未着品売買にかかる荷為替手形の取組みの取引と仕訳

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こんにちは、簿記合格請負人の平野です。この記事では未着品売買にかかる荷為替手形の取組みの取引と仕訳について解説します。

未着品売買の問題点

未着品

未着品の取引は次の図のような形になりました。ここで仕入先の立場からこの取引を考えてみると、2つの問題点があります。

仕入先の立場では1の取引のときに次の仕訳を切るのが一般的です。

借方 金額 貸方 金額
売掛金 ××× 売上 ×××

しかしこの場合、次の2つの問題点があります。

  • 取引先が遠いため、売掛金の回収に不安がある
  • 通常は商品が到着した時点で代金が支払われるため、実際に代金が支払われるのに時間がかかり資金繰りが大変になる

これでは、「遠方への売上はやめておこう」なんてことにもなりかねません。そこで、この問題点を解決する手段として荷為替手形の取組みがあります。

荷為替手形の取組み

荷為替手形の取組みとは「貨物代表証券を担保にして銀行を指図人・得意先(当社)を名宛人とする為替手形を振り出すこと」です。こうすることで、上記の2つの問題点が解決します。

具体的には次のような効果が得られます。

  • 手形での回収になるため、売掛金と比べて代金の回収の確実性が増す
  • 受け取った手形を銀行で割引くことになるので、現金をすぐに手にすることができる

荷為替手形の取組みの流れ

荷為替手形の取組みの具体的な流れは次のようになります。

荷為替手形

1.商品の発送と貨物代表証券の受け取り

仕入先が商品の発送を運送業者と行い、貨物代表証券を受け取ります。

2.貨物代表証券を担保に為替手形を発行

仕入先が運送業者から受け取った貨物代表証券を銀行に持ち込み、銀行を受取人、得意先(当社)を名宛人とする為替手形を発行します。そしてその手形をそのまま割引くことで現金を手にします。

ただ、銀行側の代金回収上の危険を避けるため、手形の金額は全額ではなく70%~80%となることが多いです。その場合は、残額は売掛金となります

3.手形と貨物代表証券を得意先(当社)の取引銀行に送付

仕入先の取引銀行が仕入先から受け取った手形と貨物代表証券を得意先(当社)の取引銀行に送付します。

4.手形を引受け、貨物代表証券を受け取る

銀行が手形を呈示し、得意先(当社)が手形を引受けることで貨物代表証券を受け取ります。

5.運送業者に貨物代表証券を渡し、商品を受け取る

得意先(当社)が運送業者に貨物代表証券を渡し、商品を受け取ります。

6.手形代金の支払い

手形の決済期日が到来したら、得意先(当社)が手形代金を銀行に支払います(正確には取引銀行の当座預金残高から引落されます)。

未着品売買にかかる荷為替手形の取組みの取引と仕訳

荷為替の取組み

「当社は遠方の得意先から注文を受けて、船で商品300,000円分を送った。そして210,000円分に関しては荷為替手形を振り出し、残額 90,000円は掛とした。

また、荷為替手形に関しては銀行でただちに割引き、割引料10,000円を差し引いた200,000円が当座預金に振り込まれ た」場合の仕訳に付いて考えてみましょう。

まず、商品を送った時点で売上が発生するので、『(貸)売上300,000円』となります。

問題は借方です。この300,000円のうち、荷為替手形で210,000円分、掛で90,000円分を受け取っているので、『(借)受取手形210,000』『(借)売掛金90,000』となります。荷為替手形受け取っているので、手形債権が増加すると考えます。よってここでは受取手形で考えます。

ここまでをまとめると次のようになります。

借方 金額 貸方 金額
受取手形
売掛金
210,000
90,000
売上 300,000

このあとただちにこの手形を割引いているので、手形の割引の仕訳を切ります(簿記3級の範囲なので詳細は省略します。詳しくは手形の割引をご覧下さい。)。仕訳は次のようになります。

借方 金額 貸方 金額
当座預金
手形売却損
200,000
10,000
受取手形 210,000

これら全ての仕訳をまとめます。借方と貸方ともに出てくる受取手形を相殺して次のようになります。

借方 金額 貸方 金額
当座預金
手形売却損
売掛金
200,000
10,000
90,000
売上 300,000

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“未着品売買にかかる荷為替手形の取組みの取引と仕訳” への12件のフィードバック

  1. ゴンドラマスター より:

    ■簿記1級

    簿記1級の学習を始めました

    いきなり【割賦販売】の【回収期限到来基準】とか【未実現利益控除法】という難しい課題に直面しました

    『大原学園』に通学しています

    税理士の試験とか興味があって調べたら【簿記論】【財務諸表論】が必修になっています

    しかし簿記1級の資格もない人たちがいきなり学習をしているのが実情です

    やっぱ簿記1級をもっているか少なくても学習済みじゃないと税理士の簿記論は回答不可能です

    たいへん多くの大学生や社会人が税理士講座に来ていますが彼らのほとんどが簿記1級未修者なんです

    もちろん講座で授業がありますが簿記2級すらもってない人たちもいるみたいです

    税理士の簿記論とかはやはり最低2級はないと苦しいですよね

    実際の問題を見たら工業簿記はないですがボリュームが簿記1級以上ありました

    圧倒的な解答スピードを要求されるため税理士受験生はみんなストップウォッチをもっています

    財務諸表論の試験は論文記述がいっぱいありました

    5教科合格が条件ですが1年1教科でいくと5年かかりますw

    もちろん1発合格なんて難しいですけどだいたいは2~3年くらいが目標みたいですね

    とにかく税理士試験は難しいです

    ハンパないです

    とりあえず簿記1級を目指してがんばります

    • dokuboki より:

