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売上債権回転期間とは【計算方法や短くする方法をわかりやすく】

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  • 簿記を勉強していたら売上債権回転期間っていう言葉が出てきたんだけど……
  • 売上債権と売上債権以外の債権を区別する理由が分からない
  • 売上債権回転期間について教えて!

簿記を勉強していると売上債権回転期間という言葉が出てきますが、詳しく説明されることが少ないので、様々な疑問点を抱えている方が多いです。

私は簿記通信講座を2012年から運営してきて数百名の合格者をこれまでに送り出させていただきました。もちろん売上債権回転期間についても熟知しています。

この記事では売上債権回転期間について、簿記を勉強していて疑問に思われることが多いところを解説します。

この記事を読めば、売上債権回転期間についてより深く理解できるようになるので、余計な心配をせずに簿記の勉強をしていくことができるようになります。

結論を一言で言うと、売上債権回転期間は売上債権を回収するのに平均して何日かかっているのかを表す指標です。

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売上債権回転期間とは:売上債権の平均回収日数

売上債権の回収の効率を表す指標に売上債権回転期間があります。売上債権回転期間は次の計算式で求めます。

売上債権回転期間(日)=売上債権÷売上×365日

売上債権回転期間は売上債権を回収するのに平均して何日かかっているのかを表しています。

仮に決算日における売上債権が100,000円、当期の売上高が365,000円だった場合、売上債権回転期間は100,000円÷365,000円×365日=100日となるのですが、これは次のように考えることができます。

  • 1日あたりの売上高=当期の売上高365,000円÷365日=1,000円
  • 売上債権は何日分の売上高なのか=売上債権100,000円÷1日あたりの売上高1,000円=100日

このように考えると売上債権を回収するのにかかる期間が平均して100日かかっているということが分かります。

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売上債権回転期間を計算するときには裏書手形や割引手形も含む

売上債権回転期間は売上債権がどれくらいの期間で回収されているのかを意味する指標です。売上債権を効率的に回収することで売上債権回転期間は短くなります。

そう考えると、裏書手形や割引手形を売上債権に含まなかった場合、管理上まずいということが分かります。

受け取った手形を裏書譲渡したり割引したりするだけで売上債権回転期間が短くなってしまうからです。

裏書手形や割引手形に遡求義務がなければ売上債権に含まなくてもいいのですが、実際には遡求義務があります。

遡求義務があるので手形の支払義務者が代金を支払えなかった場合、支払義務者の代わりに支払わなければならなくなる可能性があります。

手形代金を支払う可能性があるので、手形を裏書したり割引したりしても本当の意味で代金を回収したことにはなりません。

というわけで裏書手形や割引手形も売上債権に含みます

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売上債権の計算式:売上債権=受取手形(裏書手形・割引手形含む)+売掛金+電子記録債権

売上債権は次の計算で求めることになります。

売上債権=受取手形(裏書手形・割引手形含む)+売掛金+電子記録債権

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売上債権回転期間の計算式では消費税を含んだ売上を使う

消費税の会計処理には税込方式と税抜方式の2つがあります。

関連記事

消費税の会計処理については「【簿記】消費税の仕訳【税抜方式(簿記3級)と税込方式の処理方法をわかりやすく】」で詳しく解説しています。

仮に1,000,000円(税抜)の商品を1,100,000円(税込)で販売した場合、税抜方式、税込方式それぞれの仕訳は次のようになります。

代金は売上債権で受け取ったものとします。

税抜方式の仕訳

借方金額貸方金額
売上債権1,100,000売上
仮受消費税
1,000,000
100,000

税込方式の仕訳

借方金額貸方金額
売上債権1,100,000売上1,100,000

この仕訳から分かることは、税込方式では売上も売上債権も税込で計上されるのに対し、税抜方式では売上債権だけが税込で売上は税抜で計上されるということです。

税抜方式を採用しているのか税込方式を採用しているのかで売上債権回転期間が変わってきます

税抜方式を採用している企業の売上債権回転期間を計算する場合は売上高を1.1倍して計算するという方法が考えられますが、現在の消費税率は8%のものと10%のものがあり、正確に計算するのは難しいです。

