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火災保険(火災未決算・火災損失)とは【仕訳と勘定科目をわかりやすく】

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  • 簿記を勉強していると火災未決算っていう勘定科目が出てきたんだけど……
  • 火災保険に入っている建物が火災にあったときの仕訳が分からない
  • 火災保険の仕訳について教えて!

火災保険に入っている建物が火災にあったときにはいくら保険が支払われるのか分かりません。この点が難しく、火災保険の論点が苦手にしてしまう方が非常に多いです。

私は簿記通信講座を2012年から運営してきて数百名の合格者をこれまでに送り出させていただきました。もちろん火災保険の仕訳についても熟知しています。

この記事で火災保険の仕訳と火災未決算という勘定科目について解説します。

この記事を読めば火災保険の仕訳が理解できるので、火災保険が簿記2級の試験で出題されても自信を持って解答することができます。

結論を言うと、火災保険に入っている建物が火災にあったときには支払われる保険金額がまだ決まっていないので、火災未決算という勘定科目で記帳しておきます。

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火災保険が支払われるまでは火災未決算で処理する

建物などが火災で焼失した場合、その損失額は火災が発生したときの帳簿価額になります。しかし建物が保険に入っていた場合は、後で保険金が受取れます。

保険に入っていた場合は「(火災が発生したときの帳簿価額)-(受取れる保険金の額)」が損失額になります。

しかし、支払われる保険金の金額はすぐには分かりません。色々な審査や手続きなどで時間がかかるのです。

これでは保険金額が分かるまで損失額も分からない、つまり仕訳が切れないということになってしまいます。

火災という取引(火災は簿記上の取引にあたります)が発生しているのに仕訳を切らないというのは問題です。そこで、火災未決算という仮の勘定科目(未決算勘定)を使って仕訳を切っておくのです。

簿記3級で出てきた現金過不足も未決算勘定です。

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火災保険(火災未決算・火災損失)の仕訳

火災保険未加入の建物が火災で焼失した

例題

会社の建物(取得価額800,000円、減価償却累計額300,000円、火災保険未加入)が火災で全焼した。

この例題の仕訳を考えてみましょう。

建物が焼失しているので、この建物を帳簿上でも消さなければなりません。よって『(貸)建物800,000』『(借)建物減価償却累計額300,000』となります。

このままでは、借方が500,000円不足しています。500,000円は焼失した建物の帳簿価額を表しているので、500,000円は火災による損失ということになります。

火災による損失は「火災損失」という費用の勘定科目を使います。よって、『(借)火災損失500,000』となります。

まとめると次のようになります。

借方金額貸方金額
建物減価償却累計額
火災損失
300,000
500,000
建物800,000

仮に商品が火災によって焼失した場合は貸方が建物ではなく「仕入」になります(三分法の場合)。

火災保険に加入していた建物が火災で焼失した

例題

会社の建物(取得価額800,000円、減価償却累計額300,000円、700,000円の火災保険に加入)が火災で全焼した。

この例題の仕訳を考えてみましょう。

建物が焼失しているので、この建物を帳簿上でも消さなければなりません。よって『(貸)建物800,000』『(借)建物減価償却累計額300,000』となります。

ここまでは火災保険未加入の場合と同じです。

このままでは、借方が500,000円不足しています。

この500,000円は火災保険に未加入であれば全てが火災による損失になりますが、火災保険に入っているので、火災による損失は「500,000-(保険金額)」になります

ただ、現時点では保険金額がまだ決まっていないので、火災未決算という勘定科目で記帳しておきます。よって『(借)火災未決算500,000』となります。

まとめると次のようになります。

借方金額貸方金額
建物減価償却累計額
火災未決算
300,000
500,000
建物800,000

火災保険で支払われる金額が確定した

例題

保険会社から連絡があり、「火災保険に加入していた建物が火災で焼失した」の場合の火災について保険金400,000を支払うという連絡があった。

この例題の仕訳を考えてみましょう。

保険金額が確定したので、保険金額が未確定であるという理由で使っていた火災未決算勘定をなくします。よって『(貸)火災未決算500,000』となります。

また、保険金400,000を支払ってもらえるので『(借)未収金400,000』となります。

まだ連絡を受けただけで実際には受取っていないため未収金勘定となります。

残りの100,000円は火災による損失なので『(借)火災損失100,000』となります。保険金額が決まったことによって損失額も決まります。

まとめると次のようになります。

借方金額貸方金額
未収金
火災損失
400,000
100,000
火災未決算500,000

火災保険で支払われる金額が確定した(その2)

例題

保険会社から連絡があり、「火災保険に加入していた建物が火災で焼失した」の場合の火災について保険金600,000を支払うという連絡があった。

この例題の仕訳を考えてみましょう。

保険金額が確定したので、保険金額が未確定であるという理由で使っていた火災未決算勘定をなくします。よって『(貸)火災未決算500,000』となります。

また、保険金600,000を支払ってもらえるので『(借)未収金600,000』となります。

まだ連絡を受けただけで実際には受取っていないため未収金という勘定科目を使います。

このままでは貸方が100,000円不足しています。この100,000円というのは建物の帳簿価額以上に保険金を受取ることによる収益になります。

建物の帳簿価額以上に保険金を受取ることによる収益は「保険差益」という勘定科目を使って表します。よって『(貸)保険差益100,000』となります。

まとめると次のようになります。

借方金額貸方金額
未収金600,000火災未決算
保険差益
500,000
100,000

火災保険に加入していた建物が火災で焼失した(その2)

例題

会社の建物(取得価額800,000円、減価償却累計額300,000円、400,000円の火災保険に加入)が火災で全焼した。

この例題の仕訳を考えてみましょう。

建物が焼失しているので、この建物を帳簿上でも消さなければなりません。よって『(貸)建物800,000』『(借)建物減価償却累計額300,000』となります。

ここまでは火災保険未加入の場合と同じです。

このままでは、借方が500,000円不足しています。

この500,000円は火災保険に未加入であれば全てが火災による損失になりますが、火災保険に入っているので、火災による損失は「500,000-(保険金額)」になります

ただ、現時点では保険金額がまだ決まっていないので、火災未決算という勘定科目で記帳しておきます

しかし、今回は400,000円しか火災保険に入っていないので、どんなに保険金額が多くても400,000円しか支払われません。

ということは(帳簿価額500,000円-火災保険400,000円=)100,000円は確実に損失になります。よって『(借)火災損失100,000』という仕訳は切ることができます。

残りの400,000円についてはまだ保険金額が決まっていないので、火災未決算という勘定科目で記帳しておきます。よって『(借)火災未決算400,000』となります。

まとめると次のようになります。

借方金額貸方金額
建物減価償却累計額
火災損失
火災未決算
300,000
100,000
400,000
建物800,000
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【まとめ】火災保険(火災未決算・火災損失)の仕訳と勘定科目

火災保険に入っていた場合は「(火災が発生したときの帳簿価額)-(受取れる保険金の額)」が火災による損失額になります。

火災保険に入っている建物が火災にあったときには、支払われる保険金額がまだ決まっていないので、火災未決算という勘定科目で記帳しておくことになります。

支払われる保険金額が確定したら火災未決算から確定した勘定科目に振り替えます。

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コメント

  1. ねぎぼんさん より:

    ここ、テキストで読んだだけだとイマイチ分からなかったのですが、大変丁寧で分かりやすかったです。バッチリ納得出来ました。ありがとうございます。

    • 平野 より:

      コメントありがとうございます。お役に立てて嬉しいです。簿記の勉強、応援しています。

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