      コメントありがとうございます。

      急がば回れで、「簿記2級→簿記1級(商業簿記だけでも)→税理士簿記論」という順序で勉強したほうがいいと私も思います。最低でも「簿記2級→税理士簿記論」としないと苦しいでしょうね。

      簿記1級がんばってください。応援しています。

  2. rosa より:

    ■いつも参考にさせていただいております。

    いつも参考にさせていただいております。
    質問があり、投稿させていただいました。
    未着品の荷為替の図についてですが、【貨物代用証券】と【貨物代表証券】の2種類記載がありますが、違いを教えていただきたいと思います。
    宜しくお願い致します。

    • dokuboki より:

      いつも見ていただいてありがとうございます。

      早速ご質問の件ですが、実は【貨物代用証券】と【貨物代表証券】に特に違いはありません。この名前はかなり色々種類があって、【貨物引換証】などと言ったりもします。

      【貨物代用証券】と【貨物代表証券】という2つの名称を使ったのは、どちらの名前もテキストや問題集などで見たことがあったからです。ちなみに、【貨物代表証券】の方が圧倒的によく見かけます。

      余談ですが、本当は【貨物代表証券】は鉄道や飛行機のときに使われる言葉で、船の場合は【船荷証券】と言われるのが一般的です。しかし、テキストなどで船荷証券という言葉を見ないので使っていません。

      【貨物代用証券】と【貨物代表証券】の違いについてはあまり気にしないでください。基本的には同じもので、貨物代表証券という言葉の方が一般的とだけ知っておいてもらえれば十分です。

      疑問を抱かせてしまうということに気付かせていただき、ありがとうございます。後日誤解させてしまわないように記事を修正しようと思います。

      • rosa より:

        ■ご丁寧にありがとうございます。

        リョウさん
        ご丁寧に回答していただき、本当にありがとうございます。
        簿記を実務で使用していないため、こんなものなのかなと想像しながら勉強しているため、細かな質問になってしまったかもしれません(>_<)
        ただ、とても参考になりますし、疑問が解決できて納得して次の工程に進むことができます。
        ありがとうございます。

        • dokuboki より:

          こちらこそご指摘いただいてありがとうございます。

          rosaさんのようにお伝えいただくことで、自分の記事のミスや問題点に気付くことができます。これからもお気づきの点がありましたら遠慮なくおっしゃってください。

  3. ねぎたまこ より:

    ■リョウさん♪

    今日、129回 簿記三級試験の
    合格発表で・・・・・

    合格してました*^^*

    一緒に受けた お友達もみんな
    合格です☆

    一緒にがんばったみんなで合格できて
    よかったです*^^*

    リョウさんのおかげです。ありがとうデス☆^^☆

    • dokuboki より:

      私の方こそ、感謝の言葉ありがとうございます。

      ねぎたまこさんだけでなく、お友達みんなで合格できて本当によかったです。

      合格はねぎたまこさんのがんばりの結果ですよ。ねぎたまこさんのように合格を勝ち取れる人が一人でも増えるよう、私もブログ更新がんばっていきます。

      コメントありがとうございました。

  4. ゴンドラマスター より:

    ■早い

    なんでそんなに早いんですか?わたしの地域は12月14日なんです

    地域によって合格発表が違うなんて変ですよね

    まあ仕方ないですが・・

    簿記はやっぱ大原が強いですがわたしはTACやネットスクールもおすすめします

    2級についていうとCVPはTACが強いです

    大原は特殊商品売買が強いですね

    TACは基本的でやさしいですが模擬試験だけは難しいです

    大原は直前対策で急に難しくなるため出席率が半分くらいになりました

    いきなり本試験レベルに突入するので(工業簿記の総まとめ)受験生は勉強についていけなくなります

    わたしも聞いているだけ状態でしたが本番前一週間でやっと追い付きました

    ここだけの話ですが公開模擬試験の平均点がたしか・・・50点くらいでした(わたしは94点)

    そのときの合格率がなんと20%くらいだったらしいです(つまり70点以上)

    そのくらいのレベルで本試験に突入しているのでやはり2級合格は一般的にはすごいと思います

    • dokuboki より:

      コメントありがとうございます。

      色々と資格の学校に特色がありますね。私の個人的な意見としては、「自分に合ったところで学習する」ですが、それぞれの特徴を知った上で選ぶといいですね。

  5. まりりん より:

    ■リョウさん

    今日から友人3人と簿記2級目指します。勉強法はみんなバラバラですが・・・
    私は、2月の試験目指すつもりです。

    今日も勉強になりました。ありがとうございます。

    また頑張るぞー!!

    • dokuboki より:

      コメントありがとうございます。

      簿記2級がんばってください。私もまりりんさんのお役に立てるようにがんばって更新していきます。

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