本支店間の商品取引の仕訳

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こんにちは、簿記合格請負人の平野です。この記事では本支店間の商品取引の仕訳について解説します。

本支店間の商品取引

本支店間の内部取引の場合、商品か商品でないかは関係なく、これまで学習してきた本支店間の取引のように仕訳を切ればいいと考える方もおられるかと思います。その考え方が間違っているというわけではありません。「原価を取引金額として記帳する方法」もあります。

「原価を取引金額として記帳する方法」では、商品を本店から支店へ送付する場合は次のような仕訳になります(考え方は今まで学習した内部取引と同じです)。

借方 借方 金額 貸方 金額
本店 支店 ××× 仕入 ×××
支店 仕入 ××× 本店 ×××

しかし、この方法は通常は使われません。この方法だと支店が本店から仕入れた商品を外部に売上げた場合、すべての利益が支店の利益になるという問題があるからです(本店の売上が0になります)。

これでは本店が全く利益に貢献していないことになってしまいます。次の図のような感じです。

内部取引(原価を取引金額とする方法)

もちろん本店はより安く仕入れるために努力しており、その結果安く仕入れることができているはずです。この本店の利益への貢献をきちんと評価しなければ、本店は不要と判断してしまうという判断ミスをしてしまうかもしれません。

そこで「原価に一定の利益を加算した額を取引金額とする方法」を採用する場合がほとんどです(こちらを採用しなければ本支店会計を採用する意味がほとんどありません)。

「原価に一定の利益を加算した額を取引金額とする方法」を図で表すと次のようになります。

内部取引(原価に一定の利益を加えた金額を取引金額とする方法)

試験でもこちらが出題されます。

原価に一定の利益を加算した額を取引金額とする方法

本店の利益への貢献をきちんと帳簿上でも評価するために、支店への商品の送付を支店への売上ととらえます(同様に本店からの商品の送付を本店からの仕入ととらえます)。実際には商品が本店から支店に移動しただけなのですが、売上ととらえるのです。

ただし、通常の売上時に使う勘定科目である「売上」を使ってしまうと本当の売上と混ざってしまいます。そこで、「支店へ売上」という勘定科目を使って本来の売上と区別します。

同様に、商品の受取側である支店側では仕入としてとらえます。ただし、通常の仕入時に使う勘定科目である「仕入」を使ってしまうと本当の仕入と混ざってしまいます。そこで、「本店より仕入」という勘定科目を使って本来の仕入と区別します

「原価に一定の利益を加算した額を取引金額とする方法」を使うことで本店から仕入れた商品を支店が販売した場合、本店の利益への貢献も帳簿上に金額で表れることになります

ちなみに、金額は本店の仕入原価に一定の利益(内部利益)を加算した金額を使います。どれだけの利益を加算するかは経営戦略上非常に重要ですが、簿記検定では『原価に20%への利益を加算して…』などといった形で指示されます

本支店間の商品取引の仕訳

本店が仕入れた商品を支店へ送付

「本店が仕入先から300,000円で仕入れた商品を原価に20%の利益を加算して支店に送付し、支店に到着した」場合の仕訳について考えてみましょう。

本店の仕訳

原価が300,000円の商品に20%の利益を加算するので、計上する金額は(300,000円+300,000×20%=)360,000円になります。

この商品を支店へ送付します。この送付を支店への売上と考えて「支店へ売上」という勘定で処理します。よって『(貸)支店へ売上360,000』となります。

次は借方です。商品を支店に送付したことで支店に対する債権が発生します。この債権はそのまま投資していると考えることができます。よって、支店勘定が増加することになります。『(借)支店360,000』となります。

まとめると次のようになります。

借方 金額 貸方 金額
支店 360,000 支店へ売上 360,000

支店の仕訳

原価が300,000円の商品に20%の利益を加算するので、計上する金額は(300,000円+300,000×20%=)360,000円になります。

この商品を本店から受け取ります。この受け取りを本店からの仕入と考えて「本店より仕入」という勘定で処理します。よって『(借)本店より仕入360,000』となります。

次は貸方です。商品を本店から受け取ったことで本店に対する債務が増加します。この債務はそのまま投資されていると考えることができます。よって、本店勘定が増加することになります。
『(貸)本店360,000』となります。

まとめると次のようになります。

借方 金額 貸方 金額
本店より仕入 360,000 本店 360,000

本支店それぞれの仕訳は下のようになります。

借方 借方 金額 貸方 金額
本店 支店 360,000 支店へ売上 360,000
支店 本店より仕入 360,000 本店 360,000

内部取引の特徴である次の2つは商品の送付でも成り立っています。

  • 本店の仕訳には必ず支店勘定が、支店の仕訳には必ず本店勘定が出てくる
  • 支店勘定と本店勘定は必ず貸借が逆で金額が同じの関係になっている

また、同じ理由により「本店より仕入」勘定と「支店へ売上」勘定も必ず貸借が逆で金額が同じの関係になります

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“本支店間の商品取引の仕訳” への4件のフィードバック

  1. いけぶー☆ものまねタレント夢みるもの☆ より:

    直前期なんで、頑張ります

  2. 湘南の住人 より:

    お礼:やっと気合いが入りました。m(__)m
    いつもお世話なっております。m(__)m
    勉強仲間のFP 指導が一段落しましたのて、
    先週から毎日ブログ見てます。

    今夜から電卓たたきはじもす。

    • dokuboki より:

      コメントありがとうございます。

      ブログ毎日見ていただいて、感謝です。簿記の勉強がんばってください。応援しています。

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