直接労務費差異

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こんにちは、簿記合格請負人の平野です。この記事では直接労務費差異について解説します。

直接労務費差異

直接労務費差異は、標準原価による直接労務費と実際に発生した直接労務費との差額です。直接労務費差異を求める計算式は次のようになります。

  • 直接労務費差異=(標準賃率×標準作業時間)-(実際賃率×実際作業時間)

直接労務費差異は部門別または作業種類別に賃率差異と作業時間差異に分析します

賃率差異

賃率差異は標準賃率と実際賃率との差に実際作業時間をかけて計算します。賃率差異を求める計算式は次のようになります。

  • 賃率差異=(標準賃率-実際賃率)×実際作業時間

作業時間差異

作業時間差異は標準作業時間と実際作業時間との差に、標準賃率をかけて計算します。作業時間差異を求める計算式は下のようになります。

  • 作業時間差異=(標準作業時間-実際作業時間)×標準賃率

これらの計算式は覚える必要はありません。次に解説する面積図を使って計算します。

面積図による直接労務費差異の考え方

面積図で直接労務費差異を分析すると次のようになります。

直接労務費差異

縦軸が賃率、横軸が作業時間です。実際の数値がどうであっても、必ず内側に「標準」を書くことが大切です。

また、この長方形全体の面積が実際に発生した直接労務費を表していることを確認しておいてください。この面積図をきちんと使えれば計算式を覚えなくても直接労務費差異分析はできます。計算式を覚えず、面積図の使い方を身につけてください

不利差異と有利差異の判断

  • 不利差異=借方差異=借方に発生するから「費用」
  • 有利差異=貸方差異=貸方に発生するから「収益」

まずは上の考え方を身につけてください。次にこの考え方に下の考え方を積み重ねてください。

  • 実際>標準=予定よりも多くの費用がかかっている=不利差異
  • 実際<標準=予定よりも少ない費用ですんでいる=有利差異

このように考えれば、暗記しなくても不利差異と有利差異の判断ができます。

直接労務費差異の具体例

資料

1.標準原価カード(製品1単位あたりの標準原価)

標準作業時間 標準賃率 標準原価
直接労務費 2時間 @500円 1,000円

2.当月の生産実績

月初仕掛品 500個(40%)
当月投入  2,500個
計     3,000個
月末仕掛品 600個(50%)
完成品   2,400個

  • カッコ内は加工進捗度を表す。

3.当月原価実績(実際原価)

実際賃率 実際作業時間
直接労務費 @600円 5,200時間

上の資料をもとに直接労務費差異の差異分析を行ってみましょう。

考え方

まずは面積図で考えます。標準作業時間だけ計算が必要です。

  • 標準作業時間(5,000時間)=製品1単位あたりの標準作業時間(2時間)×当月投入量(2,500個)

当月投入量は次のボックス図から分かります(労務費は加工費なので加工進捗度を考慮しなければなりません)。

仕掛品(直接労務費差異)

個数は完成品数量ではなく当月投入量を使うことが大切です。

労務費の消費高は当月投入量に振り替えられるため労務費の消費高と当月投入量は同じになるからです。次の図の勘定連絡図をイメージしておけば大丈夫です。

勘定連絡図(直接労務費差異)

それ以外は資料に数値が書いてあるので、それを書き写すことになります。面積図を描くと次のようになります。

直接労務費差異

次に、それぞれの面積を計算して求めましょう。面積図は次のようになります。

直接労務費差異

一応計算式を示すと次のようになりますが、この計算式を覚える必要はありません。

  • 賃率差異(520,000円)=(標準賃率@500円-実際賃率@600円)×実際作業時間(5,200時間)

「実際賃率>標準賃率」なので予定より多く原価がかかってしまっているところから不利差異となります。

  • 作業時間差異(100,000円)=(標準作業時間5,000時間-実際作業時間5,200時間)×標準賃率(@500円)

「実際作業時間>標準作業時間」なので予定より多く原価がかかってしまっているところから不利差異となります(計算式では不利差異はマイナスとなるのですが、面積図ではマイナスとはならないので、ここでもそれぞれの差異はプラスで表しています)。

  • 直接労務費差異(620,000円)=(標準賃率@500円×標準作業時間5,000時間)-(実際賃率@600円×実際作業時間5,200時間)

また、直接労務費差異は賃率差異と作業時間差異の合計なので以下の式も成り立ちます(ここでは不利差異をマイナスの数で表しています)。

  • 直接労務費差異(-620,000円)=賃率差異(-520,000円)+作業時間差異(-100,000円)

解答

  • 直接労務費差異:620,000(不利差異)
  • 賃率差異:520,000円(不利差異)
  • 作業時間差異:100,000円(不利差異)

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“直接労務費差異” への2件のフィードバック

  1. maistones より:

    公開頂いている情報活用させて頂きお世話になっています。

    誤記がありそうなのでご連絡です。

    直接労務費の作業時間差異の計算式

    現×? •作業時間差異=(標準消費数量-実際消費数量)×標準賃率
    正○? •作業時間差異=(標準作業時間-実際作業時間)×標準賃率

    以上です。

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