有形固定資産の売却の取引と仕訳(簿記2級)

Pocket

こんにちは、簿記合格請負人の平野です。

有形固定資産の売却については簿記3級で学習済みです。簿記2級では帳簿価額を求めるために減価償却累計額をさかのぼって自分で計算しなければならない問題がよく出題されます。この記事では有形固定資産の売却の取引と仕訳について解説します。

有形固定資産の売却の取引と仕訳(定額法)

有形固定資産の売却

平成×4年4月1日に不要となった備品(取得日:平成×1年4月1日、取得原価:5,000,000円、残存価額:取得原価の10%、耐用年数:9年、記帳方法:間接法、償却方法:定額法)を3,000,000円で売却し、代金は現金で受け取った。

この場合の仕訳について考えてみましょう(会計期間1年、4月1日~3月31日)。

定額法の場合は毎年同じ額の減価償却費が計上されます。まずは、その減価償却費の金額を求めると、(5,000,000円×90%÷9年=)500,000円となります。

よって間接法の減価償却費の仕訳は、決算時に次の仕訳を行います。

借方 金額 貸方 金額
減価償却費 500,000 減価償却累計額 500,000

この仕訳を、次のような形で、平成×2年3月31日、平成×3年3月31日、平成×4年3月31日と3期に渡って仕訳を切っているはずです。

有形固定資産の売却

よって、平成×4年3月31日時点の貸借対照表に書かれている減価償却累計額の金額は、(500,000円×3年=)1,500,000円となっています。

これを現金3,000,000円で売却するので、仕訳は次のようになります。

借方 金額 貸方 金額
減価償却累計額
現金
固定資産売却損
1,500,000
3,000,000
500,000
備品 5,000,000

仕訳自体は簿記3級で学習した内容と変わりません。

有形固定資産の売却の取引と仕訳(定率法)

有形固定資産の売却

「平成×4年4月1日に不要となった備品(取得日:平成×1年4月1日、取得原価:5,000,000円、残存価額:取得原価の10%、耐用年数:8年、記帳方法:間接法、償却方法:定率法年25%)を3,000,000円で売却し、代金は現金で受け取った。

この場合の仕訳について考えてみましょう(会計期間1年、4月1日~3月31日)。

間接法の減価償却費の仕訳は、決算時に次のような仕訳を行います。

借方 金額 貸方 金額
減価償却費 ××× 減価償却累計額 ×××

定率法の減価償却費は定額法のように毎期同じ額にはなりません。よって、1期ずつ計算して求めます。

平成×1年4月1日に購入した備品を平成×4年4月1日に売却しているので、次の形で、平成×2年3月31日、平成×3年3月31日、平成×4年3月31日と3期に渡って仕訳を切っているはずです。

有形固定資産の売却

また、それぞれの決算時における減価償却費は次のようになります。

  • 平成×2年3月31日…5,000,000×25%=1,250,000円
  • 平成×3年3月31日…(5,000,000-1,250,000)×25%=937,500円
  • 平成×4年3月31日…(5,000,000-1,250,000-937,500)=703,125円

よって、平成×4年3月31日の貸借対照表にある減価償却累計額の金額は(1,250,000円+937,500円+703,125円=)2,890,625円となります。

これを現金3,000,000円で売却するので、仕訳は次のようになります。

借方 金額 貸方 金額
減価償却累計額
現金
2,890,625
3,000,000
備品
固定資産売却益
5,000,000
890,625

仕訳自体は簿記3級で学習した内容と変わりません。

減価償却累計額を求める際の高速電卓使用法

上の例の仕訳で、減価償却累計額の金額である『2,890,625』をスムーズに求めることができれば、この仕訳を高速で切ることができます。減価償却累計額の金額である『2,890,625』を高速で求める方法について解説します。

先ほどの例で、各決算時の減価所却費は次のような計算で求まると解説しました。

  • 平成×2年3月31日…5,000,000×25%=1,250,000円
  • 平成×3年3月31日…(5,000,000-1,250,000)×25%=937,500円
  • 平成×4年3月31日…(5,000,000-1,250,000-937,500)=703,125円

ということは、各決算時の帳簿価額は、次のようになるということです。

  • 平成×2年3月31日…5,000,000-(5,000,000×25%)=3.750,000円
  • 平成×3年3月31日…3,750,000-(3,750,000×25%)=2,812,500円
  • 平成×4年3月31日…2,812,500-(2,812,500×25%)=2,109,375円

そして、これは次のように計算することができます。

  • 平成×2年3月31日…5,000,000×75%=3.750,000円
  • 平成×3年3月31日…3,750,000×75%=2,812,500円
  • 平成×4年3月31日…2,812,500×75%=2,109,375円

このように考えると、平成×4年3月31日時点での帳簿価額を「5,000,000×75%×75%×75%=2,109,375」という形で求めることができます。

ということは、平成×4年3月31日時点での減価償却累計額は、「5,000,000-(5,000,000×75%×75%×75%)=2,890,625」で求まることになります(カッコは本来不要ですが、分かりやすくするためにあえて使っています)。

これを電卓で一発で求めるには、サインチェンジキー定数乗算を使って、[.][7][5][×][5][00][00][00][=][=][=][-][5][00][00][00][=][+/-]とするか、メモリー機能と定数乗算を使って、[.][7][5][×][5][00][00][00][=][=][=][M+][5][00][00][00][-][RM][=]とすることになります。

減価償却費を計上した回数の数だけ=を押すことが大切です。電卓の使い方と合わせてきちんと理解して使いこなせるようにしておくと仕訳スピードが驚くほど速くなります。

ちなみに、この電卓の使い方は丸暗記しても応用が利きません。丸暗記でやろうとするとミスを連発してしまいます。

使えるようにするためには、電卓の使い方をきちんと理解して自分が何を求めているのか把握しながら電卓を使えるようにしてください。丸暗記するぐらいなら、時間がかかっても一期ずつ減価償却費を求めて仕訳を切るほうがミスが少なく安心です

ここまで高度に電卓を使いこなせなくても簿記検定は十分合格できるので今すぐ身につける必要はありません。最終的にできるようになればいいというくらいに考えておいてください。

メルマガ登録フォーム

簿記革命メルマガ「簿記革命通信~簿記1級にラクラク合格する方法~」の登録フォームです。



お名前(名字のみ漢字でお願いします)

メールアドレス

Pocket

タグ:,

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

ページトップへ