銀行残高基準法

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こんにちは、簿記合格請負人の平野です。この記事では銀行勘定調整表の中の銀行残高基準法についてお伝えします。

銀行残高基準法

銀行残高基準法は銀行の当座預金残高証明書残高を基準にして銀行勘定調整表を作成します。

不一致の原因を分析して次のように処理します。

  • 銀行>企業…銀行の当座預金残高証明書残高からマイナス
  • 銀行<企業…銀行の当座預金残高証明書残高にプラス

銀行の当座預金残高証明書残高を基準にするので、企業の当座預金帳簿残高には加減しないところがポイントです。

不一致の原因が全て銀行勘定調整表に書き込まれれば、銀行の当座預金残高証明書残高は企業の当座預金帳簿残高に一致します。

銀行残高基準法(例題)

当社が取引銀行より取り寄せた当座預金残高証明書(決算日付)は、当座預金帳簿残高と一致していなかった。次の資料により銀行残高基準法によって銀行勘定調整表を作成しなさい。

  • 銀行から取り寄せた当座預金残高証明書残高…1,000,000円
  • 当社の当座預金帳簿残高…50,000円

不一致の原因

  1. 得意先より売掛金の回収として、同社振出しの小切手150,000円を受け取り、ただちに当座預金として預け入れたが、いまだ取り立てられていなかった。
  2. 決算日に現金100,000円を当座預金口座に預け入れたが、銀行の営業時間終了後であったため、銀行は翌日の入金として処理していた。
  3. 仕入先へ振り出した小切手300,000円がいまだ銀行で未払いである。
  4. 仕入先に買掛金の支払いのため小切手200,000円を振り出したが、先方に未渡しであり、いまだ金庫に保管されていた。
  5. 得意先に対する受取手形250,000円が期日決済され取り立てられていたが、その通知が当社に未達であった。
  6. 支払手形50,000円が当座預金口座から決済されていたが、当社では500,000円決済されていたものとして記帳していた。

銀行残高基準法(考え方)

不一致の原因を一つ一つチェックしていきます。

1.未取立小切手

受け取った小切手が取り立てられていなかったので、1は未取立小切手になります。当社は当座預金として預け入れた時点で次の仕訳を切っているはずです。

借方 金額 貸方 金額
当座預金 150,000 現金 150,000

つまり、企業の当座預金残高は150,000円増加しています。しかし、銀行の当座預金残高は全く増加していません。よって次のようになります。

企業(+150,000)>銀行(0)

よって、この不一致を修正するためには銀行側に150,000円加算しなければならないということになります。

2.時間外入金

営業時間終了後の入金なので、2は時間外入金になります。当社は現金100,000円を当座預金に預け入れた時点で次の仕訳を切っているはずです。

借方 金額 貸方 金額
当座預金 100,000 現金 100,000

つまり、企業の当座預金残高は100,000円増加しています。しかし、銀行の当座預金残高は当日の時点では全く増加していません(翌日増加します)。よって次のようになります。

企業(+100,000)>銀行(0)

よって、この不一致を修正するためには銀行側に100,000円加算しなければならないということになります。

3.未取付小切手

振り出した小切手が取り立てられていないので、3は未取付小切手になります。当社は小切手を振り出した時点で、次の仕訳を切っているはずです(借方は重要ではありません)。

借方 金額 貸方 金額
買掛金など 300,000 当座預金 300,000

つまり、企業の当座預金残高は300,000円減少しています。しかし、銀行の当座預金残高は全く減少していません。よって次のようになります。

企業(-300,000)<銀行(0)

よって、この不一致を修正するためには銀行側から300,000円減算しなければならないということになります。

4.未渡小切手

先方に未渡しとあるので、4は未渡小切手になります。当社は小切手を振り出した時点で次の仕訳を切っているはずです。

借方 金額 貸方 金額
買掛金 200,000 当座預金 200,000

つまり、企業の当座預金残高は200,000円減少しています。しかし、銀行の当座預金残高は全く減少していません。よって次のようになります。

企業(-200,000)<銀行(0)

よって、この不一致を修正するためには銀行側から200,000円減算しなければならないということになります。

5.銀行から企業への未通知

通知が当社に未達なので、5は銀行から企業への未通知になります。未通知のため当社は全く仕訳を切っていません。しかし、銀行では受取手形250,000円を取り立てたため250,000円増加しています。よって次のようになります。

企業(0)<銀行(+250,000)

よって、この不一致を修正するためには銀行側から250,000円減算しなければならないということになります。

6.誤記帳

金額を誤って記帳しているため、6は誤記帳となります。当社は通知を受けた時点で次の仕訳を切っているはずです。

借方 金額 貸方 金額
支払手形 500,000 当座預金 500,000

つまり、当座預金は500,000円減少しています。しかし、正確な金額は50,000円のため、銀行は50,000円当座預金を減少させています。よって次のようになります。