そこで、税抜方式を採用している場合は消費税率を8%から10%の間のいずれかとし、その消費税を売上に加算することで、ざっくりと売上債権回転期間を計算することになります

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売上債権回転期間が長い3つの理由

売上債権回転期間は短ければ短いほどよいです。売上債権回転期間が短ければ、短期間で売上債権を回収できているということだからです。

しかし、売上債権回転期間が長くなってしまうことがあります。売上債権回転期間が長くなってしまうのには次のような理由が考えられます。

  • 押し売りをしている
  • 財務状態が悪い得意先と取引している
  • 粉飾決算をしている

押し売りをしている

決算日前などに「営業マンがノルマ達成のため」や「決算を無理やりよくするため」などの理由で返品を覚悟で強引に販売していることがあります。

こういったことを行った場合、決算日前に次の仕訳で表される取引が増えることになります。

借方金額貸方金額
売上債権×××売上×××

結果、売上債権回転期間が長くなります。

財務状態が悪い得意先と取引している

財務状態が悪い得意先と取引している場合、本来の回収日に回収できなかったり、回収期間を長くするよう依頼されたりして売上債権回転機関が長くなります。

粉飾決算をしている

粉飾決算の手法の一つに循環取引があります。

循環取引を行うと本来売上とはならない売上が売上高として計上されることになりますが、代金を支払われることは当然ありませんので、売上債権がどんどん積みあがることになります。

3つの例から分かるように売上債権回転期間が長くなる理由にいい理由はありません。売上債権回転期間は短いに越したことはない指標であると言えます。

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運転資金回転期間:棚卸資産回転期間-買入債務回転期間+売上債権回転期間

売上債権回転期間を使って計算されるのが運転資金回転期間です。

運転資金回転期間とは、運転資金が回転する期間で、現金が仕入に使われ、その商品が売れることで売上債権となり、その売上債権が回収されることで現金に戻るのにかかる期間のことです。

この期間が大まかにでも分かることで、いくらくらいの運転資金を用意しておかなければならないかも分かります。

運転資金回転期間は次の計算式で求まることになります。

運転資金回転期間=棚卸資産回転期間-買入債務回転期間+売上債権回転期間

  • 棚卸資産回転期間:商品を仕入れてからその商品が販売されるまでの期間
  • 買入債務回転期間:商品を仕入れてからその商品代金を支払うまでの期間
  • 売上債権回転期間:商品が売れてからその商品代金を回収するまでの期間

例えば、商品を仕入れたのが4月1日、商品の代金を支払ったのが4月30日、商品が売れたのが5月31日、商品代金を回収したのが6月30日だった場合、棚卸資産回転期間、買入債務回転期間、売上債権回転期間は次のようになります。

  • 棚卸資産回転期間:4月1日から5月31日の60日間
  • 買入債務回転期間:4月1日から4月30日の29日間
  • 売上債権回転期間:5月31日から6月30日の30日間

よって運転資金回転期間は棚卸資産回転期間(60日)-買入債務回転期間(29日)+売上債権回転期間(30日)=61日になります。

運転資金の動きだけ見ると、商品代金を4月30日に支払い、販売した商品の代金を6月30日に回収しているので、現金が再び現金になるのに61日かかっているということが分かります。

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【まとめ】売上債権回転期間とは【計算方法や短くする方法をわかりやすく】

売上債権回転期間は売上債権を回収するのに平均して何日かかっているのかを表す指標です。売上債権回転期間を計算するときには裏書手形や割引手形も含みます。

売上債権回転期間の計算式では消費税を含んだ売上を使います。

税抜方式を採用している企業と税込み方式を採用している企業を比較する場合は、税抜方式を採用している企業の売上を消費税率を8%から10%の間の間で消費税を売上に加算して計算します。

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