【無料PDF】簿記1級合格のための5つの秘訣

無料PDF「簿記1級合格のための5つの秘訣」を手に入れて、
楽しみながら簿記1級に合格しよう。

ここをクリックして今すぐ無料PDFを手に入れる

割戻しとは【仕訳と勘定科目をわかりやすく】

スポンサーリンク
  • 簿記を勉強していると割戻しっていう取引が出てきたんだけど……
  • 仕入割戻しと売上割戻しでなぜ仕訳が違うのか分からない
  • 割戻しの仕訳について教えて!

割戻しは2022年から会計処理が変更になりました。新しい考え方が取り入れられているので難しいと感じてしまう方が非常に多いです。

私は簿記通信講座を2012年から運営してきて数百名の合格者をこれまでに送り出させていただきました。もちろん割戻しについても熟知しています。

この記事では割戻しについて考え方や仕訳を中心に解説します。

この記事を読めば割戻しについてより深く理解できるので、割戻しが簿記2級の試験で出題されても自信を持って解答することができます。

結論を言うと、仕入割戻しは仕入値引と同じように処理します。売上割戻しは「企業から顧客に支払われる対価」なので取引価格から減額します。

スポンサーリンク

簿記3級では値引きと返品を学習

簿記3級で商品売買の記帳方法(三分法)を学習しました。同時に値引きと返品についても学習しました。

  • 値引き…商品に傷がついていたり数が不足していたりした場合に代金の減額を行うこと
  • 返品…注文したものと違っていたり、値引きではすまないほど破損していたりした場合に商品売買の契約を取り消すこと

簿記2級では値引きと返品に加えて割戻しを学習します。

スポンサーリンク

割戻し:多額・多量の取引における売上代金の減額

割戻しとは、多額または多量の取引があった場合に、売り手側が販売促進のために売上代金の一部を返還することです。

売上代金の一部を返還することで大量に買ってもらいやすくなります。

メーカーが販売業者に対して「大量に売ればその量に応じて仕入代金を減額します(だからたくさん売ってください)」といって販売を促進する取引も割戻しです。

値引きと似ていますが、値引きは傷や不良品などの質に関する代金の減額なのに対し、割戻しは多量な取引などの量に関する代金の減額なのが異なります。

割戻の場合は仕入割戻しと売上割戻しで会計処理が異なります。

スポンサーリンク

仕入割戻しの仕訳

仕入割戻の仕訳は値引きや返品と同じで、仕入の仕訳の逆仕訳をします。

仕入時に割戻しを受けた

例題

仕入高が規定の取引量を超えたので、30,000円の割戻しを受けて、買掛金と相殺した。

この例題の仕訳を考えてみましょう。

買掛金と相殺しているので、買掛金が減少しています。よって『(借)買掛金30,000』となります。

また、割戻しは仕入代金の減額になるので『(貸)仕入30,000』となります。

まとめると次のようになります。

借方金額貸方金額
買掛金30,000仕入30,000
スポンサーリンク

売上割戻しの仕訳

売上割戻しは「企業から顧客に対して支払われる対価」です。「顧客に支払われる対価」は取引価格から減額します。

顧客から別の商品やサービスを購入し、その対価として支払われた場合は除きます。

売上割戻を取引価格から減額するタイミングは次のうちどちらか遅い方です。

  1. 売上を認識するとき
  2. 企業が割戻を行うと約束したとき、または、割戻を実際に行った(支払った)とき

ほとんどの場合、割戻しの約束を行ってから商品を販売します。よって、1の「売上を認識するとき」 が「売上割戻を取引価格から減額するタイミング」になります。

割戻しは「多額または多量の取引があった場合に、売手側が販売促進のために売上代金の一部を返還すること」です。事前にはどれだけの量の取引が行われるか分からない場合もあります。

事前に取引量が分からない場合には過去の実績にもとづいて割戻の金額を見積もります。そして、見積りが適切かどうかを決算で評価しなおします。

売上時に割戻しを約束した

例題

販売実績に応じて割戻を行う約束をし、商品1,000,000円を掛で販売した。なお、過去の実績にもとづいて合理的に見積もった割戻の金額は80,000円であった。

この例題の仕訳を考えてみましょう。

商品1,000,000円を掛で販売したので『(借)売掛金1,000,000』となります。

問題は貸方です。商品の売上は1,000,000円ですが、このうち80,000円は割戻として顧客に支払うと見積もられています。

よって実質的な売上は(商品代金1,000,000円-割戻80,000円=)920,000円です。920,000円を売上として認識するので『(貸)売上920,000』となります。

また、割戻しとして顧客に支払う(返金する)義務と見積もられている80,000円は返金負債という勘定科目で処理します。よって『(貸)返金負債80,000』となります。

借方金額貸方金額
売掛金1,000,000売上
返金負債
920,000
80,000

割戻しを行った

例題

割戻30,000円を現金で支払った(上の例題の続きです)。

この例題の仕訳を考えてみましょう。

30,000円を現金で支払ったので『(貸)現金30,000』となります。また、割戻を約束して商品を販売したときに計上した返金負債を支払うので『(借)返金負債30,000』となります。

借方金額貸方金額
返金負債30,000現金30,000

決算となった

例題

決算において、上記の割戻(残高50,000円)に見積もった返金負債の金額は40,000円に修正された。

返金負債50,000円を40,000円に修正するので、返金負債を10,000円減額します。よって 『(借)返金負債10,000』となります。

問題は貸方です。割戻の金額が10,000円減額修正されたということは、10,000円だけ売上の金額が少なく計上されていたということを意味します。

よって、売上を修正するために売上を10,000円増額します。『(貸)売上10,000』となります。

借方金額貸方金額
返金負債10,000売上10,000
スポンサーリンク

【まとめ】割戻し:多額・多量の取引における売上代金の減額

大量購入に対して代金を減額することを割戻しと言います。仕入割戻しの場合、仕入の仕訳の逆仕訳を行います。

売上割戻しの場合は「顧客に支払われる対価」として取引価格から減額する方法で会計処理を行います。

関連記事

コメント

タイトルとURLをコピーしました