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【簿記2級】連結会計2年目の開始仕訳

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  • 連結会計を勉強していたら連結2年目の問題が出てきたんだけど……
  • 連結会計2年目の開始仕訳がよく分からない
  • 連結会計2年目の開始仕訳について教えて!

連結会計そのものが非常に難解な論点ですが、その中でも連結会計2年目の開始仕訳はさらに応用なので難しいと感じている方が非常に多いです。

私は簿記通信講座を2012年から運営してきて数百名の合格者をこれまでに送り出させていただきました。もちろん連結会計2年目の開始仕訳についても熟知しています。

この記事では連結会計2年目の開始仕訳について具体例を使いながらわかりやすく解説します。

この記事を読めば、連結会計2年目の開始仕訳についてより深く理解できるので、簿記2級で連結会計2年目の開始仕訳の問題が出題されても自信を持って解答できるようになります。

結論を一言で言うと、連結会計2年目の開始仕訳では「第1年度の期末の純資産の金額に影響を与えている勘定科目」を全て「連結株主資本等変動計算書で使われる勘定科目」に置きかえます。

この記事では連結会計2年目の開始仕訳について解説しています。

簿記2級の範囲の連結会計について総合的に知りたい方は「【簿記】連結財務諸表とは何かわかりやすく」をご覧ください。

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連結会計2年目の開始仕訳

連結第2年度の考え方は連結第1年度と基本的には同じです。まずは第1年度までに行った連結修正消去仕訳を開始仕訳として繰り返し、次に第2年度での連結修正消去仕訳を行います。

重要なことは連結第2年度の開始仕訳では「第1年度の期末の純資産の金額に影響を与えている勘定科目」は全て「連結株主資本等変動計算書で使われる勘定科目」に置きかえるということです。

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連結会計2年目の開始仕訳の具体例

資料

当社は、平成×1年3月31日にS社の議決権の60%を1,040,000円で取得し、支配を獲得した。平成×1年3月31日現在の当社とS社の貸借対照表は次のとおりである。

支配を獲得した後の連結修正消去仕訳(貸借対照表)

支配獲得時のS社の諸資産と諸負債の時価は帳簿価額と同一であった。また、前期(平成×1年4月1日から平成×2年3月31日まで)の当社とS社の個別財務諸表は次の通りである。

支配を獲得した後の連結修正消去仕訳(損益計算書)
支配を獲得した後の連結修正消去仕訳(株主資本等変動計算書)
支配を獲得した後の連結修正消去仕訳(貸借対照表2)

のれんの償却は、計上年度の翌年から20年で償却を行う。

この資料から平成×3年3月31日(連結第2年度)における開始仕訳を行ってみましょう。

まずは支配獲得時の連結貸借対照表を作るときの仕訳を切ります。

投資と資本の相殺消去

当社はS社に1,040,000円投資し、子会社株式として計上しています。子会社株式は消去するので『(貸)子会社株式1,040,000』となります。

次に子会社の資本を消去します。

当社から出資を受けているS社の資本は資本金800,000円、資本剰余金400,000円、利益剰余金400,000円です。資本金800,000円、資本剰余金400,000円、利益剰余金400,000円を消去します。

開始仕訳なので、「資本金」は「資本金前期末残高」、「資本剰余金」は「資本剰余金前期末残高」、「利益剰余金」は「利益剰余金前期末残高」を使います。

よって『(借)資本金前期末残高800,000』『(借)資本剰余金前期末残高400,000』『(借)利益剰余金前期末残高400,000』となります。これで資本が消去されました。

次にのれんを計算します。子会社の純資産は(資本金800,000円+資本剰余金400,000円+利益剰余金400,000円=)1,600,000円です。

子会社の純資産1,600,000円の60%である960,000円を1,040,000円支払って手に入れています。

よって、差額(子会社株式1,040,000円-子会社の純資産の親会社持分960,000円=)80,000円はのれんとなります。『(借)のれん80,000』となります。

最後に非支配株主持分です。子会社の純資産1,600,000円の40%である640,000円が非支配株主持分です。

非支配株主持分は純資産の勘定科目なので連結株主資本等変動計算書を修正するための勘定科目に置き換えます。よって『(貸)非支配株主持分前期末残高640,000』となります。

次に前期末(平成×2年3月31日)の連結修正消去仕訳に入ります。

平成×3年3月31日からみれば、平成×2年3月31日に行う「のれんの償却」や「子会社の当期純利益の振替」も開始仕訳になります。

のれんの償却

まずはのれんの償却です。のれん80,000円を20年で償却するので、のれん償却額は(のれん80,000円÷償却年数20年=)4,000円となります。

4,000円をのれんから減額するので『(貸)のれん4,000』となります。

次は借方です。のれんの償却額は通常は「のれん償却額」という勘定科目を使うのですが、連結会計2年目では「1年目ののれんの償却」は前期の費用の修正にあたります

そこで、連結株主資本等変動計算書で使われる勘定科目で処理します。

のれん償却額は前期から繰り越されてくる利益剰余金の修正なので「利益剰余金前期末残高」という勘定科目を使います。よって『(借)利益剰余金前期末残高4,000』となります。

子会社の当期純利益の振替

次に子会社の当期純利益の振替です。子会社の利益は120,000円計上されていますが、子会社の利益120,000円の40%である48,000円は非支配株主の利益です。

連結損益計算書には親会社の持分に対応する利益しか計上しないので、非支配株主持分に対応する利益は控除します。

非支配株主持分に対応する利益を控除する場合、当期の連結修正消去仕訳であれば「非支配株主に帰属する当期純利益」を使います。

しかし、連結会計2年目では「1年目の子会社の当期純利益の振替」は前期の費用の修正にあたります。そこで、連結株主資本等変動計算書で使われる勘定科目で処理します。

「非支配株主に帰属する当期純利益」は前期から繰り越されてくる利益剰余金の修正なので利益剰余金前期末残高という勘定科目を使います。よって『(借)利益剰余金前期末残高48,000』となります。

また、連結損益計算書から控除された利益である48,000円は非支配株主の持分なので連結株主資本等変動計算書の非支配株主持分が増加します。

非支配株主持分に対応する利益を控除する仕訳が当期の連結修正消去仕訳であれば「非支配株主持分当期変動額」を使います。

しかし、開始仕訳なので当期ではなく前期です。よって「非支配株主持分前期末残高」を使うので『(貸)非支配株主持分前期末残高48,000』となります。

借方金額貸方金額
資本金前期末残高
資本金剰余金前期末残高
利益剰余金前期末残高
のれん
800,000
400,000
400,000
80,000
子会社株式
非支配株主持分前期末残高
1,040,000
640,000
利益剰余金前期末残高
利益剰余金前期末残高
4,000
48,000
のれん
非支配株主持分前期末残高
4,000
48,000

この仕訳を切ったあと連結第2年度の連結修正消去仕訳を行います。

連結第2年度の連結修正消去仕訳は「支配獲得日後の連結修正仕訳」で解説した連結第1年度の連結修正消去仕訳と同じです。

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【まとめ】【簿記2級】連結会計2年目の開始仕訳

連結会計2年目の開始仕訳では、最初に第1年度までに行った連結修正消去仕訳を開始仕訳として繰り返し、次に第2年度での連結修正消去仕訳を行います。

第1年度までに行った連結修正消去仕訳を開始仕訳として繰り返すときに「第1年度の期末の純資産の金額に影響を与えている勘定科目」は全て「連結株主資本等変動計算書で使われる勘定科目」に置きかえます。

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