企業(-500,000)<銀行(-50,000)

よって、この不一致を修正するためには銀行側から450,000円減算しなければならないということになります。

銀行残高基準法(解答)

銀行残高基準法

これらの不一致の修正を加算と減算に分けて銀行勘定調整表に記入していきます。

銀行残高基準法の解答は右のようになります。

ちなみに、摘要に書く言葉はこのとおりでなければダメというわけではありません。これはあくまで例です。

不一致の内容を適切に表していれば大丈夫だと考えてください。

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“銀行残高基準法” への6件のフィードバック

  1. tamotsu より:

    明快な説明素晴らしいです。
    lecの光速マスターには銀行残高基準法の紹介と解答結果があるのになぜ未渡、未記帳、誤記帳が区分調整法の時の加減と逆になるのかが一切書かれていませんでした。

    20日で合格のためと割り切れば覚えることもできますが、理解したものの方がより覚えやすく実用的なのは明らかだと思います。

    簿記の勉強を始めてまだ日が浅いのですが、理解して覚えていく方法では甘いのでしょうか?

    理解しなくても試験を突破するのが簿記の才能だとすれば、私には向いていない学問なのだと判断し諦めようと思います。

    もし、理解することを中心とした参考書などあればお教えください。

    • dokuboki より:

      コメントありがとうございます。お褒めいただきありがとうございます。

      理解して覚えていく方法が甘いなんてことはありません。むしろ王道です。私が「暗記不要」と銘打っているのは「理解すれば自然と覚えられる」という意味で、決して「全く何も覚えない」という意味ではありません。

      また、理解しなくても試験を突破するのが簿記の才能なんてことは全くありません。そういう方は単純に記憶力が高いだけです。

      「しっかりと理解して身につけていく」というスタンスをしっかりと持てることが簿記の才能だと思います。

      理解することを中心とした参考書としてお勧めなのは「簿記の教科書」シリーズか「スッキリわかる」シリーズかなと思います。

      簿記の教科書シリーズは内容が多めで高得点を取りに行くスタンス、スッキリわかるシリーズは重要論点に絞られていて合格点を取りにいくスタンスで作られている印象です。

      好みの問題もありますので、難しいと思う論点がどのように説明されているか確認して、分かりやすい方を選ばれるといいかと思います。

      • tamotsu より:

        返信ありがとうございます!

        手元にすっきりシリーズも買ってあったのを思い出し確認してみました。
        やはり銀行残高基準法についてリョウさんのような明快な説明はされていませんでした。ただ銀行勘定調整表を作成しろという問題は出ないとも書いてあったので、調整項目の仕分けができればいいということなのでしょうね。

        すっきりシリーズは光速シリーズに1、2行余分に説明を加えてある感じですね。
        もう一つの教科書シリーズも確認してみたいと思います。

        • dokuboki より:

          いえいえ。ご丁寧にありがとうございます。

          銀行勘定調整表は暗記に走りやすいところですが、暗記に走ると失敗してしまうところでもあります。

          市販のテキストではやはり限界があるのかもしれません。ぜひ理解中心で学習していってください。このブログが参考になれば幸いです。

          • tamotsu より:

            本屋で他のテキストも見てみましたがきちんとした説明をしているものはありませんでした。不思議なものですね。
            ネットスクールというところが出しているものにはリョウさんのとは違う形ですが、一応納得できる説明がされていました。
            (銀行残高基準法の場合。銀行残高→加減→あるべき残高→加減→帳簿残高。という流れ)

            ところでこのブログでは通信教材も売っているのですね。
            教える側が納得いくテキストを与え、あとは自分で勉強させる。その上で質問には完璧に答えるという形式はとても誠実な教え方ですね。

            私はTOEICで960点とれたので英語の家庭教師でもやろうと思ったのですが、誠実に教えようとすると金にならないんですよね。(授業形式で一方的に教師側のペースで教えれば毎週授業料をもらえるが、それでは英語はできるようにならない。)

            リョウさんのように各試験期間に質問受付を限定して定額を受け取るというのは目から鱗でした。世の中には誠実で頭のいい人もいたんですね(笑)

            最後に、リョウさんは公認会計士試験は目指していないんでしょうか?もしよければ教えてください。

            では長文失礼いたしました。

            • dokuboki より:

              いえいえ。長文問題ありません。ご丁寧にありがとうございます。

              確かに納得のいく説明があるテキストはなかなかありませんね。実は簿記学校の通信教材でもなかなかありません(だから自分で作りました。)。

              確かに誠実に教えようとするとなかなかお金にはならないですね。私の通信講座も、ご質問にスピーディーに答えようと思うと多く販売することができませんし…(私しかご質問にお答えできないためです。)。けれど、簿記に真剣に取り組んでいる方の力になれればという思いで始めたことなのでそれでいいと思っています。

              公認会計士は特に目指していないです。私には今のような形で簿記や会計に携わるのが性に合っているようです。

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