を加味して総括し、この総括的等価係数に基づいて、一期間の完成品の総合原価を一括的に各等級製品にあん分して、その製品原価を計算することができる。

口語訳
この場合、原価要素(群)別に定めた等価係数を個別的に適用せず、各原価要素(群)の重要性を加味してまとめ、この総括的等価係数によって一期間の完成品総合原価をまとめて各等級製品に割り当て、その製品原価を計算することができる。

解説
ここで挙げられている方法が「総合原価按分法」です。当月製造費用按分法のように等価係数を使って当月製造費用を按分せずに計算することもできると書かれています。

その場合、各等級製品がまとまったまま完成品総合原価と月末仕掛品原価が計算され、最後に総括的等価係数によって各等級製品に割り当てられることになります。

計算の流れをざっくりとお伝えすると、「各等級製品の月初仕掛品同士、当月投入同士を合計する」→「各等級製品に分けずに一括して、完成品と月末仕掛品へ配分する」→「完成品原価と月末仕掛品原価を等価係数を使って各等級製品へ配分する」という形になります。

なので「単純総合原価計算に近い等級別総合原価計算」などと言われたりもします。

等級別総合原価計算は3つの方法があるのですが、等価係数を使うタイミングをまとめると次のようになります。

  • 完成品原価按分法:完成品原価を各等級製品に配分するとき
  • 当月製造費用按分法:当月製造費用を各等級製品に配分するとき
  • 総合原価按分法:完成品原価と月末仕掛品原価を各等級製品に配分するとき

3つの方法の最も大きな違いは等価係数を使うタイミングにあるので、ここを中心に区別しておくと理解しやすいと思います。

これで原価計算基準の第二章の二二である「等級別総合原価計算」は全て終了です。原文は非常に読みづらいのでできるだけ分かりやすく解説(口語訳)しました。このような形で意味を理解しながら原文を何度も読み込むことで、徐々に原価計算基準を自分のものにしていってください。

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