- 簿記の勉強が工業簿記に入ったんだけど……
- どうやったら工業簿記が得意にできるのか分からない
- 工業簿記の勉強のコツについて教えて!
工業簿記は簿記3級では勉強しなかったので、簿記2級で工業簿記の勉強に入ったときにとまどってしまう方が非常に多いです。
私は簿記通信講座を2012年から運営してきて数百名の合格者をこれまでに送り出させていただきました。もちろん工業簿記を得意にするコツについても熟知しています。
この記事では工業簿記を得意にするコツについて解説します。
この記事を読めば、工業簿記を得意にするコツがわかるので、工業簿記の勉強をスムーズに進めていくことができるようになります。
結論を一言で言うと、工業簿記を勉強するときは「商業簿記との共通点を意識する」「商業簿記と違う点を意識する」「製造している場面を具体的にイメージする」「工業簿記のどの段階を学習しているのかを意識する」の4つを意識することが大切です。
工業簿記を得意にする4つのポイント
工業簿記は簿記2級から学習する新しい分野なので最初はとまどう人も多いです。工業簿記を得意にするために次の4つのポイントをおさえて勉強してください。
商業簿記との共通点を意識する
工業簿記も商業簿記と同じ簿記ですから、当然共通点も多くあります。商業簿記と同じところは「商業簿記と同じ」と意識することで楽に理解する事ができます。
商業簿記と違う点を意識する
工業簿記も商業簿記も同じ簿記ですが、全く同じならば分ける必要はありません。当然違う点もあります。商業簿記と違うところは「商業簿記と違う」と意識することが大切です。
製造している場面を具体的にイメージする
工業簿記は、企業の中で製品を製造します。製造をイメージすることで理解が深まります。料理やプラモデルの作成など、具体的に何かを作っているところをイメージすることが大切です。
工業簿記のどの段階を学習しているのかを意識する
工業簿記は製品を製造します。製造にはいろいろな過程があります。製造過程のどの段階を学習しているのかを意識することで理解が深まります。
この4つを意識することで理解が進みます。また、学習も楽しくなります。
【まとめ】工業簿記を得意にする4つのポイント
工業簿記を勉強するときは次の4つを意識することが大切です。
- 商業簿記との共通点を意識する
- 商業簿記と違う点を意識する
- 製造している場面を具体的にイメージする
- 工業簿記のどの段階を学習しているのかを意識する
コメント
■いよいよ工簿
リョウさん
おはようございます。
簿記独学講座、いよいよ工業簿記ですね!
1級の学習でも参考にさせて頂きます(^-^)
楽しみにしてます!
コメントありがとうございます。
いよいよ工業簿記ですね。予想以上に商業簿記の分量が多かったです。工業簿記もどんどん更新していきます。
みんとさんの期待にこたえられるようがんばります。
■総合原価計算について
こんにちはいつもお世話になっています。
総合原価計算の減損が工程の途中の一定点
で発生した場合について教えて下さい。
1.生産データ
月初仕掛品250kg(40%)
当月投入 1,000kg
月末仕掛品200kg(50%)
正常減損50kg
完成品1,000kg
2.原価データ
月初仕掛品原価 直接材料費181,200
加工費96,200
当月製造費用 直接材料費706,800
加工費925,680
上記の設定において
●パターン①(こちらはわかります)
正常減損が進捗度30%で発生した場合で月末仕掛品原価の計算が先入先出法
この場合はテキストにのっているのでわかります。考え方は月末仕掛品は進捗度50%なので今回発生した減損は完成品と月末仕掛品の両者に負担させる。また、月初仕掛品については減損の進捗度30%を通過している40%であるため考えなくてよい。
この場合の計算方法は減損の50kgと換算量15kgはもともと投入されていなかったと考えて当月投入の1,000kgと換算量1,015kgから引いて計算する。
よって計算して行くと
月末仕掛品原価
直接材料費148,800
加工費92,568
完成品総合原価
直接材料費739,200
加工費929,312
となります。
●パターン②(こちらがわかりません)
正常減損が進捗度45%で発生した場合で月末仕掛品原価の計算が先入先出法
この場合、パターン①と違うのは月初仕掛品が今回の減損の進捗度45%より前の進捗度40%であるため、今回の減損を考える対象となるので、どのようにその事が計算に反映されるのかがわかりません。
パターン①では
「計算方法は減損の50kgと換算量15kgはもともと投入されていなかったと考えて当月投入の1,000kgと換算量1,015kgから引いて計算する。」でしたが今回は減損の対象が当月投入だけでなく月初仕掛品にもあるためパターン①のように当月投入だけから引くという考え方ではおかしいような気がしますがどのように処理すればいいかわかりません。
すみませんが教えて下さい。
よろしくお願いします。
みかんさんがおっしゃっていることは理論的に正しいですし、その正しさをきちんと反映した計算をすべきだと主張している学者の方もいらっしゃいます。
しかし、以下の2つの理由により、減損は全て当期着手分から発生したものだと考えることになっています。
・月初仕掛品からの減損と当期着手分からの減損は区別するのは極めて困難
・月初仕掛品と当期着手分は通常は当期着手分の方が圧倒的に大きいので、全ての減損が当期着手分から発生したと考えても問題ない
よって、2のパターンであっても1のパターンとほぼ同じ解法になります(数字は若干変わります)。
理論的には正しくても実際には使えないため採用されていない、検定試験でも問われないということだと考えるといいと思います。
お答えありがとうございます。
一部理解できないのがリョウさんの説明を読む限りではパターン①もパターン②も全く同じ解法で同じ結果になるような気がするのですが、「ほぼ同じ解法」で「数字は若干変わる」というのはどういうことなのでしょうか?
2級の範囲ではない難しい論点のようでしたら、これ以上考えないでおこうと思います。
すみませんがもう一度教えて下さい
よろしくお願いします。
簿記2級では度外視法のみだということを忘れていました(減損や仕損をなかったことにして考える方法を度外視法といいます)。申し訳ありません。度外視法では数字まで一致します。
非度外視法(減損や仕損を把握して配分する方法)の場合は若干数字が変わってくるのですが、簿記1級の範囲なので気にしないでください。ここを勘違いしてしまいました。
混乱させてしまって申し訳ありませんでした。
ちなみに、期首仕掛品と当期着手を分けて考えることは簿記1級でもありません。簿記1級を超えた研究レベルでの内容です。ここを疑問に思われたみかんさんの気付きには正直感服しました。
お答えありがとうございます。
スッキリしました。
工業簿記のブログ、これから楽しみにしています。
今後ともよろしくお願いしたします。
こちらこそよろしくお願いします。