- 無形固定資産を勉強していると借地権っていう内容が出てきたんだけど……
- 借地権が何を意味するのかよく分からない
- 借地権について教えて!
借地権は身近なものではないのでイメージしづらいと感じている人が多いです。
私は簿記通信講座を2012年から運営してきて数百名の合格者をこれまでに送り出させていただきました。もちろん借地権についても熟知しています。
この記事では借地権について解説します。
この記事を読めば借地権について理解できるので、簿記2級で借地権が出題されても自信を持って解答することができます。
結論を言うと、借地権は第三者の土地を借りてその土地に自分の建物を建てる際の土地を借りる権利です。借地権に法定耐用年数はないので償却は行いません。
借地権とは:第三者の土地に自分の建物を建てる際の土地を借りる権利

第三者の土地を借りてその土地に自分の建物を建てる際の土地を借りる権利を借地権といいます。
自分のものではない土地に自分の建物を建てる場合、建物を建てた後に土地の所有者から「この土地に建物建てるから、今ある建物を壊して返してくれ」と言われたらたまりません。
そこで、土地を使用している者の権利を守るために、借地権が設定されます。
借地権は長期間で設定され、原則として契約を更新しなければならないものとされています。こうすることで「自分が建てた建物を取り壊さなければならなくなる」という状況が避けられています。
借地権の会計処理

借地権に法定耐用年数はありません。借地権は土地の一部と考えられるからです。ざっくりと言ってしまえば、「土地の価値=土地の所有権の価値+土地の使用権の価値(借地権)」となります。
表でまとめると次のようになります。
取引 | 勘定科目 | (減価)償却 |
---|---|---|
土地を(所有権ごと)購入 | 土地 | しない |
土地の使用権だけを購入 | 借地権 | しない |
土地は減価償却しません。だから借地権も償却しないのです。
借地権の仕訳

借地権の取得
期首に借地権を700,000円で買い入れ、代金は現金で支払った。
この例題の仕訳について考えてみましょう。
700,000円を現金で支払っているので『(貸)現金700,000』となります。また、借地権を700,000円で買い入れているので『(借)借地権700,000』となります。
まとめると次のようになります。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
借地権 | 700,000 | 現金 | 700,000 |
借地権の償却
所有している借地権について決算整理仕訳を行う。
この例題について考えてみましょう。
借地権は償却は行いません。よって「仕訳なし」となります。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
仕訳なし |
【まとめ】借地権とは:第三者の土地に自分の建物を建てる際の土地を借りる権利

借地権とは第三者の土地を借りてその土地に自分の建物を建てる際の土地を借りる権利です。借地権に法定耐用年数はないので償却は行いません。
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