固定資産(車両や備品など)の割賦購入の仕訳【なぜ前払利息?】

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  • 簿記を勉強していると割賦購入の仕訳が出てきたんだけど……
  • なぜ払っていないのに前払利息になるのか分からない
  • 割賦購入の仕訳について教えて!

割賦購入の仕訳では前払利息が出てきますが、そもそもまだ払っていないのになぜ前払利息となるのか分からないと感じる方が非常に多いです。

私は簿記通信講座を2012年から運営してきて数百名の合格者をこれまでに送り出させていただきました。もちろん割賦購入の仕訳についても熟知しています。

この記事では割賦購入の仕訳について考え方を分かりやすく解説します。

この記事を読めば割賦購入の仕訳についてより深く理解できるので、簿記2級で割賦購入の仕訳が出題されても自信を持って解答することができます。

結論を一言で言うと、割賦購入の場合、代金に利息が含まれています。割賦購入の仕訳を切る場合は、利息を区別して仕訳を切ることになります。

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割賦購入:分割払いで購入

営業外支払手形を使う場合のほとんどが「金額が大きい固定資産の購入」です。

金額が小さければ、普通は現金や小切手で支払います。

金額が大きく一括での支払いが難しいので手形を使い、代金を分割して購入するのです。

「代金を分割して購入」という取引の場合、代金の支払いを先送りにしているので、代金そのものに加えて利息も支払うことになります。

利息は営業外支払手形の金額に含まれる形をとるのが一般的です。

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割賦購入の仕訳

割賦購入

例題

平成×1年4月1日に営業用の車両(現金販売価額4,800,000円)を割賦契約で購入した。

代金は平成×1年4月末日から毎月末に支払期限の到来する額面1,000,000円の約束手形5枚を振り出して交付した。

この例題の仕訳について考えてみましょう。

4,800,000円の営業用の車両を購入しているので『(借)車両運搬具4,800,000』となります。

また、代金は額面1,000,000円の約束手形5枚を振り出して支払っているので『(貸)営業外支払手形5,000,000』となります。

うっかり支払手形勘定で処理してしまわないことがポイントです。

このままでは借方が200,000円不足しています。この200,000円は代金の支払いを後日に回していることによる利息分だと考えられます。

利息なので「支払利息」を使うという考え方もありますが、割賦購入の場合は数年にわたる場合も多く、利息分のほとんどが当期分の利息ではないということもよくあります。

この例題では便宜上5ヶ月で支払いが終了していますが、実際には数年にわたる場合がほとんどです。

そこで、次期以降で負担すべき利息を表す「前払利息」を使います。よって『(借)前払利息200,000』となります。

まだ利息を現金で支払っていないのに前払利息を使うことに違和感がありますが、利息分も含んだ金額で手形を振り出しているので「手形で支払っている」と考えます。

借方金額貸方金額
車両運搬具
前払利息
4,800,000
200,000
営業外支払手形5,000,000

「前払利息」ではなく「支払利息」とする場合、決算整理仕訳で「費用の繰延べ」を行うことになります。

割賦購入代金の支払い

例題

平成×1年4月30日となったので、額面1,000,000円の約束手形の期日が到来し、当座預金口座より引き落とされた。

この例題の仕訳について考えてみましょう。

1,000,000円の営業外支払手形に期日が到来したので『(借)営業外支払手形1,000,000』となります。

また、1,000,000円が当座預金口座より引き落とされたので『(貸)当座預金1,000,000』となります。

次に前払利息の処理を行います。手形を振り出した時点では前払利息として処理しましたが、ここで当期の利息となったので支払利息となります。

よって前払利息を支払利息に振り替えます。振り替える金額は(前払利息200,000円÷支払回数5回=)40,000円となります。

よって『(貸)前払利息40,000』『(借)支払利息40,000』となります。

「割賦購入」の仕訳で『(借)支払利息200,000』としていた場合、「(借)支払利息40,000/(貸)前払利息40,000」の仕訳は不要です。

決算整理仕訳で「費用の繰延べ」を行うことになります。

借方金額貸方金額
営業外支払手形
支払利息
1,000,000
40,000
当座預金
前払利息
1,000,000
40,000

「各回の利息の金額をどのように計算するのか」についてはいくつか考え方があります。

そのうち、簿記2級では全ての回の利息額が同じになると考える定額法のみが出題されます(この例題での仕訳も定額法によっています)

