【簿記2級】有形固定資産の売却【帳簿価額も求める問題】

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  • 簿記を勉強していると有形固定資産を売却する問題が出てきたんだけど……
  • 帳簿価額が与えられていない有形固定資産を売却する仕訳が分からない
  • 帳簿価額も求めないといけない問題の解き方を教えて!

簿記2級になると、帳簿価額が分からない有形固定資産を売却する問題が出題されます。帳簿価額が分からない場合は計算が複雑になるので苦手にしてしまう方が非常に多いです。

私は簿記通信講座を2012年から運営してきて数百名の合格者をこれまでに送り出させていただきました。もちろん帳簿価額が分からない有形固定資産を売却する問題についても熟知しています。

この記事では帳簿価額が分からない有形固定資産を売却する問題を解くときの考え方、計算方法について解説します。

この記事を読めば帳簿価額が分からない有形固定資産を売却する問題の解き方が理解できるので、簿記2級の試験で出題されても自信を持って解くことができます。

結論を一言で言うと、帳簿価額が分からない有形固定資産を売却する問題を解くためには、過去の減価償却累計額を計算してから減価償却費を計算することになります。

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有形固定資産を売却する問題は簿記3級で学習しています。詳しくは「【簿記3級】固定資産の取得と売却の仕訳」で詳しく解説しています。

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有形固定資産の売却(定額法)

例題

平成×4年4月1日に不要となった備品(取得日:平成×1年4月1日、取得原価:5,000,000円、残存価額:取得原価の10%、耐用年数:9年、記帳方法:間接法、償却方法:定額法)を3,000,000円で売却し、代金は現金で受け取った。

この例題の仕訳について考えてみましょう(会計期間1年、4月1日~3月31日)。

定額法の場合は毎年同じ額の減価償却費が計上されます。まずは、毎年の減価償却費の金額を求めると、(取得原価5,000,000円×90%÷耐用年数9年=)500,000円となります。

よって間接法の減価償却費の仕訳は、決算時に次の仕訳を行います。

借方金額貸方金額
減価償却費500,000減価償却累計額500,000

この仕訳を、次のような形で、平成×2年3月31日、平成×3年3月31日、平成×4年3月31日と3期に渡って仕訳を切っているはずです。

有形固定資産の売却

よって、平成×4年3月31日時点の貸借対照表に書かれている減価償却累計額の金額は(1年間の減価償却費500,000円×前期末までの使用年数3年=)1,500,000円となっています。

現金3,000,000円で売却するので、仕訳は次のようになります。

借方金額貸方金額
減価償却累計額
現金
固定資産売却損
1,500,000
3,000,000
500,000
備品5,000,000

仕訳自体は簿記3級で学習した内容と同じです。

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有形固定資産の売却(定率法)

例題

平成×4年4月1日に不要となった備品(取得日:平成×1年4月1日、取得原価:5,000,000円、残存価額:取得原価の10%、耐用年数:8年、記帳方法:間接法、償却方法:定率法、償却率:25%)を3,000,000円で売却し、代金は現金で受け取った。

この例題の仕訳について考えてみましょう(会計期間1年、4月1日~3月31日)。

間接法の減価償却費の仕訳は、決算時に次のような仕訳を行います。

借方金額貸方金額
減価償却費×××減価償却累計額×××

定率法の減価償却費は定額法のように毎期同じ金額にはなりません。1期ずつ計算して求める必要があります。

平成×1年4月1日に購入した備品を平成×4年4月1日に売却しているので、次の形で、平成×2年3月31日、平成×3年3月31日、平成×4年3月31日と3期に渡って仕訳を切っているはずです。

有形固定資産の売却

また、それぞれの決算時における減価償却費は次のようになります。

  • 平成×2年3月31日:取得原価5,000,000円×償却率25%=1,250,000円
  • 平成×3年3月31日:(取得原価5,000,000円-平成×1年度減価償却費1,250,000円)×償却率25%=937,500円
  • 平成×4年3月31日:(取得原価5,000,000円-平成×1年度減価償却費1,250,000円-平成×2年度減価償却費937,500円)×償却率25%=703,125円

