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【外貨建取引】一取引基準と二取引基準の仕訳と会計処理

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  • 外貨建取引を勉強していると一取引基準と二取引基準が出てきたんだけど……
  • 一取引基準と二取引基準の違いが分からない
  • 一取引基準と二取引基準の仕訳について教えて!

簿記を勉強していると外貨建取引のところで一取引基準と二取引基準が出てきます。外貨建取引は日常生活ではほとんどなじみがないので一取引基準と二取引基準も苦手にしてしまう方が非常に多いです。

私は簿記通信講座を2012年から運営してきて数百名の合格者をこれまでに送り出させていただきました。もちろん一取引基準と二取引基準の仕訳についても熟知しています。

この記事では一取引基準と二取引基準の仕訳について解説します。

この記事を読めば、一取引基準と二取引基準の仕訳についてより深く理解できるので、簿記2級で一取引基準と二取引基準の仕訳が出題されても自信を持って解答できるようになります。

結論を一言で言うと、一取引基準は「外貨建取引」と「その取引に関する代金の決済取引」を連続した一つの取引だとみなして会計処理を行う方法です。

二取引基準は「外貨建取引」と「その取引に関する代金の決済取引」を別の取引だとみなして会計処理を行う方法です。

現在の会計基準では、原則として二取引基準で会計処理を行わなければなりません。

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一取引基準と二取引基準

外貨建取引では、輸出入を行うことで外貨建の売掛金や買掛金が発生します。

売掛金や買掛金が発生したときはそのときの為替レートで換算します。また、外貨建の売掛金や買掛金を決済するときはそのときの為替レートで換算します

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為替相場については「為替相場の分類【直物為替相場と先物為替相場の違いをわかりやすく】」で詳しくお伝えしています。

ということは「売掛金や買掛金が発生したときの為替レート」と「売掛金や買掛金を決済するときの為替レート」に変動があると、損益が発生することになります。

この損益を処理する方法には「一取引基準」と「二取引基準」の2つがあります。

一取引基準:「外貨建取引」と「外貨建取引に関する代金の決済取引」を一つの取引とみなす方法

一取引基準は「外貨建取引」と「外貨建取引に関する代金の決済取引」を連続した一つの取引だとみなして会計処理を行う方法です。

一取引基準では「輸出や輸入」と「決済取引」は一連の取引なので、円にきちんと戻して初めて取引は完結すると考えます。

一取引基準が支持される理由は次の2つです。

  • 商社のような企業では「輸出や輸入」も「決済取引」も本業なので、どちらも営業取引だと考えられるから
  •  外貨による金額はあくまでも仮の数値で、円での計算によって取得原価を決定することが輸出や輸入の本質であると考えることもできるから

一取引基準には次の特徴があります。

  • 為替差損益が発生せず、『為替相場の変動による損益』が仕入や売上などに含まれて計上される
  • 取得原価が決済時に確定する(※1)

※1:商品の売上や仕入に伴う収益や費用も取引時に確定します。

現在の会計基準では一取引基準は認められていません。

二取引基準:「外貨建取引」と「外貨建取引に関する代金の決済取引」を別の取引とみなす方法

二取引基準は「外貨建取引」と「外貨建取引に関する代金の決済取引」を別の取引だとみなして会計処理を行う方法です。

二取引基準が支持される理由は次の2つです。

  • 輸出や輸入は営業取引、決済取引は財務取引なので、性質の異なる取引として区別する方が合理的だから(※2)
  • 商品の仕入や売上を取得原価で記帳できるから(※3)

※2:現在の制度会計でも「輸出入」と「決済取引」は別の取引だと考えられています。

別の取引だと考えているからこそ、売掛金が貸し倒れたときに「売上」と「貸倒損失」を相殺しないといえます。

※3:二取引基準の場合、「商品を仕入れるのに支払った対価」がそのまま「仕入」になります。

二取引基準には次の特徴があります。

  • 為替差損益がいつも計上される
  • 取得原価が取引時に確定する(※4)

