- 簿記を勉強していると連結財務諸表が出てくるんだけど……
- 連結財務諸表の重要性が分からない
- 連結財務諸表がなぜ必要なのか教えて!
連結財務諸表は簿記2級の中でも非常に難しくて複雑です。連結財務諸表を苦手にしてしまう方が非常に多いです。
私は簿記通信講座を2012年から運営してきて数百名の合格者をこれまでに送り出させていただきました。もちろん連結財務諸表の必要性についても熟知しています。
この記事では連結財務諸表の必要性についてわかりやすく解説します。
この記事を読めば連結財務諸表についてより深く理解できるので、簿記2級の連結財務諸表の勉強をスムーズに進めることができるようになります。
結論を一言で言うと、連結財務諸表は「有用な会計情報を提供するため」「粉飾決算を防止するため」「連結納税制度を利用するため」に必要です。
連結財務諸表が必要な3つの理由

連結財務諸表は次の3つの目的のために必要です。
- 投資者に対して企業集団の会計情報を報告するため
- 親会社の経営者に対して企業集団の会計情報を提供するため
- 粉飾決算を防止するため
投資者に対して企業集団の会計情報を報告するため
個別財務諸表では子会社の損益は全く報告されません。
ですが、子会社がどれだけ利益を上げているのか、または損失を出しているのかは親会社の株主にとって非常に重要な情報です。
投資者に有益な情報を提供するためには親会社の個別財務諸表だけではなく企業集団全体の連結財務諸表を報告する必要があります。
親会社の経営者に対して企業集団の会計情報を提供するため
投資者だけでなく、親会社の経営者にとっても企業集団の会計情報(財政状態や経営成績など)は重要です。
経営に関する意思決定を経営者が行うためには、親会社の個別財務諸表だけでは不十分です。連結財務諸表が必要になります。
粉飾決算を防止するため
子会社は親会社の思い通りに動かすことができるので、粉飾決算などの不正に利用されやすいです。
損失を全て子会社に押しつけるなどすることで親会社の個別財務諸表だけをよくすることは簡単にできてしまいます。
しかし、連結財務諸表ではこのような不正を行うのは難しくなります。不正を防止するためにも連結財務諸表は役立ちます。
【まとめ】連結財務諸表が必要な3つの理由

連結財務諸表は次の3つの目的のために必要です。
- 投資者に対して企業集団の会計情報を報告するため
- 親会社の経営者に対して企業集団の会計情報を提供するため
- 粉飾決算を防止するため
コメント
いつもお世話になっております。約半年前仕事の都合で日商2級を取得することになったのですが、貸方借方もわからない状態で困っていたところ、こちらのサイトにたどり着きました。
単なる資格取得だけでなく、より上位の級や実務を見据えた先生の玉稿を拝読させていただき、先日無事日商2級に合格できました。誠にありがとうございます。
合格を伝えたところ、上司から「1級はいつ取るんだ」ときかれたので、再度連結の項目を復習していたところ、このページ4番目の「連結納税制度」は2022年に完全に廃止されることになっておりました。
差し出がましいことかもしれませんが、「連結納税制度」については削除されたほうが良いかと思いご連絡いたしました。
1級の勉強でもお世話になります。よろしくお願いいたします。
ご指摘ありがとうございます。簿記2級合格おめでとうございます。お役に立てて嬉しいです。
おっしゃるとおり、連結納税制度は現在グループ通算制度に変更されています。削除いたします。
ご連絡ありがとうございました。こちらこそよろしくお願いいたします。