棚卸減耗費の取引と仕訳

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こんにちは、簿記合格請負人の平野です。この記事では棚卸減耗費の取引と仕訳について解説します。

棚卸減耗費

商品の受入と払出を継続記録法で記録していれば、期末のあるべき棚卸数量が求められます。しかし、期末のあるべき数量と実際にある数量が同じとは限りません。商品の保管中に盗難にあったり、蒸発したりしていることがあるからです。

この無くなってしまった分の損失を棚卸減耗費といいます

棚卸減耗費はなくなってしまった数量に取得原価(単価)をかけて計算します。

棚卸減耗費の処理の仕方

棚卸減耗費は売上原価に含める場合と含めない場合の2通りがあります。売上原価に含める場合は仕入(売上原価で計算する場合は売上原価)勘定で処理し、売上原価に含めない場合は棚卸減耗費勘定で処理します

棚卸減耗費の取引と仕訳

棚卸減耗費を売上原価に含める場合

資料から決算整理仕訳を示しなさい。なお、売上原価は仕入勘定で算定し、棚卸減耗費は売上原価に含めるものとする。

  1. 期首商品棚卸高 ¥200,000
  2. 当期商品仕入高 ¥800,000
  3. 当期商品売上高 ¥1,200,000
  4. 期末商品棚卸高
    • 帳簿棚卸数量 100個 1個あたり取得原価 3,000円
    • 実地棚卸数量  90個 1個あたり取得原価 3,000円

この例題を考えてみましょう。まず、簿記3級の範囲で学習した売上原価の計算 を行います。帳簿の期末商品棚卸高は3,000×100=300,000円なので、仕訳は次のようになります。

借方 金額 貸方 金額
仕入
繰越商品
200,000
300,000
繰越商品
仕入
200,000
300,000

次に棚卸減耗費を計算します。1個3,000円の商品が(100-90=)10個なくなっているので、棚卸減耗費は3,000円×10個=30,000円です。30,000円分の商品がなくなっているので、『(貸)繰越商品30,000』となります。

次は借方です。このなくなってしまった30,000円分は費用(損失)となります。また、この例題ではこの費用は売上原価に含めると指示があります。売上原価は仕入勘定で算定しているので、仕入にこの費用を加えます。よって『(借)仕入30,000』となります。

まとめると次のようになります。

借方 金額 貸方 金額
仕入 30,000 繰越商品 30,000

よって決算整理仕訳は次の3行になります。

借方 金額 貸方 金額
仕入
繰越商品
仕入
200,000
300,000
30,000
繰越商品
仕入
繰越商品
200,000
300,000
30,000

棚卸減耗費を売上原価に含めない場合

資料から決算整理仕訳を示しなさい。なお、売上原価は仕入勘定で算定し、棚卸減耗費は売上原価に含めないものとする。

  1. 期首商品棚卸高 ¥200,000
  2. 当期商品仕入高 ¥800,000
  3. 当期商品売上高 ¥1,200,000
  4. 期末商品棚卸高
    • 帳簿棚卸数量 100個 1個あたり取得原価 3,000円
    • 実地棚卸数量  90個 1個あたり取得原価 3,000円

この例題を考えてみましょう。まず、簿記3級の範囲で学習した売上原価の計算を行います。帳簿の期末商品棚卸高は3,000×100=300,000円なので、仕訳は次のようになります。

借方 金額 貸方 金額
仕入
繰越商品
200,000
300,000
繰越商品
仕入
200,000
300,000

次に棚卸減耗費を計算します。1個3,000円の商品が(100-90=)10個なくなっているので、棚卸減耗費は3,000円×10個=30,000円です。30,000円分の商品がなくなっているので、『(貸)繰越商品30,000』となります。

次は借方です。このなくなってしまった30,000円分は費用(損失)となります。また、この例題ではこの費用は売上原価に含めないと指示があります。よって棚卸減耗費勘定で処理します。よって『(借)棚卸減耗費30,000』となります。

まとめると次のようになります。

借方 金額 貸方 金額
棚卸減耗費 30,000 繰越商品 30,000

よって決算整理仕訳は次の3行になります。

借方 金額 貸方 金額
仕入
繰越商品
棚卸減耗費
200,000
300,000
30,000
繰越商品
仕入
繰越商品
200,000
300,000
30,000

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“棚卸減耗費の取引と仕訳” への6件のフィードバック

  1. みかん より:

    実施棚卸と帳簿在庫について
    いつもブログを拝見させて頂いております。

    以前から疑問に思っていて調べてもわからないことがあります。日商簿記2級の実施棚卸と帳簿在庫の範囲なのですが、ブログにその内容がないためここにコメントさせて頂いたのですが大丈夫でしょうか?

    質問内容:
    帳簿在庫100、実施棚卸高90
    @50円
    のように日商2級の定番パターンはわかるのですが、
    帳簿在庫90、実施棚卸高100
    @50
    のように帳簿在庫<実施棚卸高
    のパターンがわかりません。試験にでないのはわかっているのですが、リアルの世界ではおこりうること(商品を仕入れた際、誤って多く入荷されていたが、当社も取引先もその実時に気がつかなかった場合など)だと思います。どのような仕訳になるのでしょうか?

    調べた限りでは棚卸差益、雑益などの勘定科目を使うのではないかと思うのですが、どういった仕訳を切るのかはわかりません。
    すみませんが、教えてください。よろしくお願いします。

    • dokuboki より:

      コメントありがとうございます。「帳簿在庫<実施棚卸高」となる場合についてですね。

      これはみかんさんがおっしゃるとおり、試験で見たことはありませんが、現実にはありえることです。

      仕訳としては、

      (借)商品 ×××/(貸)棚卸差益 ×××

      (借)商品 ×××/(貸)雑収入(雑益) ×××

      といった仕訳が考えられます。「帳簿を実際に合わせる」ことが大切なため、借方が商品となるのは確実です。

      それに対して貸方は企業や状況によって変わってきます。金額が大きかったり、重要性が高い場合は「棚卸差益」として独立した勘定科目で処理し、金額が小さく重要性が低い場合は「雑収入(雑益)」として現金過不足などで出てくる雑収入と合算してしまうのが現実的です。

      このように考えておけば特に問題ないと思います。

      • みかん より:

        お答えありがとうございます。
        なるほどです。棚卸減耗費の場合は商品勘定から引いていたのに対して、棚卸差益、雑収入の場合は商品勘定に加えるという単純なことだったんですね。長い間わからなかったことなのでスッキリしました。
        ありがとうございました。

        今回のようにブログの記事にない日商簿記の質問でも良かったのでしょうか?また質問するコメント場所は任意でよかったのでしょうか?

        • dokuboki より:

          ブログの記事にない日商簿記の質問でも構いません。コメント場所も任意で構いませんよ。何か疑問があればコメントしていただいてOKです。

          • みかん より:

            ありがとうございます。
            問題は解けるけど、理解ができていないことがいくつかあるので、また質問させて下さい。

            田舎にすんでいるので簿記スクールも映像授業の学校しかなく質問することができないので、結局独学になっているので、質問できる場所を提供していただき助かります。

            ありがとうございました。

            • dokuboki より:

              いえいえ。私の力不足で答えられないものもあるかもしれませんが、できる限りご質問にはお答えしていくつもりです。

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