※4:商品の売上や仕入に伴う収益や費用も取引時に確定します

現在の会計基準では、原則として二取引基準で会計処理を行わなければなりません。

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一取引基準の仕訳

外貨建取引における商品の仕入

例題

外国にある企業から商品1,000ドルを輸入し、代金を掛とした。輸入時の為替相場は1ドル100円である。なお、一取引基準で会計処理を行っている。

この例題の仕訳について考えてみましょう。

商品の値段がドルで表されている商品の仕入なので外貨建取引となります。外貨建取引は原則として取引時の為替相場で換算するので、1ドル100円で換算します。

1ドル100円のときに商品1,000ドルを仕入れたので、金額は(仕入時の為替相場100円×ドル建ての仕入1,000ドル=)100,000円となります。

よって『(借)仕入100,000』『(貸)買掛金100,000』となります。

借方金額貸方金額
仕入100,000買掛金100,000

外貨建取引における買掛金の決済

例題

買掛金1,000ドルを現金で支払った。このときの為替相場は1ドル110円であった(上の例題の続きです)。なお、一取引基準で会計処理を行っている。

この場合の仕訳について考えてみましょう。

買掛金1,000ドルは100,000円となっています。この買掛金を決済するので『(借)買掛金100,000』となります。

また1,000ドルを1ドル110円で支払うので支払金額は(ドル建ての買掛金1,000ドル×買掛金の決済時の為替相場110円=)110,000円となります。よって『(貸)現金110,000』となります。

あとは貸借差額10,000円です。この貸借差額は「1ドル100円で仮に計上していた仕入金額が1ドル110円に修正された」と考えます。つまり仕入勘定の変動です。

よって貸借差額10,000円は仕入となります。『(借)仕入10,000』となります。

借方金額貸方金額
買掛金
仕入
100,000
10,000
現金110,000
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二取引基準の仕訳

外貨建取引における商品の仕入

例題

外国にある企業から商品1,000ドルを輸入し、代金を掛とした。輸入時の為替相場は1ドル100円である。なお、二取引基準で会計処理を行っている。

この例題の仕訳について考えてみましょう。

商品の値段がドルで表されている商品の仕入なので外貨建取引です。外貨建の取引は原則として取引時の為替相場で換算するので、1ドル100円で換算します。

1ドル100円のときに商品1,000ドルを仕入れたので、金額は(仕入時の為替相場100円×ドル建ての仕入1,000ドル=)100,000円となります。

よって『(借)仕入100,000』『(貸)買掛金100,000』となります。

借方金額貸方金額
仕入100,000買掛金100,000

外貨建取引における買掛金の決済

例題

買掛金1,000ドルを現金で支払った。このときの為替相場は1ドル110円であった。なお、二取引基準で会計処理を行っている。

この例題の仕訳について考えてみましょう。

買掛金1,000ドルは100,000円となっています。この買掛金を決済するので『(借)買掛金100,000』となります。

また1,000ドルを1ドル110円で支払うので支払金額は(ドル建ての買掛金1,000ドル×買掛金の決済時の為替相場110円=)110,000円となります。よって『(貸)現金110,000』となります。

あとは貸借差額10,000円です。この貸借差額10,000円は為替相場が変動したことによる損益だと考えます。

よって貸借差額10,000円は「為替差損益」という勘定科目で処理します。『(借)為替差損益10,000』となります。

借方金額貸方金額
買掛金
為替差損益
100,000
10,000
現金110,000
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【まとめ】一取引基準と二取引基準の仕訳

一取引基準は「外貨建取引」と「その取引に関する代金の決済取引」を連続した一つの取引だとみなして会計処理を行う方法です。

二取引基準は「外貨建取引」と「その取引に関する代金の決済取引」を別の取引だとみなして会計処理を行う方法です。

現在の会計基準では、原則として二取引基準で会計処理を行わなければなりません。

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