よって、平成×4年3月31日の貸借対照表にある減価償却累計額の金額は(平成×1年度減価償却費1,250,000円+平成×2年度減価償却費937,500円+平成×3年度減価償却費703,125円=)2,890,625円となります。

現金3,000,000円で売却するので、仕訳は次のようになります。

借方金額貸方金額
減価償却累計額
現金
2,890,625
3,000,000
備品
固定資産売却益
5,000,000
890,625

仕訳自体は簿記3級で学習した内容と同じです。

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減価償却累計額を求める際の高速電卓使用法

上の仕訳で、減価償却累計額の金額である『2,890,625』をスムーズに求めることができれば、この仕訳を高速で切ることができます。

減価償却累計額の金額である『2,890,625』を高速で求める方法について解説します。

先ほどの例で、各決算時の減価所却費は次のような計算で求まると解説しました。

  • 平成×2年3月31日:取得原価5,000,000円×償却率25%=1,250,000円
  • 平成×3年3月31日:(取得原価5,000,000円-平成×1年度減価償却費1,250,000円)×償却率25%=937,500円
  • 平成×4年3月31日:(取得原価5,000,000円-平成×1年度減価償却費1,250,000円-平成×2年度減価償却費937,500円)×償却率25%=703,125円

ということは、各決算時の帳簿価額は、次のようになるということです。

  • 平成×2年3月31日:取得原価5,000,000円-(取得原価5,000,000円×償却率25%)=3,750,000円
  • 平成×3年3月31日:期首帳簿価額3,750,000円-(期首帳簿価額3,750,000円×償却率25%)=2,812,500円
  • 平成×4年3月31日:期首帳簿価額2,812,500円-(期首帳簿価額2,812,500円×償却率25%)=2,109,375円

各決算時の帳簿価額は次のように計算することもできます。

  • 平成×2年3月31日…取得原価5,000,000×75%=3,750,000円
  • 平成×3年3月31日…期首帳簿価額3,750,000×75%=2,812,500円
  • 平成×4年3月31日…期首帳簿価額2,812,500×75%=2,109,375円

このように考えると、平成×4年3月31日時点での帳簿価額を「取得原価5,000,000×75%×75%×75%=2,109,375」という形で求めることができます。

ということは、平成×4年3月31日時点での減価償却累計額は「取得原価5,000,000-(取得原価5,000,000×75%×75%×75%)=2,890,625」で求まることになります。

カッコは本来不要ですが、分かりやすくするためにあえて使っています。

電卓で一発で求める方法は次の2つがあります。

減価償却費を計上した回数の数だけ=を押すことが大切です。電卓の使い方と合わせてきちんと理解して使いこなせるようにしておくと仕訳スピードが驚くほど速くなります。

電卓の使い方は丸暗記しても応用が利きません。丸暗記でやろうとするとミスを連発してしまいます。

使えるようにするためには、電卓の使い方をきちんと理解して自分が何を求めているのか把握しながら電卓を使えるようにしてください。

丸暗記するぐらいなら、時間がかかっても一期ずつ減価償却費を求めて仕訳を切るほうがミスが少なく安心です。

高度に電卓を使いこなせなくても簿記検定は十分合格できるので今すぐ身につける必要はありません。最終的にできるようになればいいというくらいに考えておくことをおすすめします。

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【まとめ】有形固定資産の売却【帳簿価額も求める問題】

帳簿価額が分からない有形固定資産を売却する問題を解くためには、過去の減価償却累計額を計算してから減価償却費を計算することになります。

定額法の場合、毎年同額が減価償却費として計上されるので、「1年間の減価償却費×前期末までの使用年数」で前期末の減価償却累計額を計算できます。

定率法の場合、減価償却費は毎年同額にはなりません。前期末までの減価償却費を1年ずつ計算して合計することで前期末の減価償却累計額を計算できます。

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コメント

  1. 吹雪 より:

    こちらも記載誤りの報告です。

    定率本3年目の箇所で、計算式中の「×0.75」が抜けております。
    ご確認ください。

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