社債の償還の取引と仕訳

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こんにちは、簿記合格請負人の平野です。この記事では、社債の償還の取引と仕訳について解説します。

社債の償還

社債を買い入れることを社債の償還といいます。社債を買い入れるということは発行した社債を買い戻すことになるので、借りたお金を返すことと本質的には同じです。

社債の償還には2種類あります。「満期償還」と「買入償還」です。

満期償還

社債の満期日に社債を買い入れ、償還することを満期償還といいます。借入金を返済期日に返済する形がこの満期償還になります。

満期までは返さなくていいと考えて社債を発行しているので、満期までは返済しないのが普通です。よって満期償還が一般的な償還の仕方ということになります。

買入償還

満期日前に市場から時価で社債を買い入れ、償還することを買入償還といいます。社債には株式と同じように市場があり、そこで取引が行われています。その市場で取引されている社債を社債の発行者が買い入れることが買入償還です。

当初としては長期間返さなくていい資金として借りているので買入償還をするのは予定通りとは言えません。しかし、予想以上に収益が上がり、資金に余裕が出来た場合、満期日まで待つ必要がないということもありえます。

社債を発行している間は利息を支払わなければならないので、資金に余裕ができて早くに返済できるなら返済してしまいたいところです。こういった場合には買入償還をすることがあります。

社債の買入償還の取引と仕訳

社債の満期償還は社債(概論)で解説しました。この記事では社債の買入償還の取引と仕訳について解説します。

社債の発行(社債償還益)

「平成23年4月1日(期首)に、額面総額2,000,000円の社債を、額面100円につき94円で発行し、払込金は当座預金とした。なお、償還期限は3年、クーポン利息0、決算日は3月31日とする。」場合の仕訳について考えてみましょう。

これは社債の発行と同じ仕訳です。社債(概論)でお伝えした仕訳と同じ考え方になります。よって、次のようになります。

借方 金額 貸方 金額
当座預金 1,880,000 社債 1,880,000

社債の買入償還(社債償還益)

「平成24年3月31日(決算日)に、上記で発行した社債を額面100円につき95円で買入償還し、代金は小切手を振り出して支払った」場合の仕訳について考えてみましょう。

まず、決算日なので償却原価法による仕訳を考えます。額面総額2,000,000円から払込金額1,880,000円を引いた金額120,000円が利息の前払いに相当する金額になります。償還期限が3年なので、この120,000円が3年分の利息の前払いということになります。

このうち当期の分の利息は1年なので、このうち1年分が償却原価法によって計算される金額になります。120,000円÷3=40,000円が当期の分の利息になります。よって仕訳は次のようになります。

借方 金額 貸方 金額
社債利息 40,000 社債 40,000

この仕訳を切ったことで社債の帳簿価額(1,880,000円+40,000円=)1,920,000円が決算日時点での社債のあるべき金額になります。

次は買入償還の仕訳です。社債を償還するので、この社債がなくなります。よって、『(借)社債1,920,000』となります。

次は振り出した小切手の金額を考えます。「額面100円につき95円で買入償還し」と問題文にありますが、これはこの社債が市場では額面100円につき95円で取引されていたところを買入償還したということを意味します。

このときのこの社債の代金は(2,000,000円÷100×95=)1,900,000円となります。小切手を振り出しているので勘定科目は当座預金を使います。よって『(貸)当座預金1,900,000』となります。

このままでは貸方が(1,920,000円-1,900,000円=)20,000円少なくなっています。ではこの20,000円が意味しているものは何でしょうか。

帳簿価額が1,920,000円の社債を1,900,000円で買い戻したということになります。社債は負債なので、1,920,000円分の負債を1,900,000円でゼロにしたと考えることができます。

そう考えると、この差額20,000円は収益ということになります。この収益を社債償還益という勘定で処理します。よって『(貸)社債償還益20,000』となります。

まとめると次のようになります。

借方 金額 貸方 金額
社債 1,920,000 当座預金
社債償還益
1,900,000
20,000

2つの仕訳をまとめると次のようになります。

借方 金額 貸方 金額
社債利息
社債
40,000
1,920,000
社債
当座預金
社債償還益
40,000
1,900,000
20,000

上記の社債の発行の仕訳を合わせて考えると、社債の勘定が0になっていることを確認しておいてください。

社債の発行(社債償還損)

「平成23年4月1日(期首)に、額面総額2,000,000円の社債を、額面100円につき94円で発行し、払込金は当座預金とした。なお、償還期限は3年、クーポン利息0、決算日は3月31日とする。」場合の仕訳について考えてみましょう。

これは社債の発行と同じ仕訳です。社債(概論)でお伝えした仕訳と同じ考え方になります。よって、次のようになります。

借方 金額 貸方 金額
当座預金 1,880,000 社債 1,880,000

社債の買入償還(社債償還損)

「平成24年3月31日(決算日)に、上記で発行した社債を額面100円につき97円で買入償還し、代金は小切手を振り出して支払った」場合の仕訳について考えてみましょう。

まず、決算日なので償却原価法による仕訳を考えます。額面総額2,000,000円から払込金額1,880,000円を引いた金額120,000円が利息の前払いに相当する金額になります。償還期限が3年なので、この120,000円が3年分の利息の前払いということになります。

