総合原価計算における仕損と減損の会計処理

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こんにちは、簿記合格請負人の平野です。この記事では総合原価計算における仕損と減損の会計処理について解説します。

総合原価計算における仕損と減損

仕損

製品の製造中になんらかの原因で加工に失敗することがあります。失敗してしまうと、製品としては不合格となってしまう(その製品の基準を満たせない)ので、通常の製品と同じに売ることはできません。

このような不合格品の発生を仕損といいます。また、仕損の発生による損失のことを仕損費といいます

個別原価計算でも仕損が出てきましたが、仕損そのものの意味は個別原価計算での仕損と同じです。違うのは処理方法になります。

減損

製品を製造するときに材料などを投入しますが、製品を加工するときに材料が蒸発したり流れていったりすることで減ってしまうことがあります。このように材料が減ってしまうことを減損といいます。また、減損の発生による損失のことを減損費といいます

仕損と減損の違い

仕損は、通常の製品と同じには売ることができないとはいえ、形がきちんとあります。そのため、材料として再利用したり、手直しをして規格外品として通常より安く売ったりすることもできます。

それに対して減損は形がありません。そのため、材料として再利用することも手直しをして規格外品として通常より安く売ることもできません。

これが仕損と減損の違いになります。

仕損と減損の会計処理

仕損や減損が発生した場合、原価計算上どのように処理するのかは、その仕損や減損が正常なものか異常なものかによります。

正常な発生額の処理

製造を行うと必ずといっていいほど発生し、避けることができない仕損や減損のことを正常仕損・正常減損といいます。これらは通常発生する費用なので原価に算入します。よって、正常仕損や正常減損は完成品や月末仕掛品に負担させることになります。

異常な発生額の処理

通常発生する程度を超えて大量に発生する仕損や減損を異常仕損・異常減損といいます。これらの仕損や減損は異常なものなので原価には算入しません。非原価項目として処理します

ちなみに、簿記2級では正常仕損や正常減損しか出題されないので、これからは正常仕損や正常減損に絞って解説します。

仕損と減損の処理方法の違い

仕損品に利用価値がある場合のみ計算が若干異なります(減損には価値がありません)が、それ以外は仕損も減損も、原価計算における処理方法は同じです。本質的には仕損も減損も同じなので、同じように考えて構いません。

正常仕損費・正常減損費の会計処理

正常仕損費・正常減損費は、完成品と月末仕掛品に負担させます。ただし、いつも完成品と月末仕掛品の両方に負担させるわけではありません。完成品にのみに負担させることもあります。

つまり次の2つの処理方法があるということになります。

  • 完成品にのみ負担させる場合
  • 完成品と月末仕掛品の両方に負担させる場合

完成品にのみ負担させる場合

正常仕損・正常減損が月末仕掛品の加工進捗度よりも後の時点で発生した場合には、正常仕損費・正常減損費は月末仕掛品には負担させず、完成品にのみ負担させます。図で示すと次のようになります。

完成品のみ負担

「月末仕掛品の加工進捗度<仕損・減損の発生点」…完成品のみ負担

月末仕掛品の進捗度よりも仕損・減損の発生点が後だということは、月末仕掛品の完成度の時点では仕損・減損は発生していないということになります。

具体的に考えてみるとよく分かります。月末仕掛品の加工進捗度が40%で、仕損・減損の発生点が70%だとしましょう。

月末仕掛品の時点ではまだ仕損・減損は発生していません。月末仕掛品の加工がさらにあと30%進み、70%まで加工が進んだ時点で仕損・減損が発生するからです。ということは仕損費・減損費は完成品のみに負担させるのが合理的です。

完成品と月末仕掛品の両方に負担させる場合

正常減損・正常仕損が月末仕掛品の加工進捗度よりも前または同じ時点で発生した場合には、正常仕損費・正常減損費は完成品と月末仕掛品の両方に負担させます。図で示すと次のようになります。

両者負担

「仕損・減損の発生点≦月末仕掛品の加工進捗度」…完成品と月末仕掛品の両者負担

仕損・減損の発生点よりも月末仕掛品の進捗度が後だということは、月末仕掛品は仕損・減損が発生したあとの仕掛品だということになります。

具体的に考えてみるとよく分かります。仕損・減損の発生点が40%で、月末仕掛品の加工進捗度が70%だとしましょう。月末仕掛品は仕損・減損が発生したあと、さらに30%の加工を行った仕掛品だということになります。

ということは、仕損費・減損費は月末仕掛品にも負担させるのが合理的です。

このように月末仕掛品の加工進捗度と仕損・減損の発生点との関係で2つの処理方法を使い分けることになります。

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