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【まとめ】固定資産(車両や備品など)の割賦購入の仕訳

割賦購入の場合、代金の支払いを先送りにしているので、代金そのものに加えて利息も支払うことになります。利息は購入した固定資産の代金とは区別して「前払利息」として仕訳を切ることになります。

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コメント

  1. 匿名 より:

    貸方が「手形」「未払金」でまだはらってないのに、資産にもう利息を払っている「前払い利息」が来るのはなぜなのでしょう。

    • 平野 より:

      コメントありがとうございます。

      借方を支払利息とする会計処理もあります。借方を支払利息とする場合は、決算時に前払利息の仕訳「(借)前払利息×××/(貸)支払利息×××」という仕訳を切ることになります。

      ここでは、前払利息の仕訳を決算時に切る手間を省くために、最初から前払利息を使って仕訳を切る会計処理を採用しています。

  2. のの より:

    お世話になります。いつも拝見しておりありがとうございます。
    各回次の支払手形の支払金額には分割した利息部分の支払金額も
    含まれており、さらに支払利息を計上している(利息部分が二重)
    ように見えて、どうにもしっくりこないのですが、
    支払手形の引落(と支払手形の振替)という取引と
    利息の計上は別物、と解釈するべきものでしょうか。
    よろしくお願いいたします。

    • 平野 より:

      コメントありがとうございます。早速ご質問にお答えします。

      「営業外支払手形」というのは「支払義務」であり、負債です。「支払利息」というのは「代金を後払いするための犠牲」であり、費用です。別物なので別物と解釈するのはその通りなのですが、ののさんがお考えのように確かにしっくりこないのも分かります。

      そこで、「営業外支払手形」を4,800,000と200,000に分けて考えてみることをおすすめします。4,800,000は固定資産の取得で完全に切り離すと、200,000が前払利息(資産の繰延べ)として計上され、前払費用が徐々に支払利息として費用化されていくイメージがつかみやすいと思います。

      • のの より:

        別の勉強をしておりすっかり遅くなりました。申し訳ありません。
        分割して考えると、なるほど、と思いました。
        ありがとうございました。

  3. たり より:

    お世話になります。いつもサイトを拝見して勉強させていただいております。
    ありがとうございます。
    改めて固定資産の割賦購入の仕訳を見ていて、ふと疑問に思ったのですが、支払手形の決済金額には、元本と利息が含まれており、各回次に合計額が決済されますが、一方、支払利息も前払利息の振替として計上されています。なんだか利息部分が二重に計上されているような不思議な気がするのですが、支払手形の決済と支払利息の計上はまったく別物なのでしょうか。初歩的な疑問になりますが、よろしくお願いいたします。

    • 平野 より:

      コメントありがとうございます。早速ご質問にお答えします。

      前回のののさんのご質問への回答と合わせて読んでいただくと分かりやすいと思うのですが、支払手形の決済と支払利息の計上は別物です。「支払手形」というのは「支払義務」であり、「負債」です。「支払利息」というのは「代金を後払いするための犠牲」であり、「費用」です。支払手形と支払利息は別物だと考えて大丈夫です。

      支払手形5,000,000円という手形を切ったあとは、それがどういった事情で振り出したものであっても「5,000,000円分当座預金で支払う義務」以上の意味はありません。どういった事情であれ、後日5,000,000円支払うことになります。

      支払利息は支払いを遅らせている期間に対応した分だけを費用として認識するので、相応の処理をしています。

      回答は以上です。参考にされてください。

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