所有している手形の不渡りの取引と仕訳

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こんにちは、簿記合格請負人の平野です。この記事では所有している手形の不渡りの取引と仕訳について解説します。

所有している手形の不渡り

手形の受取人が手形を受け取ったら、通常はすぐの銀行に呈示して取り立て依頼を出します。そして手形の満期がきたら支払人の当座預金口座から支払いを受け、手形の取立てが完了します。

しかし、支払人の当座預金残高が不足している場合があります。支払人の当座預金残高が不足している場合、支払いが拒絶され、手形が戻ってきます。これを手形の不渡りといいます。

図で書くと次のようになります。

所有している手形の不渡り

所有している手形が不渡りになったら…

所有している手形が不渡りになったら、その分の受取手形を減額し、不渡手形勘定に振り替えます(先ほどの図で言えば2です)。支払拒絶を受けた手形と通常の手形を同じ勘定科目で記載してしまっては企業の財政状態を適正に表さなくなってしまうからです。

ちなみに不渡手形勘定は裏書人や振出人に対する請求権を意味します。資産の勘定となります。

そして、法律で定められた手続きによって、手形の振出人または裏書人に請求します(上の図でいえば3です)。この場合、手形額面に満期日から支払日までの法定利息や拒絶証書作成費用など、不渡りになったことでかかった費用を不渡手形勘定に含めて請求できます

ちなみに拒絶証書作成費用とは、支払を拒絶されたことを証明する証明書を作成する費用です。現在は「拒絶証書不要」と手形用紙に書かれているため、実際に拒絶証書が作られることはほとんどありません。

所有している手形の不渡りの取引と仕訳

支払拒絶を受けた

「A社振り出しの約束手形500,000円が満期が来たので、取引銀行に取立依頼をしておいたが、A社の資金不足により支払を拒絶されたので裏書人 であるB社に償還請求した。

なお、支払拒絶証書作成その他の費用として合計20,000円を現金で支払った」場合の仕訳を考えてみましょう。

受取手形500,000円が支払拒絶されたことにより、受取手形が消滅します。よって『(貸)受取手形500,000』となります。

また、現金20,000円を支払っているので、『(貸)現金20,000』となります。

問題は借方です。手形額面に満期日から支払日までの法定利息や拒絶証書作成費用など、不渡りになったことでかかった費用を不渡手形勘定に含めて請求できるので、現金で支払った20,000円も不渡手形に含めて請求します。

よって、500,000円+20,000円=520,000円が不渡手形勘定の金額になります。『(借)不渡手形520,000』となります。

まとめると次のようになります。

借方 金額 貸方 金額
不渡手形 520,000 受取手形
現金
500,000
20,000

不渡手形の回収

「上記の不渡手形520,000円と法定利息10,000円を合わせてB社から現金で受け取った」場合の仕訳を考えてみましょう。

不渡手形を取り立てることができたので、請求権を意味する不渡手形勘定は消滅します。よって『(貸)不渡手形520,000』となります。また、法定利息10,000円も合わせて受け取ったので『(貸)受取利息10,000』となります。

これら合わせて520,000円+10,000円=530,000円を現金で受け取ったので『(借)現金530,000』となります。

まとめると次のようになります。

借方 金額 貸方 金額
現金 530,000 不渡手形
受取利息
520,000
10,000

不渡手形の貸倒れ

「上記の不渡手形520,000円をB社に償還請求したところ、B社は破産宣告を受けた。そのため当社は不渡手形に関する債権を放棄した。なお、貸倒引当金が300,000円ある」場合の仕訳を考えてみましょう。

不渡手形に関する債権を放棄しているので、『(貸)不渡手形520,000』となります。

また、貸倒引当金が300,000円あるので、これを取り崩します。よって『(借)貸倒引当金300,000』となります。

不渡手形520,000円から貸倒引当金300,000円を引いた220,000円は貸倒損失となります。よって、『(借)貸倒損失220,000』となります。

まとめると次のようになります。

借方 金額 貸方 金額
貸倒引当金
貸倒損失
300,000
220,000
不渡手形 520,000

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