社債(概論)

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こんにちは、簿記合格請負人の平野です。この記事では社債の取引と仕訳について解説します。

社債

株式会社の場合、長期間返さなくていい資金を調達する主な方法は3つあります。

資金調達の方法 勘定科目
銀行などの金融機関から長期間の契約で借入れて調達 (長期)借入金
一般の人々から株券の発行による調達 資本金など
一般の人々から社債の発行による調達 社債

社債は有価証券の一つです。社債は所有者から見れば有価証券です。よって社債を所有している場合は、目的によって売買目的有価証券、満期保有目的債券という勘定科目で処理します。それに対して、社債という勘定は社債の発行者側が使います

社債

図で表すと右のようになります。

社債は企業が長期間返さなくていい資金を不特定多数の一般の人々から借り入れるために発行します。

社債券という借用証書のようなものを発行して資金を調達します。

この社債券には支払われる利息の利率や返済日(満期日)などが書かれています。

社債の基本仕訳

社債の基本的な仕訳について解説します。詳しい説明がなくてもすぐに理解できそうな仕訳を先に確認しておきます。

社債の発行

「期首に額面100円につき97円、利率年4%(利払日:期末)の条件で額面総額5,000,000円の社債を発行し、払込金額を当座預金とした」場合の取引と仕訳について考えてみましょう。

まず受け取った当座預金の金額を計算します。額面総額5,000,000円で額面100円につき97円で発行しているので、受け取った当座預金の金額は(5,000,000円÷100×97=)4.850,000となります。よって、「(借)当座預金4,850,000」となります。

ちなみにこの計算は次の流れで行います。

  1. 5,000,000÷100で発行した社債券の数50,000が求まる
  2. 50,000×97で払込金額4,850,000が求まる

次は貸方です。受け取った当座預金と同額の負債が増加していると考えます。この負債を社債勘定で処理するので、『(貸)社債4,850,000』となります。

まとめると次のようになります。

借方 金額 貸方 金額
当座預金 4,850,000 社債 4,850,000

社債利息の支払い

「上記の社債の利払日に利息を当座預金で支払った」場合の仕訳について考えてみましょう。

まずは利息の金額を求めます。利息の金額は額面金額に利率をかけることで求まります
5,000,000×4%=200,000となります。

200,000円を当座預金で支払っているので『(貸)当座預金200,000』となります。

また、社債の利息は社債利息という勘定で処理します。よって、『(借)社債利息200,000』となります。

まとめると次のようになります。

借方 金額 貸方 金額
社債利息 200,000 当座預金 200,000

ちなみに、社債利息は負債である社債の利息なので費用になります有価証券利息は資産である有価証券の利息なので収益になります。この違いを整理しておきましょう。

社債の満期償還

「上記の社債が満期日となったので、当座預金で社債を償還した」場合の仕訳について考えてみましょう。ちなみに社債でいう償還とは、借入金でいう返済にあたります

当座預金で支払っているので、勘定科目は当座預金です。また、金額は額面金額なので5,000,000円です。よって『(貸)当座預金5,000,000』となります。

社債を償還するので、社債という負債が減額されます。よって、『(借)社債5,000,000』となります。

まとめると次のようになります。

借方 金額 貸方 金額
社債 5,000,000 当座預金 5,000,000

(借)社債 5,000,000/(貸)当座預金 5,000,000

社債の発行時には社債の金額は4,850,000円、償還時には5,000,000円となっています。金額に違いがあります。この点についてはこれからお伝えしていきます。

ちなみに満期保有目的債券のところで出てきた償却原価法の考え方と同じなので復習しておくといいと思います。

また、社債を発行するときには社債発行費という繰延資産がセットになります。社債発行費についてもこのタイミングで確認しておくといいと思います。

額面金額と払込金額が異なる理由

先ほど社債の発行のところで、額面金額と払込金額が異なっています。その理由について考えてみましょう。

社債の利率が国債の利率よりも低い場合、投資家は当社の社債を買ってくれません。

日本で発行されている債券の中で、きちんと元本が返済される可能性が最も高い債券は国債です。国債よりも元本が返済される可能性が低いということはリスクが高いということになります。また、国債よりも利率が低いということは国債よりもリターンが低いということになります。

リスクが高く(国債よりも元本の返済可能性が低く)、リターンが低い(利率が低い)債券を買う投資家はいません。よって誰も当社の社債を買ってくれないのです。

ということは、当社の社債を買ってもらうためには社債の利率を高くするしかありません。しかし、社債の利率を高くするということは毎年の利払の金額が増えるということになります。毎年の利息の支払が苦しくなるということです。

毎年の利払いが苦しくなってしまうと、社債を使って長期間返さなくていい資金を調達しているのにその効果が薄れてしまいます。そこで、額面金額より低い額で発行するのです。このように額面金額より低い額で社債を発行することを割引発行と言います

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“社債(概論)” への2件のフィードバック

  1. minori より:

    ■合格しました!

    日商簿記、無事に2級も3級も合格しました(*^▽^*)
    更に上を目指して努力しようと思います!

    • dokuboki より:

      合格おめでとうございます。2級と3級のダブル合格すごいですね。更に上を目指したがんばってください。応援しています。

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