このうち当期の分の利息は1年なので、このうち1年分が償却原価法によって計算される金額になります。120,000円÷3=40,000円が当期の分の利息になります。よって、仕訳は次のようになります。

借方 金額 貸方 金額
社債利息 40,000 社債 40,000

この仕訳を切ったことで社債の帳簿価額(1,880,000円+40,000円=)1,920,000円が決算日時点での社債のあるべき金額になります。

次は買入償還の仕訳です。社債を償還するので、この社債がなくなります。よって、『(借)社債1,920,000』となります。

次は振り出した小切手の金額を考えます。「額面100円につき97円で買入償還し」と問題文にありますが、これはこの社債が市場では額面100円につき97円で取引されていたところを買入償還したということを意味します。

このときのこの社債の代金は(2,000,000円÷100×97=)1,940,000円となります。小切手を振り出しているので勘定科目は当座預金を使います。よって『(貸)当座預金1,940,000』となります。

このままでは借方が(1,940,000円-1,920,000円=)20,000円少なくなっています。ではこの20,000円が意味しているものは何でしょうか。

帳簿価額が1,920,000円の社債を1,940,000円で買い戻したということになります。社債は負債なので、1,920,000円分の負債をなくすのに1,940,000円を支払ったと考えることができます。

そう考えると、この差額20,000円は損失(費用)ということになります。この費用を社債償還損という勘定で処理します。よって『(借)社債償還損20,000』となります。

まとめると次のようになります。

借方 金額 貸方 金額
社債
社債償還損
1,920,000
20,000
当座預金 1,940,000

2つの仕訳をまとめると次のようになります。

借方 金額 貸方 金額
社債利息
社債
社債償還損
40,000
1,920,000
20,000
社債
当座預金
40,000
1,940,000

上記の社債の発行の仕訳を合わせて考えると、社債の勘定が0になっていることを確認しておいてください。

社債の発行(社債償還損益なし)

「平成23年4月1日(期首)に、額面総額2,000,000円の社債を、額面100円につき94円で発行し、払込金は当座預金とした。なお、償還期限は3年、クーポン利息0、決算日は3月31日とする。」場合の仕訳について考えてみましょう。

これは社債の発行と同じ仕訳です。社債(概論)でお伝えした仕訳と同じ考え方になります。よって、次のようになります。

借方 金額 貸方 金額
当座預金 1,880,000 社債 1,880,000

社債の買入償還(社債償還損益なし)

「平成24年3月31日(決算日)に、上記で発行した社債を額面100円につき96円で買入償還し、代金は小切手を振り出して支払った」場合の仕訳について考えてみましょう。

まず、決算日なので償却原価法による仕訳を考えます。額面総額2,000,000円から払込金額1,880,000円を引いた金額120,000円が利息の前払いに相当する金額になります。償還期限が3年なので、この120,000円が3年分の利息の前払いということになります。

このうち当期の分の利息は1年なので、このうち1年分が償却原価法によって計算される金額になります。120,000円÷3=40,000円が当期の分の利息になります。

よって次のようになります。

借方 金額 貸方 金額
社債利息 40,000 社債 40,000

この仕訳を切ったことで社債の帳簿価額(1,880,000円+40,000円=)1,920,000円が決算日時点での社債のあるべき金額になります。

次は買入償還の仕訳です。社債を償還するので、この社債がなくなります。よって、『(借)社債1,920,000』となります。

次は振り出した小切手の金額を考えます。「額面100円につき96円で買入償還し」と問題文にありますが、これはこの社債が市場では額面100円につき96円で取引されていたところを買入償還したということを意味します。

このときのこの社債の代金は(2,000,000円÷100×96=)1,920,000円となります。小切手を振り出しているので勘定科目は当座預金を使います。よって『(貸)当座預金1,920,000』となります。

今回は借方と貸方が等しくなっています。これは帳簿価額と同じ金額で社債を償還したことを意味しています。よって、社債償還損益は発生しません。

まとめると次のようになります。

借方 金額 貸方 金額
社債 1,920,000 当座預金 1,920,000

2つの仕訳をまとめると次のようになります。

借方 金額 貸方 金額
社債利息
社債
40,000
1,920,000
社債
当座預金
40,000
1,920,000

上記の社債の発行の仕訳を合わせて考えると、社債の勘定が0になっていることを確認しておいてください。

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“社債の償還の取引と仕訳” への2件のフィードバック

  1. ゴンドラマスター より:

    ■現状報告

    昨日建設業経理士2級ビジネス会計2級をダブル受験しました

    手応えがあったのは建設業経理士2級のほうでした

    ビジネス会計2級は連結会計やらキャッシュフローやらほとんど1級の範囲でした

    過去問題集もないので対策がやりにくい試験です

    大原では連結会計のまっ最中です

    連結会計は公認会計士の試験によく出るみたいです

    税理士ではほとんど出ないそうです

    連結会計が出題されたらみんなできないので平均点が下がるみたいです

    たしかに複雑ですが公認会計士ほどではないのでがんばりたいです

    これでやっと試験ツアーも一段落したので今週は健康診断に行ってきます

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